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新店舗経営編
027話 かしまし娘
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◇◇◆◇◇◇
ラルクが個人カードを受け取った翌週にタクティカ国の王都では、大規模な軍事パレードが取り行われていた。
セロ商会で作製された武具を身に着けた約4000名の騎士団が街の大通りを隊列を組み練り歩く。
この日ばかりは騎士団の雄姿を一目見ようと大勢の国民が大通りに沿う形で集まり、路地を埋め尽くす程に押し集まっていた。
これまでにない規模の賑わいで、複数の屋台がパレードの順路に合わせて立ち並んでいた。
僕は列の先頭に立ち部隊を先導する。
重い武具を着用し、丸1日かけて都市をジグザグに1周するという下手な訓練よりもきついメニューとなっていた。
新しく配属された若い団員や、甘やかされて育った貴族出身の者が脱落するのではないかと少し心配になる。
「今時の若いもんはなっとらん!」と言う熟練騎士の言葉が今から想像できてしまう。
そう言う台詞は時代を巡ると言うか……
世代による摩擦を生む原因となるのが分からないのかと言いたくなる。
気にしても仕方が無い、その摩擦から来る意識の乖離を修正するのが騎士団長の役目でもあるのだから。
人だかりの中には、かつて学校の旧友の姿がチラホラと見受けられた。
高等部へ進学してからは平民の友人とは距離ができ接点も無くなる事で、今では完全に疎遠となっている。
かつて仲の良かった友人達も今では挨拶をする程度の仲へとなってしまったのは残念でならない。
名家と呼ばれる家に生まれた僕は幼い頃から英才教育を施されて来た。
家庭で受けたレベルの高い教育と剣術のお陰で若くして騎士団長と言う地位を賜った。
貴族の集いで上辺だけは仲良くしている人間は多い。
しかし僕は、何処か悟ったように一定の距離を保つようになっていた。
社会のシステムや人間関係のコントロールを学んで来た結果、他者の思考の裏を読み自分にとって利益のある人間かどうか値踏みする”立派な貴族”となってしまった。
隊列の先頭で誇り高く歩き、羨望の眼差しを受けるような人間では決して無いと考えると気分が深く暗い海の底に沈む感覚を覚える。
しかし仕事上、表向きだけは立派な騎士団長を演じる必要がある。
大勢の市民が人垣を作りパレードを見に来ている。
愛想笑いをする事無く真直ぐに長い大通りを歩いて行く。
やがて、街の中央広場に差し掛かり東側へと隊列を誘導する。
ふと視界にルーン工房が入る。
そこには見知ったメンバーが店の前に集まっており、こちらに向かって手を振っていた。
彼等とは2年近くの付き合いになる。
不思議な事に、工房のメンバーは貴族や平民といった垣根を感じさせないような関係を築けていた。
その原因を僕は知っている。
……ラルクが潤滑油のような役割を自然と担っているからだ。
彼の故郷でも親しい貴族の女性がいたようで、その事が原因かも知れないと語っていた。
僕はラルクに対して軽く手を振る。
彼の周囲を取り囲む人々が波打つように動き、皆が手を振り返して来た。
こういう何気無いやりとりが何故か少し嬉しい。
「団長。個人的に懇意にしている方々への挨拶は控えて下さい」
僕の斜め横を歩くカルレン副団長が耳打ちをしてきた。
彼の真面目な性格は好きだが、たまに「お堅いなぁ」と感じる事がある。
「この武具を造ってくれた功労者達ですよ? 騎士隊の代表者として愛想くらいは振り撒かないと」
副団長の注意に対して、大義名分的な理由を付けて惚ける。
実際、カルレン副団長も支給された武具の素晴らしさに子供のように目を輝かせていたのを覚えている。
「もちろん、工房の方々には感謝をしています。しかし弁明のしようの無いくらい顔が緩んでいましたので、せめて表情だけは気を付けてください」
……自分では気が付かなかったが、そんなに緩んだ表情をしていたのだろうか?
「……気のせいだと思うが、気を付けよう」
カルレン副団長は小さく溜息をつき、「お願いします」と言うと無言に戻る。
僕は改めて正面を向き、ラルク達を横目に工房の前を通り過ぎる。
――今でも強く印象に残っている。
暗闇に輝く聖剣を携え、颯爽と僕のピンチに現れたラルクの姿を……
あの姿こそ、僕が子供の頃に夢見た物語の英雄そのものだった。
彼は無実の罪で拷問を受け、国外追放で家族と離別した経験から精神的に脆い所がある。
肉体的にも騎士として英才教育を受けて来た僕よりも当然弱い。
しかし、そんな事は僕の中では些細な事でしかない。
監視者として彼を欺いて来た僕を、自らの命を賭けて救ってくれたのだから。
タロス国でルーン技師としての才能を開花させ、この国に大きく貢献もした。
このパレードさえも彼のルーン技術の才がもたらした産物だ。
今やタクティカ国が認め、特例カードが発行される程の重要人物にもなった。
彼はきっとこれからも偉業を成し遂げる、そんな運命めいたモノを漠然と感じる。
……その時、僕は立場に関係なく友人として彼の隣に居たい。
◆◇◇◇◇◇
「……出張ですか?」
「ええ、見識を広める為にね。なんでも凄腕のルーン技師がいるという話です」
軍事パレードが行われた翌日、僕はセロ社長に呼び出されて久々に本社へと出向いていた。
東のサイリーン大陸の最南端に位置するピトゥリア国の外れの森林地帯に妖精種の村がある、そこに世界最高峰のルーン技師が住んでいるという話だ。
セロ社長が言うには、そのルーン技師がタロス国にルーン技術を伝えたらしい。
いうなればレウケ様の師匠にあたる人物だという。
「面白そうじゃねぇか! ラルク行こうぜ!」
僕の肩の上でスピカがキラキラと瞳を輝かせながら興奮している。
ここ最近、工房に入り浸っていたせいかスピカは少々退屈に感じていたようだ。
ピトゥリア国と言えば、タロス国よりも更に東にある大国だ。
雪深い寒冷地ながら、質の良い鉱石や丈夫な木材といった輸出品が有名だと聞いた事がある。
しかし、世界的にも有名なルーン技師がいるという話は初耳だった。
ルーン自体、失われつつある技術らしいので僕の世代が知らなくてもおかしくない。
「実は、護衛役も既に決まっているんだ。そろそろ訪ねて来ると思うんだけどね」
護衛というとレヴィンが真っ先に思い浮かぶ。
今思うと、監視という名目でいつも護衛役をしてくれていた訳だ。
「今回もレヴィンですか?」と僕が問いかけると、セロ社長は首を横に振る。
「残念ながら今回は違いますよ。件の村の出身者の方が同行してくれます」
ピトゥリア国か、行った事ないから楽しみだな。
地理の授業で国名と大体の位置を知っている程度の知識しか無い。
この国同様、雪に覆われた山岳地帯の中央にある国で、船で約1週間くらいかかるだろうか。
今回の出張はピトゥリア国の王都では無く、領土内の森林地帯に存在する小さな村に向かうという。
その村の名前は妖精種の村”アルフヘイム”。
隠れ里のような造りで、決まったルートを知る同行者無しでは辿り着けないらしい。
そこに住む世界的に有名な凄腕のルーン技師。
……かなり興味が湧く話だ。
コンコンコン……
セロ社長と話をしていると執務室のドアがノックされた。
「来たみたいですね。……どうぞ、お入り下さい」
セロ社長が入室を許可すると、見知った顔が部屋へと入って来た。
薄青色の鎧に身を包んだ美しい銀髪の古代妖精種の女性が3名と妖精種の女の子が1名。
小柄の子供が混じっていたので、真っ先に目に付いた。
その先頭にいたのがネイだった。
彼女の後ろに控えている3人の女性は初めて見る顔だ。
「どうも、来たよ」
ネイはそう一言だけ言い、室内を沈黙が支配する。
なんだ、同行者ってネイの事だったのか。
「なんだ、ねーちゃんじゃん!」
スピカも僕と同じ感想を抱いたようだ。
以前の研修にも同行したので当然のような感想になる。
ふと、後ろで唖然とする女性達が視界に映った。
「ちょっ! 副団長! 知り合いだからって簡略化し過ぎナノ!」
初等部の高学年を思わせる小柄な女の子がネイのマントを引きながら焦った様子で話す。
「し、失礼しましたセロ社長。我々は明日より護衛に就く為の挨拶に馳せ参じました」
「お初にお目に掛かります。私はルーティア、この敏感巨乳がアネッタで変な語尾の小さいのがシャニカです。宜しくお願いします」
切れ長の睫毛と鋭い釣り目が魅力的な女性が、仲間の身体的特徴を述べながら名前を紹介した。
初対面の人に友人を紹介する台詞ではないのでは?……っと思っていた矢先、紹介を受けた2人からツッコミが入った。
「お前、その紹介はどうかと思うぞ!! なんだ敏感巨乳って! 不必要な情報だろう!?」
胸当てで隠れているが、確かに他の3人よりも胸部の角度が大きいような気がする。
僕が胸に目をやった瞬間にアネッタさんが胸を隠すように手で覆った。
……なんか、申し訳ありません。
「そうだ、そうだ! 変なって侵害ナノ! ルーちゃん酷いノ!」
ルーティアと名乗った女性は自分の事を棚に上げて「大声を出すと失礼ですよ」と、いかにも礼儀正しい風な人を装っていた。
2人は「ムキッー!」といった感じで騒ぎ、ネイが「何やってんの?」的な感じで極めて冷静に宥めていた。
こういうのを「姦しい」と言うのだろう。
でも、本気で喧嘩をしている感じでは無く、じゃれていると言った雰囲気だ。
なんだ、仲良しグループか。
「おもしれー連中だな、ラルク」
スピカが僕の肩の上でカラカラと笑う。
えーっと、長い髪を後ろで纏めた真面目な感じで敏感……スタイルの良い人がアネッタさん。
冷静沈着で口が悪いのがルーティアさん。
小柄で金髪の女性がシャニカさんか。
彼女達が身に着けている武具はウチの会社で魔法師団用に作成したミスリル鉱ルーンブレストアーマーだ。
ネイ以外は長剣を腰に携帯しており、鞘には女性戦士用の小型の盾も付属している。
「あ、ああ……お待ちしておりました。こちらこそ宜しくお願いします」
姦しい3名の女性に気圧されて少しだけたじろぐ社長が面白い。
僕は初対面の3人に挨拶を済ませ、改めて社長の話が再開した。
「現在、東の大陸の北部は魔族の侵攻を受けていたという噂です。南部のピトゥリア国は安全圏ですが、念の為お願いをしたと言う次第です」
サイリーン大陸は北部にバンボゥ国、中部にコダ国、南部にはピトゥリア国が存在する。
1年以上前に大陸北部のバンボゥ国がアビス国の魔族の軍勢に侵攻を受け陥落。
現在は魔族の国として再建国されたと噂が流れていた。
「武具も新調して頂きましたし、アルフヘイムはシャニカの故郷ですから案内はお任せ下さい」
気を取り直したアネッタさんが自身有り気に敬礼をする。
「お任せナノ!」
それに合わせてシャニカさんもビシッと敬礼を決めた。
しかし、見た目が本当に幼いな……故郷の妹を思い出して微笑ましくなる。
ただ妖精種は長命な種族なので、ああ見えて僕より年上なんだろうな。
「……そういう訳だ。レウケ様より書状を送って貰っているので会って貰えると思いますよ」
なるほど、この出張はレウケ様の紹介って訳だ。
レウケ様は2年前の研修以来出会って無い。
……元気にしているだろうか。
「以前、工房でお世話になった同僚達も同行したがっていましたが、少数精鋭という事で我々が選ばれました。必ず無事に帰って来られるように努力します」
こういう台詞は本来、副団長のネイが言うべきなんだろうけど……
ネイが苦手とする部分を上手くフォローしてるんだと思う。
嫌な顔せず自然と立ち回れるあたり、アネッタさんは多分世話好きの部類なんだろう。
「村は大勢だとあまり良い顔はされないノ、それにディガリオ爺ちゃんも騒がしいのは嫌いナノ」
ディガリオ爺ちゃん?
「ああ、有名なルーン技師の名前だよ。世界で唯一、8文字刻みを成功させたと言われる人だよ」
シャニカさんの言葉に首を傾げているとセロ社長がディガリオさんの事を説明してくれた。
なるほど、ディガリオさんに会いに行くのが今回の出張の目的って事か。
その後、僕達は地図で航路と陸路の確認を行い旅の準備をする為に解散する。
船の準備は社長が指示して進めているようだ。
スピカは「ちょっと寄り道してくる!」と言い本社前で別れた。
「じゃ、ラルク。また明日」
「うん、よろしくねネイ」
その後ネイとも別れ、僕は1号店の自分の部屋に戻り明日からの旅支度を始める。
荷物と言っても下着等の着替えと、個人カードくらいだ。
後は貯金を叩いてセロ社長に仕入れて貰った特別製の武具だ。
武器は軽くて丈夫なショートソード。
盾はライトバックラー。
鎧は金属繊維のチェインメイル。
筋力の低い僕でも容易に装備出来る重さの武具ばかりを選んでもらった。
それぞれ超上質なミスリルのイシルディン鉱石を使って作られた武器と防具に僕が4文字のルーンを刻んだ物だ。
「ただいま! おっ、もう準備してるのか?」
寄り道をしていたスピカが串焼き肉をハフハフと咥えながら帰って来た。
その首には2年前にあげたボロボロの"ガマ口財布"がぶら下がっている。
「お帰り。その財布も随分痛んでるな。旅先で新しいのを買おうか?」
「いや、これでいい。お前から初めて貰ったものだからな」
セロ商会で働くようになって、初めて給料が入った日に買ってあげた安物の財布だ。
気に入って使って貰えるのは嬉しいけど、出かける時は常に首にぶら下げているせいか、ずいぶんと傷んでいる。
「そうだ! これにもルーンを刻んでくれよ!」
スピカは机の上に置いて有るルーン文字の早見表をペシペシと前足で叩いて催促する。
”フェオ”……財産や家畜の象徴で豊かな実りを意味するルーンか……
そして、成長を促す力がある。
まぁ、この財布でも1文字なら耐えれるだろう。
問題はルーン文字を刻む為の金属部分が少ない所だ。
僕は四苦八苦しながら少ない金属部分にルーン文字を刻み、15分かけてルーン財布を完成させる。
「ありがとう! 大切にするぜ!」
お気に入りの財布に再度マーキングするかのようにスリスリと頬摺りをしていた。
僕とスピカはベッドに潜り、小さな明りの中でピトゥリア国に関する書類に目を通す。
スピカは名産物や名物料理など、主に食べ物にしか興味が無いようだ。
2年前の研修以来の長旅に出ると思うと心が躍る。
見知らぬ土地に新しい出会い、きっと楽しい旅になる。
僕はまだ見ぬ旅路に思いを馳せ、そして夜は更けて行った。
ラルクが個人カードを受け取った翌週にタクティカ国の王都では、大規模な軍事パレードが取り行われていた。
セロ商会で作製された武具を身に着けた約4000名の騎士団が街の大通りを隊列を組み練り歩く。
この日ばかりは騎士団の雄姿を一目見ようと大勢の国民が大通りに沿う形で集まり、路地を埋め尽くす程に押し集まっていた。
これまでにない規模の賑わいで、複数の屋台がパレードの順路に合わせて立ち並んでいた。
僕は列の先頭に立ち部隊を先導する。
重い武具を着用し、丸1日かけて都市をジグザグに1周するという下手な訓練よりもきついメニューとなっていた。
新しく配属された若い団員や、甘やかされて育った貴族出身の者が脱落するのではないかと少し心配になる。
「今時の若いもんはなっとらん!」と言う熟練騎士の言葉が今から想像できてしまう。
そう言う台詞は時代を巡ると言うか……
世代による摩擦を生む原因となるのが分からないのかと言いたくなる。
気にしても仕方が無い、その摩擦から来る意識の乖離を修正するのが騎士団長の役目でもあるのだから。
人だかりの中には、かつて学校の旧友の姿がチラホラと見受けられた。
高等部へ進学してからは平民の友人とは距離ができ接点も無くなる事で、今では完全に疎遠となっている。
かつて仲の良かった友人達も今では挨拶をする程度の仲へとなってしまったのは残念でならない。
名家と呼ばれる家に生まれた僕は幼い頃から英才教育を施されて来た。
家庭で受けたレベルの高い教育と剣術のお陰で若くして騎士団長と言う地位を賜った。
貴族の集いで上辺だけは仲良くしている人間は多い。
しかし僕は、何処か悟ったように一定の距離を保つようになっていた。
社会のシステムや人間関係のコントロールを学んで来た結果、他者の思考の裏を読み自分にとって利益のある人間かどうか値踏みする”立派な貴族”となってしまった。
隊列の先頭で誇り高く歩き、羨望の眼差しを受けるような人間では決して無いと考えると気分が深く暗い海の底に沈む感覚を覚える。
しかし仕事上、表向きだけは立派な騎士団長を演じる必要がある。
大勢の市民が人垣を作りパレードを見に来ている。
愛想笑いをする事無く真直ぐに長い大通りを歩いて行く。
やがて、街の中央広場に差し掛かり東側へと隊列を誘導する。
ふと視界にルーン工房が入る。
そこには見知ったメンバーが店の前に集まっており、こちらに向かって手を振っていた。
彼等とは2年近くの付き合いになる。
不思議な事に、工房のメンバーは貴族や平民といった垣根を感じさせないような関係を築けていた。
その原因を僕は知っている。
……ラルクが潤滑油のような役割を自然と担っているからだ。
彼の故郷でも親しい貴族の女性がいたようで、その事が原因かも知れないと語っていた。
僕はラルクに対して軽く手を振る。
彼の周囲を取り囲む人々が波打つように動き、皆が手を振り返して来た。
こういう何気無いやりとりが何故か少し嬉しい。
「団長。個人的に懇意にしている方々への挨拶は控えて下さい」
僕の斜め横を歩くカルレン副団長が耳打ちをしてきた。
彼の真面目な性格は好きだが、たまに「お堅いなぁ」と感じる事がある。
「この武具を造ってくれた功労者達ですよ? 騎士隊の代表者として愛想くらいは振り撒かないと」
副団長の注意に対して、大義名分的な理由を付けて惚ける。
実際、カルレン副団長も支給された武具の素晴らしさに子供のように目を輝かせていたのを覚えている。
「もちろん、工房の方々には感謝をしています。しかし弁明のしようの無いくらい顔が緩んでいましたので、せめて表情だけは気を付けてください」
……自分では気が付かなかったが、そんなに緩んだ表情をしていたのだろうか?
「……気のせいだと思うが、気を付けよう」
カルレン副団長は小さく溜息をつき、「お願いします」と言うと無言に戻る。
僕は改めて正面を向き、ラルク達を横目に工房の前を通り過ぎる。
――今でも強く印象に残っている。
暗闇に輝く聖剣を携え、颯爽と僕のピンチに現れたラルクの姿を……
あの姿こそ、僕が子供の頃に夢見た物語の英雄そのものだった。
彼は無実の罪で拷問を受け、国外追放で家族と離別した経験から精神的に脆い所がある。
肉体的にも騎士として英才教育を受けて来た僕よりも当然弱い。
しかし、そんな事は僕の中では些細な事でしかない。
監視者として彼を欺いて来た僕を、自らの命を賭けて救ってくれたのだから。
タロス国でルーン技師としての才能を開花させ、この国に大きく貢献もした。
このパレードさえも彼のルーン技術の才がもたらした産物だ。
今やタクティカ国が認め、特例カードが発行される程の重要人物にもなった。
彼はきっとこれからも偉業を成し遂げる、そんな運命めいたモノを漠然と感じる。
……その時、僕は立場に関係なく友人として彼の隣に居たい。
◆◇◇◇◇◇
「……出張ですか?」
「ええ、見識を広める為にね。なんでも凄腕のルーン技師がいるという話です」
軍事パレードが行われた翌日、僕はセロ社長に呼び出されて久々に本社へと出向いていた。
東のサイリーン大陸の最南端に位置するピトゥリア国の外れの森林地帯に妖精種の村がある、そこに世界最高峰のルーン技師が住んでいるという話だ。
セロ社長が言うには、そのルーン技師がタロス国にルーン技術を伝えたらしい。
いうなればレウケ様の師匠にあたる人物だという。
「面白そうじゃねぇか! ラルク行こうぜ!」
僕の肩の上でスピカがキラキラと瞳を輝かせながら興奮している。
ここ最近、工房に入り浸っていたせいかスピカは少々退屈に感じていたようだ。
ピトゥリア国と言えば、タロス国よりも更に東にある大国だ。
雪深い寒冷地ながら、質の良い鉱石や丈夫な木材といった輸出品が有名だと聞いた事がある。
しかし、世界的にも有名なルーン技師がいるという話は初耳だった。
ルーン自体、失われつつある技術らしいので僕の世代が知らなくてもおかしくない。
「実は、護衛役も既に決まっているんだ。そろそろ訪ねて来ると思うんだけどね」
護衛というとレヴィンが真っ先に思い浮かぶ。
今思うと、監視という名目でいつも護衛役をしてくれていた訳だ。
「今回もレヴィンですか?」と僕が問いかけると、セロ社長は首を横に振る。
「残念ながら今回は違いますよ。件の村の出身者の方が同行してくれます」
ピトゥリア国か、行った事ないから楽しみだな。
地理の授業で国名と大体の位置を知っている程度の知識しか無い。
この国同様、雪に覆われた山岳地帯の中央にある国で、船で約1週間くらいかかるだろうか。
今回の出張はピトゥリア国の王都では無く、領土内の森林地帯に存在する小さな村に向かうという。
その村の名前は妖精種の村”アルフヘイム”。
隠れ里のような造りで、決まったルートを知る同行者無しでは辿り着けないらしい。
そこに住む世界的に有名な凄腕のルーン技師。
……かなり興味が湧く話だ。
コンコンコン……
セロ社長と話をしていると執務室のドアがノックされた。
「来たみたいですね。……どうぞ、お入り下さい」
セロ社長が入室を許可すると、見知った顔が部屋へと入って来た。
薄青色の鎧に身を包んだ美しい銀髪の古代妖精種の女性が3名と妖精種の女の子が1名。
小柄の子供が混じっていたので、真っ先に目に付いた。
その先頭にいたのがネイだった。
彼女の後ろに控えている3人の女性は初めて見る顔だ。
「どうも、来たよ」
ネイはそう一言だけ言い、室内を沈黙が支配する。
なんだ、同行者ってネイの事だったのか。
「なんだ、ねーちゃんじゃん!」
スピカも僕と同じ感想を抱いたようだ。
以前の研修にも同行したので当然のような感想になる。
ふと、後ろで唖然とする女性達が視界に映った。
「ちょっ! 副団長! 知り合いだからって簡略化し過ぎナノ!」
初等部の高学年を思わせる小柄な女の子がネイのマントを引きながら焦った様子で話す。
「し、失礼しましたセロ社長。我々は明日より護衛に就く為の挨拶に馳せ参じました」
「お初にお目に掛かります。私はルーティア、この敏感巨乳がアネッタで変な語尾の小さいのがシャニカです。宜しくお願いします」
切れ長の睫毛と鋭い釣り目が魅力的な女性が、仲間の身体的特徴を述べながら名前を紹介した。
初対面の人に友人を紹介する台詞ではないのでは?……っと思っていた矢先、紹介を受けた2人からツッコミが入った。
「お前、その紹介はどうかと思うぞ!! なんだ敏感巨乳って! 不必要な情報だろう!?」
胸当てで隠れているが、確かに他の3人よりも胸部の角度が大きいような気がする。
僕が胸に目をやった瞬間にアネッタさんが胸を隠すように手で覆った。
……なんか、申し訳ありません。
「そうだ、そうだ! 変なって侵害ナノ! ルーちゃん酷いノ!」
ルーティアと名乗った女性は自分の事を棚に上げて「大声を出すと失礼ですよ」と、いかにも礼儀正しい風な人を装っていた。
2人は「ムキッー!」といった感じで騒ぎ、ネイが「何やってんの?」的な感じで極めて冷静に宥めていた。
こういうのを「姦しい」と言うのだろう。
でも、本気で喧嘩をしている感じでは無く、じゃれていると言った雰囲気だ。
なんだ、仲良しグループか。
「おもしれー連中だな、ラルク」
スピカが僕の肩の上でカラカラと笑う。
えーっと、長い髪を後ろで纏めた真面目な感じで敏感……スタイルの良い人がアネッタさん。
冷静沈着で口が悪いのがルーティアさん。
小柄で金髪の女性がシャニカさんか。
彼女達が身に着けている武具はウチの会社で魔法師団用に作成したミスリル鉱ルーンブレストアーマーだ。
ネイ以外は長剣を腰に携帯しており、鞘には女性戦士用の小型の盾も付属している。
「あ、ああ……お待ちしておりました。こちらこそ宜しくお願いします」
姦しい3名の女性に気圧されて少しだけたじろぐ社長が面白い。
僕は初対面の3人に挨拶を済ませ、改めて社長の話が再開した。
「現在、東の大陸の北部は魔族の侵攻を受けていたという噂です。南部のピトゥリア国は安全圏ですが、念の為お願いをしたと言う次第です」
サイリーン大陸は北部にバンボゥ国、中部にコダ国、南部にはピトゥリア国が存在する。
1年以上前に大陸北部のバンボゥ国がアビス国の魔族の軍勢に侵攻を受け陥落。
現在は魔族の国として再建国されたと噂が流れていた。
「武具も新調して頂きましたし、アルフヘイムはシャニカの故郷ですから案内はお任せ下さい」
気を取り直したアネッタさんが自身有り気に敬礼をする。
「お任せナノ!」
それに合わせてシャニカさんもビシッと敬礼を決めた。
しかし、見た目が本当に幼いな……故郷の妹を思い出して微笑ましくなる。
ただ妖精種は長命な種族なので、ああ見えて僕より年上なんだろうな。
「……そういう訳だ。レウケ様より書状を送って貰っているので会って貰えると思いますよ」
なるほど、この出張はレウケ様の紹介って訳だ。
レウケ様は2年前の研修以来出会って無い。
……元気にしているだろうか。
「以前、工房でお世話になった同僚達も同行したがっていましたが、少数精鋭という事で我々が選ばれました。必ず無事に帰って来られるように努力します」
こういう台詞は本来、副団長のネイが言うべきなんだろうけど……
ネイが苦手とする部分を上手くフォローしてるんだと思う。
嫌な顔せず自然と立ち回れるあたり、アネッタさんは多分世話好きの部類なんだろう。
「村は大勢だとあまり良い顔はされないノ、それにディガリオ爺ちゃんも騒がしいのは嫌いナノ」
ディガリオ爺ちゃん?
「ああ、有名なルーン技師の名前だよ。世界で唯一、8文字刻みを成功させたと言われる人だよ」
シャニカさんの言葉に首を傾げているとセロ社長がディガリオさんの事を説明してくれた。
なるほど、ディガリオさんに会いに行くのが今回の出張の目的って事か。
その後、僕達は地図で航路と陸路の確認を行い旅の準備をする為に解散する。
船の準備は社長が指示して進めているようだ。
スピカは「ちょっと寄り道してくる!」と言い本社前で別れた。
「じゃ、ラルク。また明日」
「うん、よろしくねネイ」
その後ネイとも別れ、僕は1号店の自分の部屋に戻り明日からの旅支度を始める。
荷物と言っても下着等の着替えと、個人カードくらいだ。
後は貯金を叩いてセロ社長に仕入れて貰った特別製の武具だ。
武器は軽くて丈夫なショートソード。
盾はライトバックラー。
鎧は金属繊維のチェインメイル。
筋力の低い僕でも容易に装備出来る重さの武具ばかりを選んでもらった。
それぞれ超上質なミスリルのイシルディン鉱石を使って作られた武器と防具に僕が4文字のルーンを刻んだ物だ。
「ただいま! おっ、もう準備してるのか?」
寄り道をしていたスピカが串焼き肉をハフハフと咥えながら帰って来た。
その首には2年前にあげたボロボロの"ガマ口財布"がぶら下がっている。
「お帰り。その財布も随分痛んでるな。旅先で新しいのを買おうか?」
「いや、これでいい。お前から初めて貰ったものだからな」
セロ商会で働くようになって、初めて給料が入った日に買ってあげた安物の財布だ。
気に入って使って貰えるのは嬉しいけど、出かける時は常に首にぶら下げているせいか、ずいぶんと傷んでいる。
「そうだ! これにもルーンを刻んでくれよ!」
スピカは机の上に置いて有るルーン文字の早見表をペシペシと前足で叩いて催促する。
”フェオ”……財産や家畜の象徴で豊かな実りを意味するルーンか……
そして、成長を促す力がある。
まぁ、この財布でも1文字なら耐えれるだろう。
問題はルーン文字を刻む為の金属部分が少ない所だ。
僕は四苦八苦しながら少ない金属部分にルーン文字を刻み、15分かけてルーン財布を完成させる。
「ありがとう! 大切にするぜ!」
お気に入りの財布に再度マーキングするかのようにスリスリと頬摺りをしていた。
僕とスピカはベッドに潜り、小さな明りの中でピトゥリア国に関する書類に目を通す。
スピカは名産物や名物料理など、主に食べ物にしか興味が無いようだ。
2年前の研修以来の長旅に出ると思うと心が躍る。
見知らぬ土地に新しい出会い、きっと楽しい旅になる。
僕はまだ見ぬ旅路に思いを馳せ、そして夜は更けて行った。
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しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
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ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
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土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
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『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
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前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
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