297 / 450
第13章 -1st_Wナユタの世界-
†第13章† -12話-[臨界]
しおりを挟む
フォレストトーレから戻って翌日。本当に拳聖エゥグーリア=ワグナールはやってきた。
「マジで来たんですね……」
「王女殿下と話は合わせていたからな。
手が空いているのに諸君らが来ないならこちらから出向くのが筋」
筋じゃないと思うよ。
こっちが結果的に約束を反故する結果に繋がってるんだしエゥグーリアは相手にする必要はないんだ。本心は骨のある相手と拳を交えたいからだとわかっているけど余計な事は言わないよ、お互いに利がある話だしね。
「あっちで訓練しているから好きなのを選んで相手してやってください。
一応弱い者の引き上げもお願いしたい」
「了承した。手前に出来る限り協力しよう」
そう言葉を残すと彼は嬉々として歩き始めた。アーグエングリンから誰も引き連れずに単独でこちらに来た彼の扱いには細心の注意が必要になるものの個人の戦闘力は抜群に高いし激情家でもないから普通に賓客扱いで問題ないだろう。
それよりも問題は異世界のヒビに発生していた。
「時々あちら側から殴られている?」
「儂も初めての事です。おかげで臨界は早まりそうですな。
もしかすれば二~三日で人が通れるほどの穴になるかもしれませぬ」
ヒビは時間を経るごとに大きく伸びていき、すでに浮遊瘴気精霊はこちらに出てきてしまっているそうだ。
ノイとベルと共に開発していた光属性と地属性を合わせた複合魔法を土精ヴィルトゲンや土精ファレーノに魔法式を伝えて使用できるようにしていたからさっそく浮遊瘴気精霊は浄化してもらっている。
「ともかくローテーションで監視はしているし気を回し過ぎる必要はないです。
繋がると同時に魔神族の妨害もあるかもしれませんから様子見程度の心持ちでお願いします」
「分かり申した」
剣聖セプテマ氏の報告に警戒心は上げておき一先ず臨界を迎えていないのであれば手の施しようが……無いわけじゃないけど強制的に開くよりは時間稼ぎがしたいから放置一択だ。
セプテマ氏とはこのまま別れ、エルダードワーフとドラゴドワーフの村を訪れて身支度が整い次第フォレストトーレ元王都に送る旨を伝えて回りその日は終わった。
* * * * *
そして翌日。異世界の穴はさらに広がりを見せ浮遊瘴気精霊だけでなく好戦的な瘴気精霊までこちらの世界に這い出始めた。
とはいえ戦闘力云々はほとんど無く生命体に寄生する事を目的とした存在なので気を付けて浄化すればこれも問題は無い。ただし、基本が精神体の精霊や竜と出会う前に精神抵抗を持つ人間が対処する必要が出た。
そっちは仲間に人間が多い事から特に問題も無いが明日にも臨界しそうな異世界を警戒して地竜と現地人のドワーフ達の移動を急ぐことになった。
「こちらがフォレストトーレ王ラフィート様より渡すように言付かっている手紙となります」
「拝見致します。少々お待ちを」
元王都にまずは俺だけで訪問し現場監督と名乗る男性にラフィートからの手紙を渡す。
すでに話は通してあるとラフィートは言っていたけどラフィートが現地に居ない以上配置された者たちが勝手をする可能性もあるからちょっと緊張の面持ちで返事を待つ。
「確かにラフィート様からの手紙でした。
予定通り復興手伝いをしていただく代わりに少しの間匿う事を約束いたします」
「ありがとうございます。
どこに[ゲート]を繋げればいいか案内してもらえますか?」
「わかりました。付いてきてください」
監督に連れて行かれた先は元王都の中心地にほど近い場所だった。
現在は中心部に慰霊碑が最優先で作成されており、その周囲だけは瓦礫の撤去なども進んでいて広場となっていた。
この広さなら多少手狭でもドワーフ達の生活に苦労はないだろう。竜達は瓦礫があっても地竜らしい頑丈な身体で気にせず生活できるだろうし驚かない様に周知してから広めのゲートを開いた。
先頭でゲートを潜ったのはエルダードワーフ代理村長のソニューザ、そして恋人のドラゴドワーフのネフィリナの二人だ。
彼らが通った後から続々とそれぞれのドワーフが物珍しそうにキョロキョロしながら続いてこちらへと移動して来る。最後には地響きと共に地竜が移動して来た事に多少混乱も見受けられたが現場監督や責任者などが声を張り上げ叱責した事で程なくして混乱は収まった。
とはいえ流石に物語にしか出てこない竜を己が瞳で拝めたことで別の意味で騒動が発生しそうな気配もある。
「じゃあ…どうする?今日だけなら残って見守っても良いけど」
「いや、ここまで助けてもらっておいて甘え過ぎも考え物だ。
宗八は成すべきことがあるしそれは俺たちの島を守る事に繋がるならそちらを優先してほしい」
「その点はソニューザに同意だね。
私達だって不安を大なり小なり抱えているけど協力して生活するなら自分達で立たなきゃね。私達に出来ない事はアンタに任せるしかないってのは正直心苦しいけどさ、代わりに頑張って頂戴よ」
「応。グリーズもこのままこちらに残るで大丈夫ですか?」
一応気を回してソニューザ達に声を掛けたけど一蹴された。
まぁあまり構い過ぎるのも良くない上に向上心があるなら彼らに任せても問題ないだろう。現場監督たちもラフィートから再三扱いには注意するように言い含めてあるようだし。
最後はグリーズ。地竜の王様なら配下の為にもこちらに残るべきだろう?
『もちろん約束通りこのまま残りますよ。
付いて回ったこの数日は実に楽しかった。事件が解決した後にまた折を見てついて回らせてもらっても良いですか?』
「フリューネが居るんだからもう一匹増える程度なんてことはないですよ。
全てが解決次第迎えに来ますから現地の人間やドワーフ達と上手く共生してくださいね」
『温厚な私を怒らせたら大したものですよ。ましてや戦士でもない人間の言葉や攻撃で私達が相手をするなど有り得ません。が、肝に銘じておきましょう』
続いて小型になって肩に乗っているクラウディーナを持ち上げて問いかけた。
「グリーズは切りが良いから離れるけどクラウディーナはどうします?」
『裂け目は確認出来ましたしこれで離れてもいいのでしょうが何やら胸騒ぎがして……。あちらまで付いて行くつもりはありませんが明日まで付き合ってもよろしいですか?』
「まぁ危険が無ければ越したことはないですけど、白竜の胸騒ぎを無視する訳にもいきません。明日を過ぎたら送りますので」
『わかりました』
返事をしたクラウディーナは俺の手から飛び立ち再び肩に戻って来た。
白竜が別れないとわかったのでここでの役割は完了したと判断してソニューザと話し合っていた現場監督に声掛けして離れよう。
「それでは少しの間よろしくお願いしますね。では!」
こうして地竜の島に住むエルダードワーフ・ドラゴドワーフ・竜の避難は完了した。
そこまで待たせるつもりは無いけど出来る限り早く解決して元の生活に戻れるように頑張らなくては、な。
* * * * *
そして運命の日。
朝から異様なプレッシャーの掛かる重苦しい空気の中、俺たちは異世界の入り口前に集合していた。
「このプレッシャー。苛刻のシュティーナか?」
「クーちゃんや入口を安定化させる為に来てくれた闇精の方々の意見ではそうなってますね。
お兄さんはこの状況をどのように見ていますか?」
昨晩から異世界の入り口から瘴気が漏れ出てくる事はあってもピタッと瘴気精霊たちの侵攻は止まった。
そして朝から島全体に掛かるプレッシャーに全員が混乱しつつ予定通りに入口周辺に陣取る中でアルシェが傍で質問して来た。
「シュティーナの目的は破滅からの解放。だから破滅側の仕事もしつつこちらに助力しようとするはずなんだけど……、こうも分かりやすい攻勢合図なら臨界と共に何か一発仕掛けてくるんだろうな」
「だからその対応をしなさいって意図ですか?
シュティーナと言えばオベリスクでしょうか……」
「俺もそれを考えた。だけど今までみたいに数本程度落としたところで……」
「効果は無いって言いたいのでしょう? ざんね~ん!」
アルシェとの会話に挟まる覚えのある声と同時に一瞬にして複数の影が島全体に発生して全員が見上げる空には夥しい数のオベリスクが射出されるのを今か今かと待っている様にも見えた。
「シュティーナッ‼」
「全員臨戦態勢!オベリスクを優先して叩いてくださいっ‼」
「はい、スタ~トォ‼」
「《無精霊纏‼》」
「《ユニゾン‼》」
「《ユニゾン‼》」
「《ユニゾン‼》」
「《ユニゾン‼》」
アルシェの指示とシュティーナの掛け声、そしてバリィィィィンッ‼と異世界の入り口が大きく砕けて人が複数人で行き来出来る程度に一気に広がる音が混じり合い臨界は唐突に訪れ戦端は開かれた。
どうやらシュティーナは視線や意識をオベリスクに向けさせた際に仕掛けを施し地面へとオベリスクを降り注ぐと同時に入口を広げたらしい。
「——っ!隊長!メルケルスですっ‼」
「何っ‼」
前衛後衛でペアを組んでいると思っていたがまさか出て来るとは…。
マリエルの叫びにも似た大声に反応するも轟音をまき散らしながら俺たちには目もくれずナユタの世界へと突っ込んで行ってしまった。
これであちらでの戦闘は魔神族二人を相手取る必要が確定したわけだ。
「すぐに突入しますかっ!?」
「バカタレ!先にこっちのオべリスクを掃除しないと防衛に不安が残る!
俺たちは這い出て来る瘴気モンスターや瘴気精霊を潰しつつ皆がオベリスクの掃除が終わるのを待つぞ!アルシェ!」
「すでに動き出しています。私達は疲れない程度に慣らすことを優先しますよマリエル!
タルちゃんもここに残ってくださいね!」
「わかったのだ~!」
俺たちが仲間に指示出しをし這い出て来た敵の対処を始めた頃にはすでに苛刻のシュティーナの姿は影も形も見えなくなっていた。今回の役目はオベリスクの投下、入口の拡大、メルケルス突入支援といったところか?
それならそれで良い。ともかく此処さえ乗り切ればあとはゆっくり侵攻していくだけになるはずだ。準備は十分に出来ているのだから落ち着いて事に当たれば俺たちなら大丈夫だ!さぁ、ナユタの世界!攻略するぞっ!
「マジで来たんですね……」
「王女殿下と話は合わせていたからな。
手が空いているのに諸君らが来ないならこちらから出向くのが筋」
筋じゃないと思うよ。
こっちが結果的に約束を反故する結果に繋がってるんだしエゥグーリアは相手にする必要はないんだ。本心は骨のある相手と拳を交えたいからだとわかっているけど余計な事は言わないよ、お互いに利がある話だしね。
「あっちで訓練しているから好きなのを選んで相手してやってください。
一応弱い者の引き上げもお願いしたい」
「了承した。手前に出来る限り協力しよう」
そう言葉を残すと彼は嬉々として歩き始めた。アーグエングリンから誰も引き連れずに単独でこちらに来た彼の扱いには細心の注意が必要になるものの個人の戦闘力は抜群に高いし激情家でもないから普通に賓客扱いで問題ないだろう。
それよりも問題は異世界のヒビに発生していた。
「時々あちら側から殴られている?」
「儂も初めての事です。おかげで臨界は早まりそうですな。
もしかすれば二~三日で人が通れるほどの穴になるかもしれませぬ」
ヒビは時間を経るごとに大きく伸びていき、すでに浮遊瘴気精霊はこちらに出てきてしまっているそうだ。
ノイとベルと共に開発していた光属性と地属性を合わせた複合魔法を土精ヴィルトゲンや土精ファレーノに魔法式を伝えて使用できるようにしていたからさっそく浮遊瘴気精霊は浄化してもらっている。
「ともかくローテーションで監視はしているし気を回し過ぎる必要はないです。
繋がると同時に魔神族の妨害もあるかもしれませんから様子見程度の心持ちでお願いします」
「分かり申した」
剣聖セプテマ氏の報告に警戒心は上げておき一先ず臨界を迎えていないのであれば手の施しようが……無いわけじゃないけど強制的に開くよりは時間稼ぎがしたいから放置一択だ。
セプテマ氏とはこのまま別れ、エルダードワーフとドラゴドワーフの村を訪れて身支度が整い次第フォレストトーレ元王都に送る旨を伝えて回りその日は終わった。
* * * * *
そして翌日。異世界の穴はさらに広がりを見せ浮遊瘴気精霊だけでなく好戦的な瘴気精霊までこちらの世界に這い出始めた。
とはいえ戦闘力云々はほとんど無く生命体に寄生する事を目的とした存在なので気を付けて浄化すればこれも問題は無い。ただし、基本が精神体の精霊や竜と出会う前に精神抵抗を持つ人間が対処する必要が出た。
そっちは仲間に人間が多い事から特に問題も無いが明日にも臨界しそうな異世界を警戒して地竜と現地人のドワーフ達の移動を急ぐことになった。
「こちらがフォレストトーレ王ラフィート様より渡すように言付かっている手紙となります」
「拝見致します。少々お待ちを」
元王都にまずは俺だけで訪問し現場監督と名乗る男性にラフィートからの手紙を渡す。
すでに話は通してあるとラフィートは言っていたけどラフィートが現地に居ない以上配置された者たちが勝手をする可能性もあるからちょっと緊張の面持ちで返事を待つ。
「確かにラフィート様からの手紙でした。
予定通り復興手伝いをしていただく代わりに少しの間匿う事を約束いたします」
「ありがとうございます。
どこに[ゲート]を繋げればいいか案内してもらえますか?」
「わかりました。付いてきてください」
監督に連れて行かれた先は元王都の中心地にほど近い場所だった。
現在は中心部に慰霊碑が最優先で作成されており、その周囲だけは瓦礫の撤去なども進んでいて広場となっていた。
この広さなら多少手狭でもドワーフ達の生活に苦労はないだろう。竜達は瓦礫があっても地竜らしい頑丈な身体で気にせず生活できるだろうし驚かない様に周知してから広めのゲートを開いた。
先頭でゲートを潜ったのはエルダードワーフ代理村長のソニューザ、そして恋人のドラゴドワーフのネフィリナの二人だ。
彼らが通った後から続々とそれぞれのドワーフが物珍しそうにキョロキョロしながら続いてこちらへと移動して来る。最後には地響きと共に地竜が移動して来た事に多少混乱も見受けられたが現場監督や責任者などが声を張り上げ叱責した事で程なくして混乱は収まった。
とはいえ流石に物語にしか出てこない竜を己が瞳で拝めたことで別の意味で騒動が発生しそうな気配もある。
「じゃあ…どうする?今日だけなら残って見守っても良いけど」
「いや、ここまで助けてもらっておいて甘え過ぎも考え物だ。
宗八は成すべきことがあるしそれは俺たちの島を守る事に繋がるならそちらを優先してほしい」
「その点はソニューザに同意だね。
私達だって不安を大なり小なり抱えているけど協力して生活するなら自分達で立たなきゃね。私達に出来ない事はアンタに任せるしかないってのは正直心苦しいけどさ、代わりに頑張って頂戴よ」
「応。グリーズもこのままこちらに残るで大丈夫ですか?」
一応気を回してソニューザ達に声を掛けたけど一蹴された。
まぁあまり構い過ぎるのも良くない上に向上心があるなら彼らに任せても問題ないだろう。現場監督たちもラフィートから再三扱いには注意するように言い含めてあるようだし。
最後はグリーズ。地竜の王様なら配下の為にもこちらに残るべきだろう?
『もちろん約束通りこのまま残りますよ。
付いて回ったこの数日は実に楽しかった。事件が解決した後にまた折を見てついて回らせてもらっても良いですか?』
「フリューネが居るんだからもう一匹増える程度なんてことはないですよ。
全てが解決次第迎えに来ますから現地の人間やドワーフ達と上手く共生してくださいね」
『温厚な私を怒らせたら大したものですよ。ましてや戦士でもない人間の言葉や攻撃で私達が相手をするなど有り得ません。が、肝に銘じておきましょう』
続いて小型になって肩に乗っているクラウディーナを持ち上げて問いかけた。
「グリーズは切りが良いから離れるけどクラウディーナはどうします?」
『裂け目は確認出来ましたしこれで離れてもいいのでしょうが何やら胸騒ぎがして……。あちらまで付いて行くつもりはありませんが明日まで付き合ってもよろしいですか?』
「まぁ危険が無ければ越したことはないですけど、白竜の胸騒ぎを無視する訳にもいきません。明日を過ぎたら送りますので」
『わかりました』
返事をしたクラウディーナは俺の手から飛び立ち再び肩に戻って来た。
白竜が別れないとわかったのでここでの役割は完了したと判断してソニューザと話し合っていた現場監督に声掛けして離れよう。
「それでは少しの間よろしくお願いしますね。では!」
こうして地竜の島に住むエルダードワーフ・ドラゴドワーフ・竜の避難は完了した。
そこまで待たせるつもりは無いけど出来る限り早く解決して元の生活に戻れるように頑張らなくては、な。
* * * * *
そして運命の日。
朝から異様なプレッシャーの掛かる重苦しい空気の中、俺たちは異世界の入り口前に集合していた。
「このプレッシャー。苛刻のシュティーナか?」
「クーちゃんや入口を安定化させる為に来てくれた闇精の方々の意見ではそうなってますね。
お兄さんはこの状況をどのように見ていますか?」
昨晩から異世界の入り口から瘴気が漏れ出てくる事はあってもピタッと瘴気精霊たちの侵攻は止まった。
そして朝から島全体に掛かるプレッシャーに全員が混乱しつつ予定通りに入口周辺に陣取る中でアルシェが傍で質問して来た。
「シュティーナの目的は破滅からの解放。だから破滅側の仕事もしつつこちらに助力しようとするはずなんだけど……、こうも分かりやすい攻勢合図なら臨界と共に何か一発仕掛けてくるんだろうな」
「だからその対応をしなさいって意図ですか?
シュティーナと言えばオベリスクでしょうか……」
「俺もそれを考えた。だけど今までみたいに数本程度落としたところで……」
「効果は無いって言いたいのでしょう? ざんね~ん!」
アルシェとの会話に挟まる覚えのある声と同時に一瞬にして複数の影が島全体に発生して全員が見上げる空には夥しい数のオベリスクが射出されるのを今か今かと待っている様にも見えた。
「シュティーナッ‼」
「全員臨戦態勢!オベリスクを優先して叩いてくださいっ‼」
「はい、スタ~トォ‼」
「《無精霊纏‼》」
「《ユニゾン‼》」
「《ユニゾン‼》」
「《ユニゾン‼》」
「《ユニゾン‼》」
アルシェの指示とシュティーナの掛け声、そしてバリィィィィンッ‼と異世界の入り口が大きく砕けて人が複数人で行き来出来る程度に一気に広がる音が混じり合い臨界は唐突に訪れ戦端は開かれた。
どうやらシュティーナは視線や意識をオベリスクに向けさせた際に仕掛けを施し地面へとオベリスクを降り注ぐと同時に入口を広げたらしい。
「——っ!隊長!メルケルスですっ‼」
「何っ‼」
前衛後衛でペアを組んでいると思っていたがまさか出て来るとは…。
マリエルの叫びにも似た大声に反応するも轟音をまき散らしながら俺たちには目もくれずナユタの世界へと突っ込んで行ってしまった。
これであちらでの戦闘は魔神族二人を相手取る必要が確定したわけだ。
「すぐに突入しますかっ!?」
「バカタレ!先にこっちのオべリスクを掃除しないと防衛に不安が残る!
俺たちは這い出て来る瘴気モンスターや瘴気精霊を潰しつつ皆がオベリスクの掃除が終わるのを待つぞ!アルシェ!」
「すでに動き出しています。私達は疲れない程度に慣らすことを優先しますよマリエル!
タルちゃんもここに残ってくださいね!」
「わかったのだ~!」
俺たちが仲間に指示出しをし這い出て来た敵の対処を始めた頃にはすでに苛刻のシュティーナの姿は影も形も見えなくなっていた。今回の役目はオベリスクの投下、入口の拡大、メルケルス突入支援といったところか?
それならそれで良い。ともかく此処さえ乗り切ればあとはゆっくり侵攻していくだけになるはずだ。準備は十分に出来ているのだから落ち着いて事に当たれば俺たちなら大丈夫だ!さぁ、ナユタの世界!攻略するぞっ!
10
あなたにおすすめの小説
家の庭にダンジョンができたので、会社辞めました。
希羽
ファンタジー
都内のブラックIT企業で働く社畜・佐藤健太(27歳)。
手取り18万、残業100時間。唯一の資産は、亡き祖母から相続した郊外のボロ戸建てだけ。
「このまま死ぬのかな……」
そう絶望していたある夜、庭の物置の裏に謎の穴が出現する。
そこは、なぜか最弱モンスターしか出ないのに、ドロップアイテムだけは最高ランクという、奇跡のボーナスダンジョンだった。
試しにスライムを叩いたら、出てきた宝石の査定額はなんと――【1,000,000円】。
「……え、これ一個で、俺の年収の3分の1?」
スマホアプリで即換金、ドローン配送で手間いらず。
たった10分の庭仕事で5000万円を稼ぎ出した健太は、翌朝、上司に辞表を叩きつけることを決意する。
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
【完結】辺境の魔法使い この世界に翻弄される
秋.水
ファンタジー
記憶を無くした主人公は魔法使い。しかし目立つ事や面倒な事が嫌い。それでも次々増える家族を守るため、必死にトラブルを回避して、目立たないようにあの手この手を使っているうちに、自分がかなりヤバい立場に立たされている事を知ってしまう。しかも異種族ハーレムの主人公なのにDTでEDだったりして大変な生活が続いていく。最後には世界が・・・・。まったり系異種族ハーレムもの?です。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)
排他的経済水域
ファンタジー
12歳の誕生日
冒険者になる事が憧れのケインは、教会にて
スキル適性値とオリジナルスキルが告げられる
強いスキルを望むケインであったが、
スキル適性値はG
オリジナルスキルも『スキル重複』というよくわからない物
友人からも家族からも馬鹿にされ、
尚最強の冒険者になる事をあきらめないケイン
そんなある日、
『スキル重複』の本来の効果を知る事となる。
その効果とは、
同じスキルを2つ以上持つ事ができ、
同系統の効果のスキルは効果が重複するという
恐ろしい物であった。
このスキルをもって、ケインの下剋上は今始まる。
HOTランキング 1位!(2023年2月21日)
ファンタジー24hポイントランキング 3位!(2023年2月21日)
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる