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傷心の優子
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ホテルから出た優子の父の康太が立ち止まり、振り向いて寂しげにホテルを見る。
古めかしい二階建てのアパートが建っている
そのアパートの一室の片平家の居間で優子の母の翔子が雑誌を読んでいる。
そこへ康太が帰って来る。
「ただいま」
「お帰りなさい」
寂しげな表情の康太。
「そういえばあなた、優子がまだ帰ってこないの」
「(ハッとした表情で)ああ、友達の家にでも行ってるんだろう」
「せっかくあの子の好きなたい焼き買ってきたのに」
険しい表情の康太。
その頃ホテルでは晴信が勝也の右手に絆創膏を貼っている。
しかめっ面の勝也。
「かーっ、あいつ、いきなり人の手に噛み付きやがって。そういや、あいつ合気道やってるらしいな」
「合気道? どうりで強いはずやわ。俺もあの女に蹴り入れられたケツがまだジンジンするわ」
「ホンマ、指が食いちぎられるかと思ったわ」
勝也が晴信に噛まれた絆創膏を貼った左手を見せる。
「(デレッとした顔で)でもさっき見たら絆創膏の下にはあの女の歯型がクッきり残ってたわ。羨ましいわあ」
「はは、そっかあ、羨ましいかあ。そうだな、あいつ、かわいかったし」
にやつく晴信。
すると、勝也が晴信の頭をピシッと叩く。
「あたっ」
顔をしかめる晴信。
「こんな時にふざけるんじゃねえよ、おまえ」
「す、すまん」
夜、河原では優子が物悲しげに川を見ている。
優子の目には涙が。
優子が川に向かって絶叫する。
「バカヤロ!!」
優子はため息をついてへたり込む。
優子がカバンから携帯を取り出し画面 を見ると、いくつも母・翔子からの着信あり。
優子が携帯をしまおうとする。
そこへまた携帯が鳴り出す。
「!」
着信履歴は翔子から。
優子が電話に出る。
翔子の声が携帯から。
「あー、やっと出た。優子! こんな遅くまで何してるの!」
「……」
夜道を康太が優子を探している。
そこへ康太の携帯が鳴る。
携帯に出る康太。
「もしもし」
翔子の声が携帯から。
「あなた、さっきようやく優子が電話に出てくれたの」
「そうか」
「優子は今友達の真央ちゃんのとこにいるみたいなの。それでね、今日は真央ちゃんのことに泊まるらしいの」
「何だって?」
真央の家の真央の部屋で優子が寂しそうな表情で床に座ってる。
真央がジュースを持ってくる。
「ごめんね、急に押しかけて」
「ううん、気にせんで。それより一体どうしたの? 急にやって来て家に帰りたくないとかさ」
「うん、ちょっとね」
「家の人と喧嘩でもしたの?」
「(唇をギュッと噛み締めて)……うん、まあそんなとこかな」
「まあ今日はここでゆっくりしいや」
「ごめんね」
「ううん、いいのよ、あたしも話し相手ができて嬉しいし」
優子がジュースを飲む。
片平家の居間では康太が厳しい表情で座っている。
翔子がその様子を見て、
「あなた……」
翌朝、真央の家から制服姿の優子と真央が出てくる。
真央の家の近くの電柱の裏で康太が隠れて優子が学校に向かうのを見ている。
制服姿の優子と真央が学校に向かっている。
優子が眠たそうに目を擦る。
「昨日はよく眠れた?」
「ああ、うん、そうね」
「でも時にはいいもんだね、友達と寝るってのも。ねえ優子、両親と仲直りしたら今度は私を家に泊めてよ」
「うん」
片平家の玄関のドアが開き、康太が帰って来る。
そこへ台所から翔子が台所から出て来る。
「どうだった? 優子、ちゃんと学校に行った?」
「ああ、友達と一緒に行ってたよ」
「よかったわ、今日はうちに帰ってくれるといんだけど」
康太が家の中に入っていく。
「(しんどそうに)ああ、母さん、俺今日は会社休むわ」
やつれた表情の康太。
心配そうに康太を見る翔子。
古めかしい二階建てのアパートが建っている
そのアパートの一室の片平家の居間で優子の母の翔子が雑誌を読んでいる。
そこへ康太が帰って来る。
「ただいま」
「お帰りなさい」
寂しげな表情の康太。
「そういえばあなた、優子がまだ帰ってこないの」
「(ハッとした表情で)ああ、友達の家にでも行ってるんだろう」
「せっかくあの子の好きなたい焼き買ってきたのに」
険しい表情の康太。
その頃ホテルでは晴信が勝也の右手に絆創膏を貼っている。
しかめっ面の勝也。
「かーっ、あいつ、いきなり人の手に噛み付きやがって。そういや、あいつ合気道やってるらしいな」
「合気道? どうりで強いはずやわ。俺もあの女に蹴り入れられたケツがまだジンジンするわ」
「ホンマ、指が食いちぎられるかと思ったわ」
勝也が晴信に噛まれた絆創膏を貼った左手を見せる。
「(デレッとした顔で)でもさっき見たら絆創膏の下にはあの女の歯型がクッきり残ってたわ。羨ましいわあ」
「はは、そっかあ、羨ましいかあ。そうだな、あいつ、かわいかったし」
にやつく晴信。
すると、勝也が晴信の頭をピシッと叩く。
「あたっ」
顔をしかめる晴信。
「こんな時にふざけるんじゃねえよ、おまえ」
「す、すまん」
夜、河原では優子が物悲しげに川を見ている。
優子の目には涙が。
優子が川に向かって絶叫する。
「バカヤロ!!」
優子はため息をついてへたり込む。
優子がカバンから携帯を取り出し画面 を見ると、いくつも母・翔子からの着信あり。
優子が携帯をしまおうとする。
そこへまた携帯が鳴り出す。
「!」
着信履歴は翔子から。
優子が電話に出る。
翔子の声が携帯から。
「あー、やっと出た。優子! こんな遅くまで何してるの!」
「……」
夜道を康太が優子を探している。
そこへ康太の携帯が鳴る。
携帯に出る康太。
「もしもし」
翔子の声が携帯から。
「あなた、さっきようやく優子が電話に出てくれたの」
「そうか」
「優子は今友達の真央ちゃんのとこにいるみたいなの。それでね、今日は真央ちゃんのことに泊まるらしいの」
「何だって?」
真央の家の真央の部屋で優子が寂しそうな表情で床に座ってる。
真央がジュースを持ってくる。
「ごめんね、急に押しかけて」
「ううん、気にせんで。それより一体どうしたの? 急にやって来て家に帰りたくないとかさ」
「うん、ちょっとね」
「家の人と喧嘩でもしたの?」
「(唇をギュッと噛み締めて)……うん、まあそんなとこかな」
「まあ今日はここでゆっくりしいや」
「ごめんね」
「ううん、いいのよ、あたしも話し相手ができて嬉しいし」
優子がジュースを飲む。
片平家の居間では康太が厳しい表情で座っている。
翔子がその様子を見て、
「あなた……」
翌朝、真央の家から制服姿の優子と真央が出てくる。
真央の家の近くの電柱の裏で康太が隠れて優子が学校に向かうのを見ている。
制服姿の優子と真央が学校に向かっている。
優子が眠たそうに目を擦る。
「昨日はよく眠れた?」
「ああ、うん、そうね」
「でも時にはいいもんだね、友達と寝るってのも。ねえ優子、両親と仲直りしたら今度は私を家に泊めてよ」
「うん」
片平家の玄関のドアが開き、康太が帰って来る。
そこへ台所から翔子が台所から出て来る。
「どうだった? 優子、ちゃんと学校に行った?」
「ああ、友達と一緒に行ってたよ」
「よかったわ、今日はうちに帰ってくれるといんだけど」
康太が家の中に入っていく。
「(しんどそうに)ああ、母さん、俺今日は会社休むわ」
やつれた表情の康太。
心配そうに康太を見る翔子。
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