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優子の父、毅彦
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優子の家の玄関に制服姿の優子がトボトボと帰って来る。
優子が入って来る。
「?」
するとそこに見慣れない革靴が。優子が家の中に入る。
居間で毅彦と翔子が向き合って座っている。
が優子を見る。
毅彦「!」
優子が毅彦にペコリと頭を下げ、翔子を見る。
翔子は厳しい表情。
「……」
「ああ、あの……」
「?」
「優子、この方がおまえの本当のお父さんだよ」
「!」
三人の間にしばし沈黙が。
「はは、何から話していいのかな」
「相武さんですね?」
毅彦がうなづく。
「本当にすまなかった。今まで放っておいて」
優子が翔子の隣に座る。
厳しい表情の優子。
「どうして……どうして私を手放したんですか?」
「……すまなかった」
「私を産んだ母がそちらの愛人だったっていうのは本当ですか?」
「世間一般ではそういう言い方をされるが、わしは妻と別れる覚悟もあった。だが会社もあり……まあ今となっては全て言い訳だ」
「……」
「もし優子が実の母親に会いたいなら、会わせてあげてもいい。今山梨にいるんだ」
翔子が不安げに優子を見る。
「……」
「今は別の男性と結婚してるみたいだがね」
毅彦、自嘲する。
「今はわしも毎日が虚しくてね。家内が三年前に胃ガンで亡くなって、息子の勝也は家を出てマンション暮らし。もうすぐ仕事で大阪に行くし」
「社長でらして、周りからいつも頭を下げられて、それでも虚しいんですか?」
「みんなわしにペコペコするのはしょせんわしが彼らの昇進や給料を決める立場にあるからわしに頭を下げるだよ」
寂しそうな毅彦。
「もちろん今頃になって優子をうちに迎え入れたいっていうのが勝手なのは分かってる」
厳しい表情の優子。
「だがうちに来れば優子に今よりずっといい生活をさせてあげれる。聞いたところでは優子は医者に憧れてるとか」
「ええ、でもうちは経済的に厳しいですし、医者になるのは諦めようかなと……」
厳しい表情の翔子。
毅彦「うちに来てくれたらお金のことで全く
悩まずに医者を目指せるぞ」
「!」
「わ、私が医者に……」
「だからね、お互いにとって悪くない話じゃないと思うんだ」
戸惑う優子。
毅彦が優子を見る。
「ああ、よかったら土曜日にうちに遊びにこないか?」
「そちらのお宅にですか?」
「うん。休みだし、うちをもっとよく知ってほしいんだよ」
考え込む優子。
「分かりました」
「!」
「(嬉しそうに)おお、そうか」
「ですが一つだけお願いがあるんですけど……」
「ああ、何でも言ってごらん」
唇を噛む翔子。
船井コーポの外に優子・毅彦・翔子の三人が出て来る。
毅彦が車に乗る。
毅彦を乗せた車が出て行く。
去っていく毅彦を乗せた車を見ている優子と翔子。
優子が入って来る。
「?」
するとそこに見慣れない革靴が。優子が家の中に入る。
居間で毅彦と翔子が向き合って座っている。
が優子を見る。
毅彦「!」
優子が毅彦にペコリと頭を下げ、翔子を見る。
翔子は厳しい表情。
「……」
「ああ、あの……」
「?」
「優子、この方がおまえの本当のお父さんだよ」
「!」
三人の間にしばし沈黙が。
「はは、何から話していいのかな」
「相武さんですね?」
毅彦がうなづく。
「本当にすまなかった。今まで放っておいて」
優子が翔子の隣に座る。
厳しい表情の優子。
「どうして……どうして私を手放したんですか?」
「……すまなかった」
「私を産んだ母がそちらの愛人だったっていうのは本当ですか?」
「世間一般ではそういう言い方をされるが、わしは妻と別れる覚悟もあった。だが会社もあり……まあ今となっては全て言い訳だ」
「……」
「もし優子が実の母親に会いたいなら、会わせてあげてもいい。今山梨にいるんだ」
翔子が不安げに優子を見る。
「……」
「今は別の男性と結婚してるみたいだがね」
毅彦、自嘲する。
「今はわしも毎日が虚しくてね。家内が三年前に胃ガンで亡くなって、息子の勝也は家を出てマンション暮らし。もうすぐ仕事で大阪に行くし」
「社長でらして、周りからいつも頭を下げられて、それでも虚しいんですか?」
「みんなわしにペコペコするのはしょせんわしが彼らの昇進や給料を決める立場にあるからわしに頭を下げるだよ」
寂しそうな毅彦。
「もちろん今頃になって優子をうちに迎え入れたいっていうのが勝手なのは分かってる」
厳しい表情の優子。
「だがうちに来れば優子に今よりずっといい生活をさせてあげれる。聞いたところでは優子は医者に憧れてるとか」
「ええ、でもうちは経済的に厳しいですし、医者になるのは諦めようかなと……」
厳しい表情の翔子。
毅彦「うちに来てくれたらお金のことで全く
悩まずに医者を目指せるぞ」
「!」
「わ、私が医者に……」
「だからね、お互いにとって悪くない話じゃないと思うんだ」
戸惑う優子。
毅彦が優子を見る。
「ああ、よかったら土曜日にうちに遊びにこないか?」
「そちらのお宅にですか?」
「うん。休みだし、うちをもっとよく知ってほしいんだよ」
考え込む優子。
「分かりました」
「!」
「(嬉しそうに)おお、そうか」
「ですが一つだけお願いがあるんですけど……」
「ああ、何でも言ってごらん」
唇を噛む翔子。
船井コーポの外に優子・毅彦・翔子の三人が出て来る。
毅彦が車に乗る。
毅彦を乗せた車が出て行く。
去っていく毅彦を乗せた車を見ている優子と翔子。
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