Gold RuSH!!

讃岐 碧七

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一章

出会い

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 街に二人の十九歳の少年がいた 。一人は絵画の才に恵まれ、ストリート画家として生計を立てていた。名前はヨハネス・ノイマン。いつか自分の絵で幸せな家庭を築きたいと思っている金髪色白の青年。両親には定職に就けと言われていたが反発し、単身この街で生活をしている。
 一方は黒髪黒肌の移民の生まれ。クレバ・コールマン。口は上手く人気者。両親は既に他界、遠くの村に祖父母が住んでいる。昔憧れたサーカス団の入団を志している。今は日雇いで生計を立てている。日雇いをする傍ら、サーカス団に入るための練習を欠かさず行っている。少し不器用。
「チッ、また失敗しちった~。」

「大丈夫さ、次に活かそうぜ。」

「そ、そうすか~?ん、まぁ...。」

「今度、コツ教えてやるよ!」
 
「ま、まじ!!!ありがとうございます!」

「じゃあな!また明日!」
 
「はい!」
 パフォーマンスは鳴かず飛ばず。駆け出しのパフォーマー。日々勉強する毎日。だが、他に刺激的なにかが足りないと心の片隅が小さく嘆いていた。
 
「なんかこう、刺激が欲しいよなぁ。」
 
    ー新しい風が欲しいー

 幼少の頃からの風景は変わらない。赤いレンガの工場、八百屋、幼馴染のグレイスは最近はもう見ない。今は母の旧友のレイナおばさんに面倒を見てもらっている。子供もいなく、二人で暮らしている。日雇いで貯めた金で生活は手一杯だ。
 そう思いながらストリート街を歩いていた。
 
 「っ!!」 
教会の鐘と共に目の中に突風が吹き荒れる、、、金の砂塵だ。

「みっけたーーーー!!!」
 クレバは早速少年に話しかける。
 
クレバ「高くつくぜ?(ニコッ)」 
 
ヨハネス「、、、え?」
 
 そう言うとクレバはたちまち大衆に向かいいきなり湧いでる泉のごとく叫んだ。
 
クレバ「さぁ!さぁ!一流の目利きはいねぇか?この芸術の街アルテラでいねぇはずはねよな?」
 
 ヨハネス「ちょっ、、」
 
 クレバ「いいからっ。稼ぎてぇんだろ?任しとけ。」

 クレバ「ここに居るのは、将来世界一の巨匠になるであろう金の卵よ!! 確か明日には故郷に帰っちまうそうだぜ? 今しかないよー!」
 クレバは言葉巧みに大衆の目を一瞬で注目させた。クレバは人気者、嘘はつかない、そうみんなは知っていた。
 
 平民A「確かに、あの絵、、上手いな。」
 
 平民B「美術館に飾られていてもおかしく無いな。」
 平民たちが野次馬の如く注目する中、一人の男爵の様な容姿をした男が声をあげた。
 
 トム「この絵、全て私が買い取ろう。」
 
 クレバ「いいねぇ。さすがだぜおっさん。んで、何者なんだい? 見るところ、お高そうな正装してるじゃねぇか。」
 
 トム「これはこれは、私はトム・ワイズマン。ただのコレクターさ。アルテラには観光で来てるんだ。芸術の街と聞いてやって来た。」
 
クレバ「なるほどねぇ。ここで会ったが何かの縁だ。300アーツでどうだい。」


トム「ああ、良いとも。」
 
クレバ「交渉成立だな。」
 
 300アーツとは一般市民が半年以上は何もしなくても十分に生活して行ける金額だった。
 
 クレバ「確かに300アーツ確認できたぜ。またどこかで会えたら良いな、おっさん!」
 
 トム「ああ、ではまた。(馬鹿め。)」    
 トムは絵を全て馬車の中に入れ、去っていった。
 
 クレバ「どうよ!相棒!!!」
 
 ヨハネス「あい、、ぼう?」
 
 クレバ「そうさ!俺らはもう相棒よ!好きなことで稼ぎてぇんだろ?じゃなきゃ、道端で絵なんか描かねよな?俺も似たようなことしてんだ。ま、それは後な。」
 
 ヨハネス「ま、、まぁ。」
 
 クレバ「んだよ乗る気じゃねーのか?」
 
 ヨハネス「てか、君誰?」
 
 クレバ「俺の名前はクレバ・コールマン。ここのもんだ! お前は?」
 
 ヨハネス「お、教えるものか!」
 
 クレバ「ハハッ!そう言うと思ったぜ。俺は気にしないが、白人が黒人には厳しいの当たり前だもんなぁ?」
 当時は白人が黒人に対する偏見があった。だが、過激と言うわけではなく、クレバが住むアルテラではあまり問題視されていなかった。
 
クレバ「ここで生きたきゃ変な偏見は捨てな。逆に浮いちまうぜ?」
 
 ヨハネス「ヨハネス、、、ノイマン。」
 
 クレバ「(ニコッ) 良い名前だ。」
 
 クレバ「どうだ?俺と大暴れ(荒稼ぎ)してみねぇか?」
 
 ヨハネスは純真な感性、類稀なる情報処理能力、それを兼ね備えていた。さっきの一連の流れ、クレバの商人としての才能、彼には分からないはずがなかった。名前を一回拒んだのもクレバを試すためのフェイクだった。
 ヨハネス「フッ…ハハハハハッ!」
 
 クレバ「フンッ…。」
 
 ヨハネス「この勝負(荒稼ぎ)乗った!!」
 双方が互いに惹かれ合う、傍若無人な無いものねだり。究極の需要と供給が重なり合った瞬間だった。
 
 
 
 
  完
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