俺の調教開発では美しい兄を飼犬にはできない

大田ネクロマンサー

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<番外編>美酒と兄 ※

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社会人2年目になるのに俺はあいも変わらず仕事に追われ、春の気配さえもわからなかった。だから今日会社の同僚に上等なワインをもらうまで、自分の誕生日ということに気がつかなかった。

いつもよりは早く上がれるよう努力はしたが、兄の方が早いのは明らかだった。だから玄関の戸を開ける時、申し訳なさを感じて躊躇っていた。

すると突然玄関が開いて、その中から美しい兄の目が俺を覗き込む。

「灯、おかえり。どうしたの?」

「なんで……?」

「お風呂入ってたんだ。灯が帰ってきたと思ったんだけど、なかなか玄関開けないから鍵でも無くしたのかと思って……」

確かに夜は風呂上りだった。玄関から1番近い場所だから俺がまごついていることに気がついたのだろう。自然のままの黒髪が濡れて、少しだけ雫が滴っている。纏まった漆黒の髪が美しい目をさらに彩り、陶器のような肌を際立たせていた。

「今日、俺のために準備してくれてたの?」

「うん、ケーキも買ってあるし、ご馳走も作ったよ」

「夜は……お風呂で準備して待っててくれたの?」

それは今日抱かれるために風呂で待っていたのかという意味で聞いた。そうしたら夜は目を逸らし俯いた拍子に真っ赤になった耳を晒す。俺はその耳に欲情し、腰に熱い血液が集中して、顔が腫れたのかと思うほど熱くなった。

食事も用意してくれたと言ってるのに、靴も脱がずに夜の耳をそっと喰む。夜は少し震えながら僕の鞄に手を伸ばした。

「灯、入ろう? これ何? なにか買ってきてくれたの?」

鞄と同時に買い物袋を取り上げようとして夜は少し潤んだ瞳で俺を見上げた。

「会社の人にもらったんだよ。いいワインなんだって」

「灯って結構お酒好きだよね?」

「接待行くからそう思われてるだけで、会社の人も当たり障りないプレゼントとしてくれたんだよ」

「誕生日プレゼントなんだ」

「うん? そうだよ。夜の食事食べながら少し飲もうかな」

他愛もない話をしながら部屋に向かう。ダイニングテーブルには俺の誕生日を祝う料理が所狭しと置いてあった。

「灯、着替えてきて」

「うん、でも少しだけ……」

夜の濡れた髪をすいて、ありがとうと言いながら何度もキスをする。さっきから熱くなってる自分の下半身を恥ずかしげもなく押し付けて、全ての準備が嬉しいと夜に伝えた。

「はやく食べよ?」

「うん、ちょっと待っててね」

夜の耳をひと撫でしてクローゼットに向かう。スーツを脱いで部屋着に着替えたら、夜の待つダイニングテーブルに着席した。

「灯……これ開け方分からなくて……」

そう言われワインボトルとワインオープナーを渡される。その時に夜の前にもグラスがあることに気づいた。

「夜も飲む?」

半分冗談だった。夜は酒を飲まない。だから今まで強要することもなかったし、外で飲むことを心配したこともなかった。

「うん、僕もちょっともらっていい?」

俺が驚いた拍子にポンとコルクが抜けた。

「どうしたの夜……?」

俺がボトルを夜のほうにあるグラスに傾けたら、恥ずかしそうに俯いてしまった。

「灯と……お酒飲んでみたい……」

せっかく用意してくれた料理も早く食べてしまいたいと思うほどに夜がいじらしかった。夜が注がれたグラスを不思議そうにみている間に自分のグラスにも注ぎ、2人でささやかに乾杯する。

「灯、誕生日おめでとう」

「夜、ありがとう。これからもずっと俺の誕生日祝ってくれる?」

うん、短く返事した夜はおっかなびっくりワインを飲み始める。そこから急に夜は黙ってしまい、俺は用意された食事に1人でコメントするだけの食事になってしまった。

「あかる……」

食事をあらかた食べたところで唐突に名前を呼ばれ顔を上げた。

「僕に……キスしてもらいたい……?」

この時夜はいつもよりは少し顔が赤い程度だったので、特に何も思わなかった。

「うん……してもらいたいよ?」

すると夜は立ち上がりゆらゆらと歩いて来て、俺が椅子を引いて向き合った時に、その膝の上に座った。しばらく夜は俺の頭に抱きついて髪をくしゃくしゃにする。

抱いた頭を手放し夜が顔を近づけた時、酒の匂いが鼻をつく。グラス半分でこんなに酒の匂いが充満するものなのか? そう疑問に思っている間に唇を奪われた。

「あかう……もっとしてもらいたいでしょ……」

「夜……酔っ払ってる……?」

「よっぱらって……ないよぉ……」

完全に酔っ払っている。困っている俺の顔中に夜がキスをして、そのたびに目が合った。

「あかるはキスしてほしくないの?」

首を傾げてかわいい顔で覗く夜に、下半身が先に応える。それを察知した夜はそっと手を当てがいゆっくり笑った。

「あ、あぁ、あかるのここにもキスをしてあげる」

「夜、お風呂入ってないから、後にしよう? 今水持ってくるから」

膝から夜を下ろして立ち上がろうとした時、夜が俺の部屋着をズルッと下ろした。

「夜、後にしよう?」

「あかるの……匂いが……すきなの……」

俺は恥ずかしさと興奮で思考停止に陥る。陶器のような肌で俺の陰茎に頬擦りをして、そしてゆっくりと頬張る。やめさせたいのに夜が幸せそうに俺を慰めるから、しばらくその光景を眺めてしまった。

「夜、もう一回唇にして」

夜はニッコリ笑って抱きつきながら唇に向かってくる。俺はその華奢な肩を抱いて立ち上がった。

「夜にもキスしていい?」

「いいよ、ふふっ」

夜は上機嫌だった。夜を連れてベッドまで歩く。ベッドに着くと夜は言われもしないのに部屋着を脱ぎ始める。誘うようにシャツを脱いで白い背中が薄暗い闇にぼんやり浮かび上がった。

「夜はどこにキスしてほしい?」

「僕がしたいの」

「うん、でもここにしてもらいたいんじゃない?」

夜の肩から背中にかけてそっとキスを落とす。夜の肌は見た目に反してしっとりとしていて、俺の唇を離し難いと吸い付いてくる。

「あ、あっ、あぁ……あかる……こっちも……」

俺の手を取り、胸の先端に誘導する。こんな積極的な夜に俺は少し心配になった。誘われた手で胸の先端を摘んで、グリグリとすり潰す。

「夜……お酒は俺以外と飲まないって約束して……」

「あぁっ、あかるっ……まって……」

「約束して……」

すり潰す指の力を強め、約束を強要した。

「あっ……あかるじゃなきゃ……こんな風にならない……ちがう……?」

何度も言い聞かせたことを従順に答える夜に、自分の口元が綻ぶのを感じる。

「夜……大好きだよ……今日は夜のしたいことしようね……」

「あかるに……キスしたい……ここに寝て?」

「うん」

「服も脱いで!」

必死に抗議するように言う夜がかわいくて笑いながら服を脱ぐ。そしてベッドに寝転ぶや否や裸の夜が俺に跨って座った。覆い被さり必死で俺の唇を求められる間に、枕元にある潤滑剤を取り出した。

「夜がキスしてくれてるあいだ、触ってもいい?」

「触って……準備したよ……」

「ふふっ、さっき聞いたよ、夜」

「あっ……ぁ……」

「俺としたくて準備してくれてたの?」

「あぁっ……そこ……だめ……あ、あ、ああ!」

「夜? ちゃんと答えて」

「あっああぁ……! いつも……あかるとしたくて……準備してる……!」

「いつも?」

「あかるっ……もう入れてよ……お願い……」

「いつもって何? ちゃんと答えて」

「毎日……してる……あかると……したいの……お願い……入れて……」

俺が帰宅時間が遅い日も毎日準備をしていることが衝撃で、しばらく黙ってしまった。その間に夜は潤滑剤を俺に塗りたくり、腰をゆっくり下ろし始めた。

「夜、酔っ払ってるんだから危ないよ。ちゃんとしてあげるから、こっちにきて」

「してくれないもん!」

「するよ、これから毎日する。俺もしたい」

「そう言うから……」

夜は震えながら俺を中に飲み込んでいく。

「あ、あ、入った……んんっ……」

ブルっと一度震えて、夜はどうしたらいいかわからないのかそのまま震え続ける。騎乗位をさせたことがなかった。させたいと思ったこともなかった。俺のわがままで夜をこんな風にさせたのに、それに報いていない罪悪感で胸が押しつぶされそうだった。

「夜、こっちにきて。キスをして」

「うん、キスしてほしいの?」

「うん、いっぱいしてほしい」

「ふふっ、あかるにしてあげる……」

俺の首元に手をつきゆっくり上半身を倒す。その腰を掴んでゆっくりと夜の中に俺自身を突き上げた。

「あ、あっ、そこ……ダメ……あかる……」

「ほら、夜キスをして」

俺の口に到達する夜の唇の端から甘い息が漏れ出す。俺がゆっくり夜の腰を突き上げると、夜の短い悲鳴が俺の口の中にこだまする。息苦しいのか顔をあげようと唇を離す夜に、キスをしてほしいと何度もねだる。

「もっとキスして、夜」

「もう、ダメ……あかる……いっちゃう」

「ここ、好きでしょ? ほら、キスして、夜」

もう限界なのか、夜は動かなくなった。代わりに夜の前がビクビクと俺の腹の上で暴れている。腰を強く掴み奥にグッと自分自身を突き入れたら、夜は体を仰け反らせて顔から水滴が落ちてきた。涙なのか涎なのか判別つかなかったが、そのまま俺は夜の奥を何度も突く。

「あかる……まって……あああっ!あっあっあっあああああ!」

最後に腰を突き上げた時、夜の前が射精するように激しく痙攣した。

「ほらキスしてくれないから、奥でイけなかったね。ちゃんと奥でイけるようになってたのに。もう忘れちゃった?」

「ぁ……ぁ……ぁあ……ごめん……あかる……ごめんなさい……」

「忘れないようにこれから毎日しないとね。夜はまた忘れちゃうんでしょ?」

「忘れない……ぁ……ごめん……」

「謝らなきゃいけないのは俺のほうだよ。ちゃんと毎日しなかったから夜が忘れちゃったんだ」

「ちがう……あかる……」

「夜こっちにきて、キスしてくれないの?」

夜がキスをするために顔を寄せたら、涙がボタボタと降ってきた。キスをされている間夜の耳を指で犯し、舌で口を犯し、そして下半身では夜の中を犯した。夜の涙を手で拭いながら、頭を抱えて横に転がる。

夜の足を肩にかけ、奥に奥に押し入る。

「あかるぅっ! また、またいっちゃう、あっあっああ」

夜の足をかけたまま倒れ込み、夜の口を塞ぐ。

「ほら、ここまた熱くなってる。夜はここだけでイけるでしょ?」

自分で質問をしておきながら答えようとする夜の口を塞いだ。また夜の悲鳴を口で味わいながら、絶頂に導く。グチュグチュと腰を打ち付けるたび鳴る水音だけが響き渡る。

「んんんんん!」

俺の口の中で一際大きい悲鳴をあげて夜が絶頂に達する。しかしそれはまたしてもドライで、夜は我慢ができないのか、俺に腰をなすりつける。酒のせいで射精ができないことなどわかっていた。でも夜の気持ちに報いたくてそうとは気づかないフリを続けた。

「夜、ごめんね。また忘れないように明日から毎日してあげるからね。嬉しいでしょ?」

夜は口元が緩み汗と涙と涎で顔がぐちゃぐちゃだった。もう一度嬉しいでしょ? と問いながら顔を濡らす体液を唇で拭っていく。

「うれ……しい……毎日……したい……」

「うん、ちゃんと言ってくれて嬉しい。明日は夜が大好きな後ろからしてあげるからね」

チュッチュと音をたてて最後の体液を拭っていく。

「前からも……好き……」

「うん、今日はキスしてもらいながら一緒にいこうね?」

「うん……あかる……うれしい……」

「キスしてると前触れないから、夜自分でできる?」

「うん……自分で……する……」

「最初は触ってあげるね」

少し体を起こして、夜の陰茎を握り込む。緩急をつけてゆっくり扱くと、中に溜まっていた先走りがいやらしく夜の腹を濡らした。

「気持ちいいでしょ? 夜。言ってみて」

「気持ちいい……」

しばらく扱いていたら夜がおずおずと手を寄せて、俺の手をどかした。

「自分でできる?」

「うん……キスして……奥に……ほしい……」

「うん、そうされると気持ちいい?」

「気持ちいい……」

俺が唇にキスをすると夜は震えて悦んだ。口を塞いだままゆっくりと夜の奥を押す。

夜は俺が命令しなくても自分の感じるまま前を扱いている。その従順な姿に限界が一気に近づき思わず激しく奥を突いてしまう。

「夜……夜……もうイくよ? 夜ももうイくでしょ?」

「あっあっああぁ! もう! 我慢できない……!」

「我慢しないで、夜、もうダメなのわかるでしょ?」

「あああああ!ああっあああぁああっ!」

その悲鳴とともに腹に精液がかかるのを感じる。ぐったりとした夜をそのまま乱暴に揺すって、俺は夜の中に激しく体液を注いだ。


夜はそのまま気を失ってしまい、びっくりして何回か呼びかけたら謝りながら目を覚ました。

「なんで謝るの? 今水持ってくるから待ってて」

「灯……待って……」

夜はよろよろと立ち上がり、クローゼットの中から包みを出してきた。目の前に置いたそれを開けるように視線を移した時、誕生日プレゼントだということを知る。

促されるままプレゼントの包装を開けてみると、お洒落だけどシンプルな名刺入れが出てきた。

「灯が……一生懸命なの好きだけど……僕のことじゃないことも一生懸命なのがすごく好きなんだ……」

「夜……」

「仕事してる灯も好きだから、早く帰ってこなきゃとかそういうのは気にしないでね」

「夜……!」

堪らずに夜を抱きしめる。咄嗟の行動に夜が何か言いかけたのを遮ってしまう。

「夜と毎日するって」

「うん、しよう……でもできなくても……できなかったら、次にしたときにいっぱいしよう?」

「毎日する!」

「うん、うれしい……できなかったら前みたいに朝しよう?」

「うん、うん。夜は我慢しないで言ってくれる?」

「うん、お願いする……灯が我慢できないように誘惑する……」

「ああ、夢みたいだ……夜大好き……名刺入れ大切に使う」

「キスしてもいい?」

「うん、いっぱいして。眠るまでずっとして」

俺と夜は2人で風呂に入り数え切れないほどキスをして、日付が変わるまで2人の悦びに溺れた。俺がうつらうつらと船を漕ぎ始めたら夜はベッドに誘って、大好きな胸に顔を埋めて幸せな眠りについた。

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