皇帝に追放された騎士団長の試される忠義

大田ネクロマンサー

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番外編:レジーの秘密

洞窟 ※

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秋前でも夜空の大気は驚くほど冷たい。しかしミオの体温と藁でそれを感じずに移動することができた。ミオが目指した先は、自宅からかなり遠い崖の洞穴だった。

「こう見えて、隠れ家はいっぱいあるんだ。レジー寒くない? 今火をおこすから少し待ってて」

「ミオ、ミオは寒くないのか?」

「これからレジーに温めてもらうよ」

同意を求めるように長い首を器用に曲げて俺を見つめる。下心もなにもかも見透かされた目を直視できず、慌てて背を向けた。

「ねぇ、レジー。俺はレジーの秘密を全部知りたい。この前俺の宝物の秘密を教えてやっただろ?」

確かに気まずい雰囲気を払拭するためか、先日寝る前にミオが宝物の秘密を教えてくれた。正直な話、聞いたところで理解ができないものばかりだったが。

「ミオは……俺の全てを知ってるだろう。もう秘密などない」

「さっき部屋を出て、なにをするつもりだったの?」

「なっ……! 夜風に当たって……」

「ああ、聞き方が悪かった。レジーはいつも1人でどうやるの?」

逃げ場のない質問に答えることができず、羞恥心が顔を燃やした。自分でもわかるくらい耳まで熱く、目や口から火が出そうなくらいだった。

カチカチと音がしたと思ったら、温い空気がミオの方から流れてくる。パチパチと藁から火が移った薪が焼かれる音が段々と大きくなっていった。

「レジー……ごめん。少しだけ、知りたかっただけなんだ。俺がいつも無理をさせてるから」

「無理なんか……」

「うん?」

「無理なんかしていない……」

ミオはきっと、俺が帝国にいた時のことを思い出したと勘違いした。だから慌てて話題を逸らしたのだ。

「なんか、こういう洞窟に来ると、出会った頃を思い出すね……」

ミオは誰も気づかれない優しさで、愛を無尽蔵に注いでくれる。それに流されているとミオに勘違いされることが苦しかった。愛をなにひとつ返せていない自分自身に歯痒さすら感じていたのだ。

「指と……あ……で……する……」

背を向けていたというのも自分を大胆にさせていた要因だと思う。ボタンを外し、上下全ての肌を晒した。

「こっちの大陸にきて……からも……ミオのいない夜は……」

「レジー……?」

「竜神に会った日から……」

ヒタッと背中に冷たい感触があった。竜神の指の感触だ。

「あぁ、レジー。俺のレジー……もっと秘密を知りたい」

「竜神に……抱いてもらう想像をして……指で……」

ミオは辿々しく、俺の背中を撫で回す。それもそのはず、俺はミオに背中を見せたことがなかった。それは俺がねだるがままに、正面から抱いてくれることに他ならならない。

「レジー……もう少しだけ……聞いてもいい? どういう想像していたの……?」

ミオの手が前に回ってきて、胸に大きな手が広がる。そのまま後ろに抱き寄せられて、彼の自慢の胸の毛がサワサワと背中をくすぐる。なされるがまま俺は竜神の太腿に座らされた。

「ぁ……竜神は動物のように……俺を……後ろから犯してくれるのかと……思っていたっ……んっ」

ミオの伸縮可能な性器が俺の窄まりにあてがわれる。

「レジー……耳が……」

突然周りの音が水に沈む。ミオは首を曲げて俺の赤くなった耳を冷まそうと熱心に舐め上げていた。

「んんっ、はぁっ……あぁっ……!」

顔と体の中心がどんどん熱くなり、我慢ができずに俺は前を握ろうと手を伸ばした。しかしそれに気づいたミオは、片手で俺の両腕を掴んで、胸元に縫い付けた。

「レジー……まだ教えて……」

滑り気があり、細く引き伸ばされた竜神の性器が、まるで指のように侵入してくる。

「レジーの指はこのくらい? ここに指を入れる時、こっちは触る?」

触れるか触れないかのところで、俺の開かされた太腿をサラサラとした竜神の掌が這い回る。

「うぅっ、ぅんっ……触るっ……触りたい……!」

ミオは下から絞りあげるように俺の中心を握る。握ったその手に力を入れたり抜いたりして抽送をはじめた。

「ミオ……ふっ……うぅっ、んっ、んっ、嫌だ……ミオッ、ミオ!」

「なにが嫌?」

「もっと……あぁ……前は嫌だ……!」

「うん、こっち?」

いつのまにか竜神の体液でぐちゃぐちゃになった後ろの細い管が、俺の腹側を押す。ここ5日我慢していたから、限界がかなり近く、焦りが羞恥を超える。

「もっと太いのが……ミオ……ああああっ!」

前を扱いていた手で腹を押さえつけられ、急激に膨らんだ性器を突き上げられる。

「ぁぁっ……ミオォ……」

「ごめん、急に。痛くない?」

「ミオ……もっと……深く……入れてほしい……」

竜神のフカフカな毛から焦げたような匂いとともに熱気が背中から伝わる。雷鳴のようなゴロゴロという音も響いてきた時、ミオが俺の願いをゆっくり叶えた。

「はぁぁっ! ミオ! もっと奥が……!」

太く長い管が、体を貫き、その衝撃で声を失う。ミオの荒々しい呼吸音の中で快楽の渦に押し流されていく。

「あぁ……レジー……他に秘密はない……?」

「もっと……そこ……を……ああっああっ!んっ!」

竜神の腕ががんじがらめに俺を縛り、自在に動く性器で激しく抽送を繰り広げる。

「他には……!」

「あっ、あっ、もっと……したい……! 毎日して……ああっ、あ! ああっ!」

「ああ、ああ! なんでこんな秘密隠してたの!」

「まだ……終わりたくない! ミオ! ミ……!」

ミオは首を折り曲げ、俺の唇を奪った。ただでさえ限界が近かったのに、新たに加わった快楽で、一気に振り切れてしまった。

「んんーーっ!」

ミオが押さえつけていた手に俺の白濁が迸る。それを感じてか、ミオは抽送を止めて、唇を離した。

「レジー……そんなこと言ったら……俺本当に毎日連れ出しちゃうよ……」

「ダ……ニャ……」

「うん? ダーニャ?」

「はっ、ぁ……ダーニャは……嫌だ……俺だけ……約束した……」

「約束……?」

「何度でも……連れ去って……くれる……あああああああっ!」

奥にねじ込まれ、腹の底から嬌声が飛び出してしまった。急激に下がった体温が一気に暴れ出す。

「ああっ、ああっ、ミオ!」

「レジーがいけないんだからな。そんなこと言って……明日やっぱりやめたいって言ったって! こうやって! 毎日するんだからな!」

「してぇ!」

一度は解かれた竜神の腕がまた俺の体の自由を奪う。そのまま寝藁にうつ伏せにされ、不自由なまま激しく奥に杭を打たれ続ける。

ここから記憶が曖昧で、快楽以外の感覚がない。自分自身がなにを口走ったのか、どんな醜態を晒したのか、全く覚えていなかった。
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