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1部番外編
初めて見るアシュレイの顔 (5)
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僕はアシュレイのマントをモゾモゾと取り去って、台所に立ち魔法で炎を出すアシュレイを眺めた。アシュレイは塔に来ると必ず料理をしてくれる。でも自ら魔法を使っているところを見るのは初めてだった。
僕のために慌てて湯を沸かす彼の背中は、忙しないのにどこか品がある。なんだか胸が苦しくなってつい話しかけてしまった。
「アシュレイ……」
「もうじき沸くから待っていてくれ。本当に申し訳ないことをした」
「僕と一緒にお風呂に入っていただけませんか?」
アシュレイは炎を止めて、そのまま動かなくなった。
「アシュレイ、僕のわがままです。さっきのことも、僕のわがままでした。ごめんなさい」
アシュレイは振り返り僕の座るところまで歩いてきた。そして僕の前に跪いて、こう述べた。
「ノアの前では強い男でいたい。でもノアを前にすると、俺はおかしくなってしまう」
彼の手が伸びて僕の頬に触れる。指で何度も撫でられ、甘い痺れが腰のあたりに集中した。
「ぼ、僕もです。よくしていただいているのに……僕は欲張りになってしまって……今日は本当に申し訳ございませんでした」
アシュレイがグッと何かを飲み込んだように顔を傾げてから、僕を優しい目で覗き込んだ。
「一緒に風呂に入ろう。さっきルイスが言っていたな。今日はノアがしたいと思うことを俺にも教えてくれ」
「アシュレイも、アシュレイもしたいことを教えてくれますか?」
「ああ」
アシュレイがすっと僕の裾から手を入れた。熱い手が僕の太腿をゆっくりと這い上がるから、僕は少し声を漏らしてしまう。
「ノアに触れたい。頬だけでは……我慢ができない……」
「ぁ……あ、もっと触れてください。心のままに」
輪郭がハッキリした美しいアシュレイの唇が、僕の唇を啄ばみ熱を残していく。もっと熱い彼の舌を待っているのに、予想に反して僕は宙に浮く。
「風呂に入ろう。洗わせてくれるな?」
「は、はい」
ルイスが沸かしてくれた湯船からはホカホカと湯気が立ち上がっている。アシュレイに下され、服を脱ごうとした時に彼がその裾を掴んだ。
「少し触ってもいいか?」
「はい。アシュレイは服の上から触るのがお好みですか?」
アシュレイは僕の肩から手を這わせて、胸を撫でる。首筋に顔を寄せて、大きく開けた口で僕の鎖骨あたりに吸いついた。ちゅっと音を鳴らして唇を離したら、彼の大きな手が僕の背中を包んだ。
「ノアンはなぜ俺に嘘をついていたのだ? そうでもしなければこんなに細いわけがない」
僕のために慌てて湯を沸かす彼の背中は、忙しないのにどこか品がある。なんだか胸が苦しくなってつい話しかけてしまった。
「アシュレイ……」
「もうじき沸くから待っていてくれ。本当に申し訳ないことをした」
「僕と一緒にお風呂に入っていただけませんか?」
アシュレイは炎を止めて、そのまま動かなくなった。
「アシュレイ、僕のわがままです。さっきのことも、僕のわがままでした。ごめんなさい」
アシュレイは振り返り僕の座るところまで歩いてきた。そして僕の前に跪いて、こう述べた。
「ノアの前では強い男でいたい。でもノアを前にすると、俺はおかしくなってしまう」
彼の手が伸びて僕の頬に触れる。指で何度も撫でられ、甘い痺れが腰のあたりに集中した。
「ぼ、僕もです。よくしていただいているのに……僕は欲張りになってしまって……今日は本当に申し訳ございませんでした」
アシュレイがグッと何かを飲み込んだように顔を傾げてから、僕を優しい目で覗き込んだ。
「一緒に風呂に入ろう。さっきルイスが言っていたな。今日はノアがしたいと思うことを俺にも教えてくれ」
「アシュレイも、アシュレイもしたいことを教えてくれますか?」
「ああ」
アシュレイがすっと僕の裾から手を入れた。熱い手が僕の太腿をゆっくりと這い上がるから、僕は少し声を漏らしてしまう。
「ノアに触れたい。頬だけでは……我慢ができない……」
「ぁ……あ、もっと触れてください。心のままに」
輪郭がハッキリした美しいアシュレイの唇が、僕の唇を啄ばみ熱を残していく。もっと熱い彼の舌を待っているのに、予想に反して僕は宙に浮く。
「風呂に入ろう。洗わせてくれるな?」
「は、はい」
ルイスが沸かしてくれた湯船からはホカホカと湯気が立ち上がっている。アシュレイに下され、服を脱ごうとした時に彼がその裾を掴んだ。
「少し触ってもいいか?」
「はい。アシュレイは服の上から触るのがお好みですか?」
アシュレイは僕の肩から手を這わせて、胸を撫でる。首筋に顔を寄せて、大きく開けた口で僕の鎖骨あたりに吸いついた。ちゅっと音を鳴らして唇を離したら、彼の大きな手が僕の背中を包んだ。
「ノアンはなぜ俺に嘘をついていたのだ? そうでもしなければこんなに細いわけがない」
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