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箱
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ここに箱がある。
その中には
自分にとって
過去、現在、この先の人生全てで
最も大事にしていなければ
し続けなければならないもの。
そんなものが入っている。
しかし、その箱についている扉は
押しても引いてもあかない。
私は苛つき
ハンマーを大きく振りかぶり叩きつけ
箱を壊そうとした。
だが、かすり傷負わせる程度でびくともしない。
何度振りかぶり、叩きつけても結果は同じだった。
私は、今開けることを諦め
あるかわからないチャンスや奇跡を望みに
気の遠くなるような年月を
箱を見つめながら過ごした。
……
…
しかし、ある時気づく。
箱は全く風化せず
それどころか、ハンマーでつけたかすり傷が
全て直ってしまっている。
焦る。
私が何もせず、チャンスや奇跡
そして途方もない時間に頼った判断は
間違っていたのではないか?
そう自問するが
何事にも無駄などない
これまでの長い年月も何か意義がある
そう自分に思い込ませた。
私は、再度、箱の破壊を様々な方法で試していく。
だが、何をもってしても
箱には、かすり傷を負わせる程度。
そして、しばらく後
またあることに気づく。
箱の後ろに投げ捨てていた道具が
透けて見えている。
今までは気づかぬ速さだったのだろう。
箱は、中の大事なものもろとも
徐々に
透明に
消えていっていた。
その光景は
あの頑丈な箱に似合わず
とても儚げであった。
私は、私の預かり知らぬところで
中身を見せず、消えていくその箱を
中身もろとも消滅させる決意をした。
震える手に
震える心
私は禁忌の力を使った。
大きな音が鳴り響き
世界が揺れ
周りに黒い煙が立ち込める。
私は目を瞑り
深呼吸をし
心を落ち着かせて
目蓋をそっと開く。
そこには
いつも通り、微かな傷を見せて
ここにあり続ける箱の姿があった。
ただ、その姿は儚げで
やはり、少しずつ透明に消えていっている。
箱の寿命は、もう長くないのだろう。
だが、分かりきっていることだ。
私にできることは
箱が消えてなくなるその時まで
箱を開ける努力を続けるだけ。
それが、私なりの
箱との対話の仕方なのだから。
その中には
自分にとって
過去、現在、この先の人生全てで
最も大事にしていなければ
し続けなければならないもの。
そんなものが入っている。
しかし、その箱についている扉は
押しても引いてもあかない。
私は苛つき
ハンマーを大きく振りかぶり叩きつけ
箱を壊そうとした。
だが、かすり傷負わせる程度でびくともしない。
何度振りかぶり、叩きつけても結果は同じだった。
私は、今開けることを諦め
あるかわからないチャンスや奇跡を望みに
気の遠くなるような年月を
箱を見つめながら過ごした。
……
…
しかし、ある時気づく。
箱は全く風化せず
それどころか、ハンマーでつけたかすり傷が
全て直ってしまっている。
焦る。
私が何もせず、チャンスや奇跡
そして途方もない時間に頼った判断は
間違っていたのではないか?
そう自問するが
何事にも無駄などない
これまでの長い年月も何か意義がある
そう自分に思い込ませた。
私は、再度、箱の破壊を様々な方法で試していく。
だが、何をもってしても
箱には、かすり傷を負わせる程度。
そして、しばらく後
またあることに気づく。
箱の後ろに投げ捨てていた道具が
透けて見えている。
今までは気づかぬ速さだったのだろう。
箱は、中の大事なものもろとも
徐々に
透明に
消えていっていた。
その光景は
あの頑丈な箱に似合わず
とても儚げであった。
私は、私の預かり知らぬところで
中身を見せず、消えていくその箱を
中身もろとも消滅させる決意をした。
震える手に
震える心
私は禁忌の力を使った。
大きな音が鳴り響き
世界が揺れ
周りに黒い煙が立ち込める。
私は目を瞑り
深呼吸をし
心を落ち着かせて
目蓋をそっと開く。
そこには
いつも通り、微かな傷を見せて
ここにあり続ける箱の姿があった。
ただ、その姿は儚げで
やはり、少しずつ透明に消えていっている。
箱の寿命は、もう長くないのだろう。
だが、分かりきっていることだ。
私にできることは
箱が消えてなくなるその時まで
箱を開ける努力を続けるだけ。
それが、私なりの
箱との対話の仕方なのだから。
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