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イタズラな妹さん
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意識を失ってしまった不甲斐ない俺が目を覚ますと、スミレさんではない顔が俺を見下ろしていた。
「あっ、お兄さん。目が覚めた?」
そう言って顔を覗き込む美しい少女。まだあどけなさを残す顔は、どこかスミレさんに似ていて、姉妹であることが伺える。
「おはよう、お兄さん。ユミだよ。瀬羽優実です。気絶しちゃったからお世話をしてたんだ」
情けない姿を見せてしまった。ただ、状況がまったくわからない。なぜ、ユミさんにお世話になっているんだろう?
「お母さんと姉さんは買い物に行っちゃったんだよ。だからね、私がお留守番して。お兄さんのことを見ててあげてたの」
俺の世話をする際のスミレさんは優しさと慈愛に満ちた表情をしている。それとは違い、ユミさんは朗らかで陽だまりのような笑顔を浮かべている。セミロングの髪を小さく束ねた髪は、可愛らしい尻尾のようで、小柄な体はスミレさんやお母さんとは違い、まだまだ発展途上な印象を受ける。
「あっ、ありがとう」
「ふふ、ねぇお兄さん」
「えっと、俺は紐田陽一だよ」
「ヨウニイだね。ヨウニイは、姉さんと付き合ってるの?」
「えっと、うん。告白をして受け入れてもらえたよ」
「そうなんだ~。そうかそうか、それはいいね。私、お兄さんがいないから、お兄さんができて嬉しいよ」
今更ながら、彼女が俺を覗き込んでいる姿勢の違和感に気づく。俺の頭があるのは、彼女の膝の上なのだ。
「えっと、どうして膝枕?」
「え~、だって頭が痛そうだったから! なんだか、そのまま寝かせておくのが、可哀想だなって思って」
「そう、ありがとう。もう大丈夫だから、起きるね」
「あっ! ダメだよ!」
俺が起きあがろうとすると、上から覆いかぶさるようにギュッと小柄な体が頭を抱きしめてくる。
「えっ?!」
スミレさんとは違う甘い匂いに包まれる。
「姉ちゃんが、起きても寝かせておいてくれって言ってたんだよ。だから、ヨウニイは私の膝枕で寝ていないとダメなんだよ。それにまだ頭が熱いよ」
言われてみれば、確かに今も目が回っている。だが、それは美少女女子高生に頭を抱きしめられているからで、男なら誰でも頭が熱くなると思う。
「わっ、わかったよ。大人しく寝ているから、頭を抱きしめるのはやめてくれると嬉しいな」
「あっ、そうだよね。息がしにくいもんね」
そういう問題ではないんだけど、せっかくスミレさんと付き合えたのに、その妹であるユミさんに抱きしめられている姿をスミレさんに見られたくない。
「ふふ、お兄さんの髪の毛ってふわふわだね」
抱きしめるのはやめてくれたが、今度は頭を撫でられる。ツーブロックに切った頭もすぐに生えてきて、ジョリジョリとしていた部分が少し伸びてフワフワしてきた。
「あっ、ありがとう」
「男の人の頭を撫でるのって初めてだけど、なんだかドキドキするね」
「えっ?」
ユミさんほどの美少女なら、彼氏の一人や二人、何十人からでも告白されていそうだ。
「私ね、今まで末っ子でお母さんとお姉ちゃんが何でもできちゃうから、人に甘える感じだったんだ。だけど、こうやって誰かに甘えさせてあげるのって初めてだから、新鮮で嬉しいな」
俺の選択ミス!
スミレさんのようにお世話が好きな子だと思っていたが、実は初めてのお世話で加減がわからなかっただけだ。なら、ちゃんと説得すれば、起き上がって話ができるかもしれない。
「ユミさんのおかげでだいぶ良くなってきたよ。ありがとう」
まずはお礼だ。これで安心してくれるはずだ。
「そう? お姉ちゃんに比べると足も細いし、胸も小さいから柔らかくないかなって心配だったんだ。でも喜んでくれて嬉しいな」
あっ、ダメだ。物凄く素直な子だ。嬉しそうにまた頭を抱きしめられてしまう。
「ただいま」
「帰ったわよ」
マズイ! ユミちゃんが頭を抱きしめているタイミングで、スミレさんたちが帰ってきた。
「ふぅ、結構買い込んだわね」
「お母さんが来てくれたなら、甘えないと」
「もう、この子ったら! ユミ? 何してるの?」
マズイマズイマズイ!
「ふふふ、ユミ。何をしているの?」
「お姉ちゃん。あのね、ヨウニイが寝ていると苦しそうにしてたから枕になってあげたの」
「そう、ユミは優しいわね」
「それで、目が覚めたけどまだ熱があるみたいで顔が熱いから起きちゃダメって、ギュッとしてたら、なんだか頭を抱きしめるのが気持ちよくて、ついやっちゃった」
「ユミ……」
これはマズイのか? 俺もユミちゃんも怒られる流れか?
「凄くわかるわ! ヨウイチさんのお世話をするのって幸せよね」
「やっぱりそうなんだ! お姉ちゃんが幸せそうでいいなぁ~。私もヨウニイ欲しい」
「それはダメよ。あなたもいつかお世話する相手が見つかるはずよ。だから、今だけね」
「うん。ありがとう。お姉ちゃん」
何故か、俺はスミレさんのお墨付きで、ユミちゃんに貸し出されてしまった。
むしろ、怒るか、救出してくれ!
「あっ、お兄さん。目が覚めた?」
そう言って顔を覗き込む美しい少女。まだあどけなさを残す顔は、どこかスミレさんに似ていて、姉妹であることが伺える。
「おはよう、お兄さん。ユミだよ。瀬羽優実です。気絶しちゃったからお世話をしてたんだ」
情けない姿を見せてしまった。ただ、状況がまったくわからない。なぜ、ユミさんにお世話になっているんだろう?
「お母さんと姉さんは買い物に行っちゃったんだよ。だからね、私がお留守番して。お兄さんのことを見ててあげてたの」
俺の世話をする際のスミレさんは優しさと慈愛に満ちた表情をしている。それとは違い、ユミさんは朗らかで陽だまりのような笑顔を浮かべている。セミロングの髪を小さく束ねた髪は、可愛らしい尻尾のようで、小柄な体はスミレさんやお母さんとは違い、まだまだ発展途上な印象を受ける。
「あっ、ありがとう」
「ふふ、ねぇお兄さん」
「えっと、俺は紐田陽一だよ」
「ヨウニイだね。ヨウニイは、姉さんと付き合ってるの?」
「えっと、うん。告白をして受け入れてもらえたよ」
「そうなんだ~。そうかそうか、それはいいね。私、お兄さんがいないから、お兄さんができて嬉しいよ」
今更ながら、彼女が俺を覗き込んでいる姿勢の違和感に気づく。俺の頭があるのは、彼女の膝の上なのだ。
「えっと、どうして膝枕?」
「え~、だって頭が痛そうだったから! なんだか、そのまま寝かせておくのが、可哀想だなって思って」
「そう、ありがとう。もう大丈夫だから、起きるね」
「あっ! ダメだよ!」
俺が起きあがろうとすると、上から覆いかぶさるようにギュッと小柄な体が頭を抱きしめてくる。
「えっ?!」
スミレさんとは違う甘い匂いに包まれる。
「姉ちゃんが、起きても寝かせておいてくれって言ってたんだよ。だから、ヨウニイは私の膝枕で寝ていないとダメなんだよ。それにまだ頭が熱いよ」
言われてみれば、確かに今も目が回っている。だが、それは美少女女子高生に頭を抱きしめられているからで、男なら誰でも頭が熱くなると思う。
「わっ、わかったよ。大人しく寝ているから、頭を抱きしめるのはやめてくれると嬉しいな」
「あっ、そうだよね。息がしにくいもんね」
そういう問題ではないんだけど、せっかくスミレさんと付き合えたのに、その妹であるユミさんに抱きしめられている姿をスミレさんに見られたくない。
「ふふ、お兄さんの髪の毛ってふわふわだね」
抱きしめるのはやめてくれたが、今度は頭を撫でられる。ツーブロックに切った頭もすぐに生えてきて、ジョリジョリとしていた部分が少し伸びてフワフワしてきた。
「あっ、ありがとう」
「男の人の頭を撫でるのって初めてだけど、なんだかドキドキするね」
「えっ?」
ユミさんほどの美少女なら、彼氏の一人や二人、何十人からでも告白されていそうだ。
「私ね、今まで末っ子でお母さんとお姉ちゃんが何でもできちゃうから、人に甘える感じだったんだ。だけど、こうやって誰かに甘えさせてあげるのって初めてだから、新鮮で嬉しいな」
俺の選択ミス!
スミレさんのようにお世話が好きな子だと思っていたが、実は初めてのお世話で加減がわからなかっただけだ。なら、ちゃんと説得すれば、起き上がって話ができるかもしれない。
「ユミさんのおかげでだいぶ良くなってきたよ。ありがとう」
まずはお礼だ。これで安心してくれるはずだ。
「そう? お姉ちゃんに比べると足も細いし、胸も小さいから柔らかくないかなって心配だったんだ。でも喜んでくれて嬉しいな」
あっ、ダメだ。物凄く素直な子だ。嬉しそうにまた頭を抱きしめられてしまう。
「ただいま」
「帰ったわよ」
マズイ! ユミちゃんが頭を抱きしめているタイミングで、スミレさんたちが帰ってきた。
「ふぅ、結構買い込んだわね」
「お母さんが来てくれたなら、甘えないと」
「もう、この子ったら! ユミ? 何してるの?」
マズイマズイマズイ!
「ふふふ、ユミ。何をしているの?」
「お姉ちゃん。あのね、ヨウニイが寝ていると苦しそうにしてたから枕になってあげたの」
「そう、ユミは優しいわね」
「それで、目が覚めたけどまだ熱があるみたいで顔が熱いから起きちゃダメって、ギュッとしてたら、なんだか頭を抱きしめるのが気持ちよくて、ついやっちゃった」
「ユミ……」
これはマズイのか? 俺もユミちゃんも怒られる流れか?
「凄くわかるわ! ヨウイチさんのお世話をするのって幸せよね」
「やっぱりそうなんだ! お姉ちゃんが幸せそうでいいなぁ~。私もヨウニイ欲しい」
「それはダメよ。あなたもいつかお世話する相手が見つかるはずよ。だから、今だけね」
「うん。ありがとう。お姉ちゃん」
何故か、俺はスミレさんのお墨付きで、ユミちゃんに貸し出されてしまった。
むしろ、怒るか、救出してくれ!
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