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エピローグ
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シーアーバンス周辺の所属が、クレイガー王国からルクセンバルグ王国になって1年が過ぎた。領主は、アダベルトの2番目の兄であるダイナントが務めている。一応、私たちにも打診はあったんだけど、領主夫人なんて重責はいらない。だって、宴とか夜会とか参加必須なんだよ?あんな駆け引きなんてムリムリ。まあ、国王陛下も私が承知するとは思っていなかったし、貴族たちに私を会わせる気はなかったようだ。そのお蔭で、私たちは、相変わらずシーアーバンスでのんびりとしている。嘘です。ホカホカとヒエヒエの登録が1年を経過してすぐに、王太子殿下からの要請で加湿と除湿の魔法陣を固定魔法陣に登録させられた。噂が広がりすぎて、収拾がつかなくなったのだ。各所からの要望が凄いことになったらしい。
「足のトラブルに効果があるなら、なるべく早く公開してくれと王立騎士団だけでなく辺境や各国の騎士団や衛兵たち、魔法ギルドに至るまで毎日のように要望が届く。その上、王妃様や王太子妃のもとにはご婦人方から肌の潤いが増すのなら、どうにか手に入らないかと問い合わせが殺到している」
王太子殿下は頭を抱えていたが、それこそ自業自得というもの。それでも、ホカホカとヒエヒエが1年を過ぎるまでは待ってもらった。そして・・・・。
「・・・・サイカ。もう少し待てませんか?」
ここでも頭を抱えられた。
「ムリです。これでも、ホカホカとヒエヒエが1年過ぎるまで待ってもらったんです。王都の魔法ギルドで、とも言われたんです。でもね、稼ぎ時でなんでしょ?」
馬車はともかく、ホカホカとヒエヒエは、凄かった。1月程でその有用性が知れ渡り、暑い地方と寒い地方からだけでなく、温かい物は温かく、冷たい物は冷たく食べたい王侯貴族や飲食店からも依頼が殺到した。使い捨てな分、数がいる。ギルドは来る日も来る日もてんてこ舞いだった。それが漸く終わったのだ。
「そうですが、そうなんですが」
「諦めようよ。今回も出来るだけ簡単にしたから。初級寄りの中級でいけるから!」
既に大量の依頼が発生すると、この時点で分かっている。
「諦めろ、レンフール。馬車のようなことにはならん」
「除湿は、靴の中敷きの下に敷いて、半年。毎日魔力を流すことで、清潔に保てるようになってる。除湿器にするなら魔石を使用して5年。魔石の等級は4。加湿器も同じ。美容に使うのなら、布製にして10回使えるようにした」
「・・それは、4つの魔法陣になるのでは?」
「・・・・そうかも。ちょっと違うだけなんだけど」
「それでも、同じでないなら、別々の登録になります」
マジか。横にいるアダベルトを見た。
「兄に相談する」
そんなもの、別々で登録すればいいと、そんなことで連絡を寄越すな!と叱られた。私が有名なのは今更だから、2つが4つになったところでたいした違いはないらしい。そんな訳ないと思うが、王太子殿下に逆らうなど出来るはずもなく、即座に4つ登録した。まあ、その後のギルドは言わずもがなの大忙し。事前に大量に両方の魔法陣を渡しておいたが、焼け石に水だったようだ。領主であるダイナントも増え続ける魔法師たちの対応でてんてこ舞いらしい。治安維持が大変だとぼやいていた。私とアダベルトのもとにも沢山の襲撃者がやってくるけど、身に着けた転移の魔法陣で容赦なく王城のあの牢へと送り込んでいる。さっきもふたり送られていった。
「毎日毎日、鬱陶しすぎる」
「仕方ないだろう。狙われるのは想定済み。これさえ身に着けていれば、勝手に自滅してくれるんだから生活に支障はない」
そうなんだけど。むう。私の精神衛生によくない。胎教にも悪いと思う。
「ちょっと避難したい」
「分かった。少し早いが、王城の離れに滞在できるように手配する。そこなら、余程でなければ襲撃されないだろう」
そう。私は今、妊婦なのだ。だから、余計に神経質にはなっている。産まれるまでは、あと2月程だろうか。子供がある程度大きくなるまでは、そこで生活することになった。我が子の安全には代えられない。いつ結婚したかって?でき婚だよ!獣人にはよくあることみたい。妊娠に気付いてすぐに婚姻の届けを出した。そうしないと末席でも王族として認められなくなるらしい。すると、安全面で格段に劣ることになると聞いたら、すぐに届けるよね!我が子、大事。結婚式は、産後半年を目安に進めている。今の体型だとドレスひとつ作れない。貴族との接点をなるべく作らないためにも身内のみの式になる予定だ。ありがたい。
「3日後にルトの実家に帰るから、暫く来れなくなる」
ギルドには一応連絡をしに来た。
「そうね。そろそろ、準備した方がいいわね。分かった。帰ってきたら、また、連絡して」
「りょーかい」
ナーサリーと別れの挨拶をしていると、副ギルド長がぬっと顔を出した。
「出産まで暇を持て余すでしょうから、除湿の魔法陣の量産をお願いしますね?できれば、加湿の魔法陣も。除湿器と加湿器は、後回しで構いませんよ」
依頼の優先順位の確認と念押しの為に、態々顔を見せたようだ。死相が出ているその顔に免じて、出産前後を除く毎日100枚くらいならと請け負うことにした。隣でアダベルトが不満顔をしているが、その程度なら1時間とかからない。その後、領主館にも寄り、王城ヘと転移した。
程なくして・・・・・・。
「ふぎゃ~!!!」
私は、元気な男の子を産んだ。かわいい狼さんだ。アダベルトの兄弟の中では、2人目の狼族になる。名前は、フィンセント。お義父様に名付け親になってもらった。王太子殿下のお子様と一緒に毎日やってくる。他の孫たちを蔑ろにしているわけではないのだが、やはり、同族はかわいいのかもしれない。・・・・違った。3番目のお義兄様のお子様は、天使族の女の子で、「お祖父ちゃま怖い!」と泣かれてしまうらしい。そのせいで、近寄れず遠くからこっそりと覗いているのだとか。トゥッティーナお義姉様からこっそりと教えてもらった。不憫すぎる。今、王城には、この3人の孫がいる。将来、一緒に遊んだりするのだろうか。
ヴィーグとふたりでやって来たこの世界は、今は、こんなにも賑やかになった。アダベルトを鬱陶しく思ったこともあったけど、今はこの現実を与えてくれて感謝している。アダベルトが半身でよかった。向こうの世界では、きっとこんな幸せは手に入らなかっただろう。そう思うと、ここの神様にも自然と感謝の念が浮かんでくる。
《ちゃんと寿命まで心残りなく生きてくださいね》
うん。それが神様の願いだよね。私も永遠を流離うなんてごめんだ。アダベルトとヴィーグがいてくれるなら、きっと大丈夫。孫に見送られてこの世界を去って行ける。フィンセントとアダベルトが楽しそうに遊ぶ姿を見て、そう確信出来た日だった。
~END~
最後までお読みいただき、ありがとうございました\(^o^)/
「足のトラブルに効果があるなら、なるべく早く公開してくれと王立騎士団だけでなく辺境や各国の騎士団や衛兵たち、魔法ギルドに至るまで毎日のように要望が届く。その上、王妃様や王太子妃のもとにはご婦人方から肌の潤いが増すのなら、どうにか手に入らないかと問い合わせが殺到している」
王太子殿下は頭を抱えていたが、それこそ自業自得というもの。それでも、ホカホカとヒエヒエが1年を過ぎるまでは待ってもらった。そして・・・・。
「・・・・サイカ。もう少し待てませんか?」
ここでも頭を抱えられた。
「ムリです。これでも、ホカホカとヒエヒエが1年過ぎるまで待ってもらったんです。王都の魔法ギルドで、とも言われたんです。でもね、稼ぎ時でなんでしょ?」
馬車はともかく、ホカホカとヒエヒエは、凄かった。1月程でその有用性が知れ渡り、暑い地方と寒い地方からだけでなく、温かい物は温かく、冷たい物は冷たく食べたい王侯貴族や飲食店からも依頼が殺到した。使い捨てな分、数がいる。ギルドは来る日も来る日もてんてこ舞いだった。それが漸く終わったのだ。
「そうですが、そうなんですが」
「諦めようよ。今回も出来るだけ簡単にしたから。初級寄りの中級でいけるから!」
既に大量の依頼が発生すると、この時点で分かっている。
「諦めろ、レンフール。馬車のようなことにはならん」
「除湿は、靴の中敷きの下に敷いて、半年。毎日魔力を流すことで、清潔に保てるようになってる。除湿器にするなら魔石を使用して5年。魔石の等級は4。加湿器も同じ。美容に使うのなら、布製にして10回使えるようにした」
「・・それは、4つの魔法陣になるのでは?」
「・・・・そうかも。ちょっと違うだけなんだけど」
「それでも、同じでないなら、別々の登録になります」
マジか。横にいるアダベルトを見た。
「兄に相談する」
そんなもの、別々で登録すればいいと、そんなことで連絡を寄越すな!と叱られた。私が有名なのは今更だから、2つが4つになったところでたいした違いはないらしい。そんな訳ないと思うが、王太子殿下に逆らうなど出来るはずもなく、即座に4つ登録した。まあ、その後のギルドは言わずもがなの大忙し。事前に大量に両方の魔法陣を渡しておいたが、焼け石に水だったようだ。領主であるダイナントも増え続ける魔法師たちの対応でてんてこ舞いらしい。治安維持が大変だとぼやいていた。私とアダベルトのもとにも沢山の襲撃者がやってくるけど、身に着けた転移の魔法陣で容赦なく王城のあの牢へと送り込んでいる。さっきもふたり送られていった。
「毎日毎日、鬱陶しすぎる」
「仕方ないだろう。狙われるのは想定済み。これさえ身に着けていれば、勝手に自滅してくれるんだから生活に支障はない」
そうなんだけど。むう。私の精神衛生によくない。胎教にも悪いと思う。
「ちょっと避難したい」
「分かった。少し早いが、王城の離れに滞在できるように手配する。そこなら、余程でなければ襲撃されないだろう」
そう。私は今、妊婦なのだ。だから、余計に神経質にはなっている。産まれるまでは、あと2月程だろうか。子供がある程度大きくなるまでは、そこで生活することになった。我が子の安全には代えられない。いつ結婚したかって?でき婚だよ!獣人にはよくあることみたい。妊娠に気付いてすぐに婚姻の届けを出した。そうしないと末席でも王族として認められなくなるらしい。すると、安全面で格段に劣ることになると聞いたら、すぐに届けるよね!我が子、大事。結婚式は、産後半年を目安に進めている。今の体型だとドレスひとつ作れない。貴族との接点をなるべく作らないためにも身内のみの式になる予定だ。ありがたい。
「3日後にルトの実家に帰るから、暫く来れなくなる」
ギルドには一応連絡をしに来た。
「そうね。そろそろ、準備した方がいいわね。分かった。帰ってきたら、また、連絡して」
「りょーかい」
ナーサリーと別れの挨拶をしていると、副ギルド長がぬっと顔を出した。
「出産まで暇を持て余すでしょうから、除湿の魔法陣の量産をお願いしますね?できれば、加湿の魔法陣も。除湿器と加湿器は、後回しで構いませんよ」
依頼の優先順位の確認と念押しの為に、態々顔を見せたようだ。死相が出ているその顔に免じて、出産前後を除く毎日100枚くらいならと請け負うことにした。隣でアダベルトが不満顔をしているが、その程度なら1時間とかからない。その後、領主館にも寄り、王城ヘと転移した。
程なくして・・・・・・。
「ふぎゃ~!!!」
私は、元気な男の子を産んだ。かわいい狼さんだ。アダベルトの兄弟の中では、2人目の狼族になる。名前は、フィンセント。お義父様に名付け親になってもらった。王太子殿下のお子様と一緒に毎日やってくる。他の孫たちを蔑ろにしているわけではないのだが、やはり、同族はかわいいのかもしれない。・・・・違った。3番目のお義兄様のお子様は、天使族の女の子で、「お祖父ちゃま怖い!」と泣かれてしまうらしい。そのせいで、近寄れず遠くからこっそりと覗いているのだとか。トゥッティーナお義姉様からこっそりと教えてもらった。不憫すぎる。今、王城には、この3人の孫がいる。将来、一緒に遊んだりするのだろうか。
ヴィーグとふたりでやって来たこの世界は、今は、こんなにも賑やかになった。アダベルトを鬱陶しく思ったこともあったけど、今はこの現実を与えてくれて感謝している。アダベルトが半身でよかった。向こうの世界では、きっとこんな幸せは手に入らなかっただろう。そう思うと、ここの神様にも自然と感謝の念が浮かんでくる。
《ちゃんと寿命まで心残りなく生きてくださいね》
うん。それが神様の願いだよね。私も永遠を流離うなんてごめんだ。アダベルトとヴィーグがいてくれるなら、きっと大丈夫。孫に見送られてこの世界を去って行ける。フィンセントとアダベルトが楽しそうに遊ぶ姿を見て、そう確信出来た日だった。
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※他サイトに投稿したものを、改稿しています。
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