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久々のシーアーバンス
南国を満喫して、実に9月振りにシーアーバンスに戻ってきた。
「やっと戻ったか。随分長い出張だったな」
ほっと一息つく間もなく、アダベルトに引き摺られて家に立ち寄ることも出来ずに、ここにいる。シーアーバンスの魔法ギルドだ。
「十分にリフレッシュできたでしょう?クライスター様も捕まりましたし、これで安心ですね?」
「すっかり忘れてた。元はといえば、クライスターが全ての原因だった。ここに帰れなかった理由は、それとは関係ないし」
ジロリと隣に座るアダベルトを睨んだ。帰らなかったんじゃなくて、帰れなかったの。これ、重要。
「だが、クライスター様のような奴がまた現れないとも限らないな。サイカは、あのハルシュバーンの弟子なのだから」
「違うから!弟子じゃないから!」
「そうは言っても、周りはそう認識していますからね。現に、キルギリス公爵家からも目をつけられているじゃありませんか」
「ヴィーグは、そこの次男に目をつけられてるし、引っ越した方がいいのかなぁ」
「ルクセンバルグ王国に行くか?兄上たちの持つ領地に居を構えることも可能だが、父上に言えば、爵位と領地を用意してもらえる。そこなら、比較的自由に暮らせるはずだ」
これだから権力者は!ここには、神様が用意してくれた家もあるし、何よりこの世界に来て初めて暮らした街だから、愛着があるんだよね。それに、知り合いも友人も頼れる人たちもたくさん出来た。旅行とは違う。どんなに楽しい旅行も帰る家があるから楽しめる。
「まあ、待て待て。引っ越しうんぬんは、サイカにしか出来ない依頼を片付けてからにしてくれ。俺としては、サイカにはここに残ってもらいたいが、強制は出来ないからな。2人で話し合ってくれ」
「分かった」
「えっと、馬車の揺れを軽減する魔法陣の登録とテントの改造だっけ。ああ、そうだ。あと、《ホカホカ》の魔法陣と《ヒエヒエ》の魔法陣を登録したい」
「なんですか、それは?」
「これとこれ」
私は、それぞれの魔法陣が仕込んであるコースターと布を幾つか取り出した。
「どっちも、火を灯すくらいの魔力を流すと起動する。使用限界は、5回。使い捨てに近いかな」
「よく考えつきますねぇ」
副ギルド長は、言われたとおりに魔力を流して、感心しきりだ。
「こっちのコースターは、俺も使った。布に同じ魔法陣を施したものも使わせてもらったが、暑いところでは重宝されると思うぞ」
「こちらは、それとは逆の機能ですね?ほんのりと温かい」
「どっちも持続時間は一日」
「これらを馬車の揺れを軽減する魔法陣と合わせて登録すると」
「うん」
「問題ないだろ。3つとも顧客層が異なるからな。この2つは、それぞれの地域で上手く活用すればいいことだ」
ギルド長の一言で、固定魔法陣に登録することが決まった。大量の書類を渡されてウンザリする。
「これらを登録すると、サイカの価値がうなぎ登りになります。ヴィーグ以外の護衛が必要になるでしょう」
「いらない、いらない。ハルシュバーンだって、護衛なんかいなかったよ」
「あのなぁ。ハァ。ハルシュバーンは、魔法騎士としても優秀で、階級はA。そんな奴に絡む馬鹿はなかなかいないさ」
へっ?!そんな設定になってるの?
「サイカに自己防衛能力は皆無ですよね?自分でそう言ってたでしょう。全部、ヴィーグ頼みだと。ひとり暮らしなのも、相手をつけ込ませる要因の1つですよ?」
「俺が一緒に住む。それで解決だ!」
はあ?解決だ!じゃないから。
「一緒になんて住まないから」
「そんな」
アダベルトは、ガーン!とあからさまにショックを受け、しょぼくれた。こちらを縋るような目で見てくる。
「それでは、他の護衛を雇いますか?それとも、キルギリス公爵家から護衛を派遣してもらいますか?今回のことが伝われば、あちらから勝手に護衛を送り込んでくるでしょうが」
固定魔法陣に登録するって、そんなに大事なの?書類も面倒だけど、その後のことも煩わしすぎる。登録、辞めちゃおうかなぁ。
「少なくとも、馬車の揺れを軽減する魔法陣は登録させるからな。それとも、これから大量に来る依頼を全てお前が捌くのか?それこそ、狙われるぞ?」
「うぐぅ」
「いいじゃないですか。どの道、半身は近くにいる方がいろいろと安定するんですから。サイカに半身を判断する能力が備わっていなくても、あなたは、兎の獣人ですからね?半身の存在は必要ですよ」
うん。まあ、私も獣人なんだよね。忘れそうになるけど。大型の獣人ほどではなくても、半身が必要なのは、この数週間で実感してる。アダベルトが近くにいないとソワソワと落ち着かなくなるのだ。『南国に着いて、あれだけ寝こけていたのは、半身と離れた反動だ』と、ヴィーグにも言われている。
「仕方ない。ルトと一緒に住むことにする」
渋々ながら、同居を受け入れた。不貞腐れながら、書類を読む。隣では、嬉しそうに尻尾をパタパタさせながらアダベルトも書類を確認してくれている。だから、そちらに気を取られて聞いていなかった。「なんだよ、愛称を呼ぶ仲なんじゃないかよ」と呆れられていたことに。「半身なんて、そんなもんですよ」と生温~く見守られていたことに。
「うん。これで登録する」
「ヤバそうな項目はなかった」
「では、魔法陣を」
私は、登録するために用意しておいた魔法陣を取り出した。隠蔽、消滅の部分を取り外し、可視化したものだ。
「ほお。これが揺れを軽減する・・・・」
「取付場所は、ギルドの馬車で確認して」
「分かった」
「こちらは、新人たちのいい練習になりそうですね。真夏と真冬に売れそうです」
「登録完了したらすぐに依頼を出すぞ、レンフール」
「ええ。稼ぎ時ですよ。ギルド員にはそれとなく宣伝しましょう、新しい固定魔法陣がこのギルドで登録されると」
やる気に満ちた2人。登録したギルドで、その魔法陣を1年独占できる決まりがある。他の魔法ギルドは、その固定魔法陣の依頼を受けても、その魔法ギルドからはギルド員に依頼を出せない。つまり、登録したギルドに他のギルドから依頼が入るようになる。すると、登録したギルドのギルド員の仕事が増え、ギルドは出来上がったそれを売れば大儲けできるというわけ。魔法陣によっては、それだけにかかりきりになることも珍しくはないらしい。
「ところで、テントの改造は登録しないのか?」
「しない。複雑すぎて、特級の魔法陣描きでも手こずると思うよ」
「残念だ」
せっかくの儲けが、と聞こえた気がする。
「まあまあ、ギルド長のは、副ギルド長と同じ価格で引き受けるから。他は言ったとおり100でお願いね。テントは、ギルド長の手持ちのもの?それとも、こっちで用意する?」
「用意してある」
渡されたのは、ひとり用の真新しいテントだった。
「じゃあ、1週間後にまた来る。そうそう、これ、みんなにお土産ね」
どっさりと買い込んだ北の魚介類やフルーツ、南の魚介類やフルーツ、それに街毎に名産と言われたお菓子をテーブルにのせて、ギルドの執務室を後にした。
「なんだこれは。節操がなさ過ぎるだろう」
「本当にこの期間に北と南に行っていたんですね」
呆れるやら感心するやら。何はともあれ、無事に帰還してくれてほっとした2人だった。
「やっと戻ったか。随分長い出張だったな」
ほっと一息つく間もなく、アダベルトに引き摺られて家に立ち寄ることも出来ずに、ここにいる。シーアーバンスの魔法ギルドだ。
「十分にリフレッシュできたでしょう?クライスター様も捕まりましたし、これで安心ですね?」
「すっかり忘れてた。元はといえば、クライスターが全ての原因だった。ここに帰れなかった理由は、それとは関係ないし」
ジロリと隣に座るアダベルトを睨んだ。帰らなかったんじゃなくて、帰れなかったの。これ、重要。
「だが、クライスター様のような奴がまた現れないとも限らないな。サイカは、あのハルシュバーンの弟子なのだから」
「違うから!弟子じゃないから!」
「そうは言っても、周りはそう認識していますからね。現に、キルギリス公爵家からも目をつけられているじゃありませんか」
「ヴィーグは、そこの次男に目をつけられてるし、引っ越した方がいいのかなぁ」
「ルクセンバルグ王国に行くか?兄上たちの持つ領地に居を構えることも可能だが、父上に言えば、爵位と領地を用意してもらえる。そこなら、比較的自由に暮らせるはずだ」
これだから権力者は!ここには、神様が用意してくれた家もあるし、何よりこの世界に来て初めて暮らした街だから、愛着があるんだよね。それに、知り合いも友人も頼れる人たちもたくさん出来た。旅行とは違う。どんなに楽しい旅行も帰る家があるから楽しめる。
「まあ、待て待て。引っ越しうんぬんは、サイカにしか出来ない依頼を片付けてからにしてくれ。俺としては、サイカにはここに残ってもらいたいが、強制は出来ないからな。2人で話し合ってくれ」
「分かった」
「えっと、馬車の揺れを軽減する魔法陣の登録とテントの改造だっけ。ああ、そうだ。あと、《ホカホカ》の魔法陣と《ヒエヒエ》の魔法陣を登録したい」
「なんですか、それは?」
「これとこれ」
私は、それぞれの魔法陣が仕込んであるコースターと布を幾つか取り出した。
「どっちも、火を灯すくらいの魔力を流すと起動する。使用限界は、5回。使い捨てに近いかな」
「よく考えつきますねぇ」
副ギルド長は、言われたとおりに魔力を流して、感心しきりだ。
「こっちのコースターは、俺も使った。布に同じ魔法陣を施したものも使わせてもらったが、暑いところでは重宝されると思うぞ」
「こちらは、それとは逆の機能ですね?ほんのりと温かい」
「どっちも持続時間は一日」
「これらを馬車の揺れを軽減する魔法陣と合わせて登録すると」
「うん」
「問題ないだろ。3つとも顧客層が異なるからな。この2つは、それぞれの地域で上手く活用すればいいことだ」
ギルド長の一言で、固定魔法陣に登録することが決まった。大量の書類を渡されてウンザリする。
「これらを登録すると、サイカの価値がうなぎ登りになります。ヴィーグ以外の護衛が必要になるでしょう」
「いらない、いらない。ハルシュバーンだって、護衛なんかいなかったよ」
「あのなぁ。ハァ。ハルシュバーンは、魔法騎士としても優秀で、階級はA。そんな奴に絡む馬鹿はなかなかいないさ」
へっ?!そんな設定になってるの?
「サイカに自己防衛能力は皆無ですよね?自分でそう言ってたでしょう。全部、ヴィーグ頼みだと。ひとり暮らしなのも、相手をつけ込ませる要因の1つですよ?」
「俺が一緒に住む。それで解決だ!」
はあ?解決だ!じゃないから。
「一緒になんて住まないから」
「そんな」
アダベルトは、ガーン!とあからさまにショックを受け、しょぼくれた。こちらを縋るような目で見てくる。
「それでは、他の護衛を雇いますか?それとも、キルギリス公爵家から護衛を派遣してもらいますか?今回のことが伝われば、あちらから勝手に護衛を送り込んでくるでしょうが」
固定魔法陣に登録するって、そんなに大事なの?書類も面倒だけど、その後のことも煩わしすぎる。登録、辞めちゃおうかなぁ。
「少なくとも、馬車の揺れを軽減する魔法陣は登録させるからな。それとも、これから大量に来る依頼を全てお前が捌くのか?それこそ、狙われるぞ?」
「うぐぅ」
「いいじゃないですか。どの道、半身は近くにいる方がいろいろと安定するんですから。サイカに半身を判断する能力が備わっていなくても、あなたは、兎の獣人ですからね?半身の存在は必要ですよ」
うん。まあ、私も獣人なんだよね。忘れそうになるけど。大型の獣人ほどではなくても、半身が必要なのは、この数週間で実感してる。アダベルトが近くにいないとソワソワと落ち着かなくなるのだ。『南国に着いて、あれだけ寝こけていたのは、半身と離れた反動だ』と、ヴィーグにも言われている。
「仕方ない。ルトと一緒に住むことにする」
渋々ながら、同居を受け入れた。不貞腐れながら、書類を読む。隣では、嬉しそうに尻尾をパタパタさせながらアダベルトも書類を確認してくれている。だから、そちらに気を取られて聞いていなかった。「なんだよ、愛称を呼ぶ仲なんじゃないかよ」と呆れられていたことに。「半身なんて、そんなもんですよ」と生温~く見守られていたことに。
「うん。これで登録する」
「ヤバそうな項目はなかった」
「では、魔法陣を」
私は、登録するために用意しておいた魔法陣を取り出した。隠蔽、消滅の部分を取り外し、可視化したものだ。
「ほお。これが揺れを軽減する・・・・」
「取付場所は、ギルドの馬車で確認して」
「分かった」
「こちらは、新人たちのいい練習になりそうですね。真夏と真冬に売れそうです」
「登録完了したらすぐに依頼を出すぞ、レンフール」
「ええ。稼ぎ時ですよ。ギルド員にはそれとなく宣伝しましょう、新しい固定魔法陣がこのギルドで登録されると」
やる気に満ちた2人。登録したギルドで、その魔法陣を1年独占できる決まりがある。他の魔法ギルドは、その固定魔法陣の依頼を受けても、その魔法ギルドからはギルド員に依頼を出せない。つまり、登録したギルドに他のギルドから依頼が入るようになる。すると、登録したギルドのギルド員の仕事が増え、ギルドは出来上がったそれを売れば大儲けできるというわけ。魔法陣によっては、それだけにかかりきりになることも珍しくはないらしい。
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「じゃあ、1週間後にまた来る。そうそう、これ、みんなにお土産ね」
どっさりと買い込んだ北の魚介類やフルーツ、南の魚介類やフルーツ、それに街毎に名産と言われたお菓子をテーブルにのせて、ギルドの執務室を後にした。
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*カクヨムにて先に連載しているものを加筆・修正をおこなって掲載しております