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暗い浴室
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先に身体を洗って、浴槽に入った。
全身が温かなお湯に包まれて、ホッと安心した。
いつもアパートに付いている今にも壊れそうな樽風呂で入っていた。
足をこんなに伸ばした事はなかったな。
ボーッと天井を見つめながら考える。
大浴場の外にはアルフリードがいる。
こんなに近くにいるなんて昨日は考えてもいなかった。
「有流くん…俺はずっと…ずっと…有流くんの事が…」
本人には絶対に言えない言葉、今なら言える。
これで最後にする、恋を終わりにするから…今だけは想いを口にしたかった。
髪から滴る水がポチャンと音を立てて落ちる。
ふと、影が目の前に広がっていき前を見た。
綺麗な真っ白だった壁は真っ黒に変わり、透き通っていたお湯は真っ黒な泥のようになっていた。
明らかな異変に早く起きようと思ったら、足首を誰かが掴む感触がした。
その瞬間、お湯の中に引きずり込むように引っ張られた。
息が出来なくてもがくが、ドロドロしたお湯は俺が上がるのを許してはくれない。
苦しい、痛い…誰か助けて…
身体が沈んでいく、俺をどんどん奈落の底に引きずっているようだ。
もう手しか出てはいないが、それももうすぐ引きずられて見えなくなる。
真っ暗の中、俺をジッと見つめる瞳が見えた。
冷たく突き刺さるような無機質の瞳は俺に敵意と殺意を向けていた。
足首を掴む手は、ゆっくりと足を開かされた。
なんだ、くすぐったいけど何をしているのかさっぱり分からない。
俺の手は誰かに握られて引っ張られた。
水面から顔を出して、身体が楽になる。
「カインス大丈夫か!?」
「…あ、アルフリード様」
俺の腕を掴んでいるアルフリードは慌てた様子だった。
有流くんのこの顔、初めて見た。
お湯を見ると、元の透き通ったお湯に戻っていた。
あれは何だったんだろう…それにあの目は誰だったんだ。
すぐにアルフリードに手を離されて、事情を聞かれた。
アルフリードは何者かの気配を感じて様子を見にきたそうだ。
俺は分かる限りの事を伝えた。
詳しくは突然で俺にもよく分からない。
「目と黒い泥…」
「俺、もう出ます」
「それがいい」
ゆっくりくつろぐ気にはなれず、アルフリードは俺に背を向けて浴室から出て行った。
男同士だし、そんなに気にしなくていいと思ったが、痣だらけの身体を見たらそうなるかと納得した。
脱衣所で服を来て、アルフリードと一緒に部屋に向かった。
大浴場を調べるために俺を送ってから、部屋を出て行った。
ソファーに座って布で拭いて髪を乾かしていると、足首に視線を向けた。
アルフリードにはこれ以上心配掛けないように言ったが、俺の足首にはくっきりと手の跡が残っていた。
魔物?でもアルフリードがいる兵舎の中に魔物が入れるとは思えない。
もしかして幽霊なのかもしれない。
自分で考えて背筋が冷たくなり、布を畳んでサイドテーブルに置いてベッドに潜り込んだ。
風が叩く音でもビクッと反応して目蓋を硬く閉じた。
幽霊なんているわけない、いそうな下層部に住んで今まで見た事がないんだからいない。
そう思っても、さっき見たと思ってしまったらそれはいる事になる。
実際に見たら、今まで信じていなかった事が崩れていった。
考えて考えて、考え疲れていつの間にか眠っていた。
全身が温かなお湯に包まれて、ホッと安心した。
いつもアパートに付いている今にも壊れそうな樽風呂で入っていた。
足をこんなに伸ばした事はなかったな。
ボーッと天井を見つめながら考える。
大浴場の外にはアルフリードがいる。
こんなに近くにいるなんて昨日は考えてもいなかった。
「有流くん…俺はずっと…ずっと…有流くんの事が…」
本人には絶対に言えない言葉、今なら言える。
これで最後にする、恋を終わりにするから…今だけは想いを口にしたかった。
髪から滴る水がポチャンと音を立てて落ちる。
ふと、影が目の前に広がっていき前を見た。
綺麗な真っ白だった壁は真っ黒に変わり、透き通っていたお湯は真っ黒な泥のようになっていた。
明らかな異変に早く起きようと思ったら、足首を誰かが掴む感触がした。
その瞬間、お湯の中に引きずり込むように引っ張られた。
息が出来なくてもがくが、ドロドロしたお湯は俺が上がるのを許してはくれない。
苦しい、痛い…誰か助けて…
身体が沈んでいく、俺をどんどん奈落の底に引きずっているようだ。
もう手しか出てはいないが、それももうすぐ引きずられて見えなくなる。
真っ暗の中、俺をジッと見つめる瞳が見えた。
冷たく突き刺さるような無機質の瞳は俺に敵意と殺意を向けていた。
足首を掴む手は、ゆっくりと足を開かされた。
なんだ、くすぐったいけど何をしているのかさっぱり分からない。
俺の手は誰かに握られて引っ張られた。
水面から顔を出して、身体が楽になる。
「カインス大丈夫か!?」
「…あ、アルフリード様」
俺の腕を掴んでいるアルフリードは慌てた様子だった。
有流くんのこの顔、初めて見た。
お湯を見ると、元の透き通ったお湯に戻っていた。
あれは何だったんだろう…それにあの目は誰だったんだ。
すぐにアルフリードに手を離されて、事情を聞かれた。
アルフリードは何者かの気配を感じて様子を見にきたそうだ。
俺は分かる限りの事を伝えた。
詳しくは突然で俺にもよく分からない。
「目と黒い泥…」
「俺、もう出ます」
「それがいい」
ゆっくりくつろぐ気にはなれず、アルフリードは俺に背を向けて浴室から出て行った。
男同士だし、そんなに気にしなくていいと思ったが、痣だらけの身体を見たらそうなるかと納得した。
脱衣所で服を来て、アルフリードと一緒に部屋に向かった。
大浴場を調べるために俺を送ってから、部屋を出て行った。
ソファーに座って布で拭いて髪を乾かしていると、足首に視線を向けた。
アルフリードにはこれ以上心配掛けないように言ったが、俺の足首にはくっきりと手の跡が残っていた。
魔物?でもアルフリードがいる兵舎の中に魔物が入れるとは思えない。
もしかして幽霊なのかもしれない。
自分で考えて背筋が冷たくなり、布を畳んでサイドテーブルに置いてベッドに潜り込んだ。
風が叩く音でもビクッと反応して目蓋を硬く閉じた。
幽霊なんているわけない、いそうな下層部に住んで今まで見た事がないんだからいない。
そう思っても、さっき見たと思ってしまったらそれはいる事になる。
実際に見たら、今まで信じていなかった事が崩れていった。
考えて考えて、考え疲れていつの間にか眠っていた。
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