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・アルフリード視点6・
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「これで結界石が壊れるのは何度目なんでしょうね」
「……」
結界石を置いていた限られた者しか出入りを許されない城の奥深くの保管場所には、粉々に砕かれた結界石が置かれていた。
国を守る結界の中心部、厳重にしていたはずだった。
これがないと、国の外にいる魔物がやって来てどうなるか想像出来る。
いつものように一匹一匹を相手にするわけではない、国民が同時に襲われた時全員を助けるのは現実的ではない。
そんな悲劇は起きないように魔力で新しい結界石を生み出した。
これで今から入ってくる魔物はいないはずだ。
直すまでの間で入ってきた魔物と戦おうと保管場所に背を向けて歩き出した。
後ろからフレデリックが考え事をしながら歩いている。
「誰が犯人なんでしょうか、見た目はただの石だけどアルフリード様の力なのに簡単に壊れるものなんでしょうか」
「どうやったのか知らないが、誰かがここに良くない者を招いた事は分かる」
「仲間は信じたいけど、潔白を証明するなら騎士一人一人に聞いて無実を証明してもらいます!」
自信満々な顔で俺を見つめるフレデリックには何も言っていない。
…お前も、俺も…全て疑わなくてはいけない。
俺は当然やってはいないが、部下ばかりにやらせるわけにはいかない。
結界石を壊す重罪犯だ、誰であろうが許すわけにはいかない。
事情聴取をするんだと、城の前で手を振って行ってしまった。
フレデリックの事情聴取でどのくらいの人が真実を話すか分からないが、別の方法も考えよう。
国の結界を何度も破壊するのを手伝ったか破壊したんだ。
普通に犯罪で死刑は免れない、自分がやりましたなんて言わない。
嘘を付けないほどの証拠が必要だ。
とりあえず今は魔物の気配を探って、倒す事だけを考えよう。
街を歩くとすれ違う人達に挨拶されて、軽く流していた。
仕事中に長話をされるのは困る、一刻も早く魔物をどうにかしないといけないからな。
そう思って歩いていて、ある場所で足を止めた。
卒業してから滅多に行く事がない学校、下校中なのか生徒達が多い。
その中で、俺はこの世で一番愛しい少年を見つけた。
ペンダントのおかげで怪我をする事がなくなって良かった。
笑顔が増えるのは俺も嬉しい、ユートには笑っていてほしいからだ。
それなのに、心がザワザワとする。
俺が望んだ笑顔なのに、それは俺に向けられていない。
誰だ?ユートの友人?学校に通っていれば学友ぐらい出来る。
常に一緒にいるわけではないんだ、俺の知らないユートがいても当然だ。
……俺の、知らない…ユート?
ユートは友人に手を振って歩き出そうとしていた。
すると突然友人はユートの襟に触れていた。
びっくりしたのか、振り返ると葉っぱが付いていたのか見せていた。
照れながらもお礼を言って、今度こそ歩いて行った。
あの時、今すぐにでもユートのところに言って触れるのを止めたかった。
けど、魔物が近くを通る気配に邪魔されて一歩踏み出さなかった。
「…仕事、しないと」
ユートと一緒に帰っていたら、仕事どころではなかった。
でも、一人で帰っているなら早く仕事を終わらせて俺も帰ろう。
魔物の気配がするところに向かって走った。
下層部の地面を這いずり回っている魔物を燃やした。
普段なら灰になって終わるが、今日は火力が強すぎて灰すらならない。
魔力が溢れてくる、それも吐き気と頭痛がする嫌な気分だ。
どんなに小さな魔物でも逃さない、追いかけて消して握りつぶして壊して壊して壊す。
頬に冷たい雫が当たり、見上げると雨が降ってきた。
それはすぐに大きなものになり、俺の全身を濡らした。
魔物であったなにかを離すと跡形もなく消えていった。
夢中で魔物を狩っていたから魔物の気配がなくなった事に気付かなかった。
どうして、俺はユートの傍にずっといられないんだろう。
ユートが俺以外と仲良くする事はいい事なのに、俺以外と仲良くしてほしくないと思う俺もいる。
解決する方法は前世の時のように学校に通えれば良かった。
そうすれば、もっと早くユートを見つけられたのに…
前世の頃は同じ家に住んでいないから、寂しい夜を過ごしていた。
ユートと住めたらどんなに幸せなんだろうかと考えていた。
あの時はお互い学生で、簡単に実行する事が出来なかった。
でも今はユートを養う財力も地位もある、ユートと一緒に寝る事が出来る。
まさか今度は学校に通えない問題になるとは思わなかった。
どうしたらもっとユートに好きになってもらえるんだろうか。
俺だけに笑ってほしい、声を聞くのも俺だけでいい。
誰もユートを見るな触れるな、ユートは俺のものだ。
雨が強くなり下層部を出て、周りの人達の声が何も聞こえなくなる。
何処に向かっているのか分からないが、歩いて歩いて歩き続けた。
俺の感情はなにかを考える雑音を全て消した。
真っ暗で雨のせいもあり視界がよく見えない。
でもそれでいい、元々俺の目には何も映らない。
暗闇の中で生まれて、今もまだ暗闇を歩き続ける竜だ。
今の人間の姿だから周りは憧れの眼差しを向ける。
それが魔物とそう変わらない容姿の竜だったらどうだ?
憧れの眼差しが一気に憎悪と嫌悪と恐怖に変わる。
そんな俺をもっと好きになってほしいと考えるのはおこがましいか。
人間の時の顔ぐらいしか同じではない、それは所詮表だけだ。
前世とは違う、また好きになってくれただけでありがたいのに…
「アルくん?…どうしたの!?風邪引いちゃうよ!」
「…ユート」
いつの間にか家の前まで来ていたみたいで、無音で暗闇が続いていた俺の視界がそこだけ明るくなった。
ユートは慌てて俺のところに走ってきた。
腕に触れられて、冷えていた身体はそこからだんだん温かくなる。
普通の魔法じゃない、ユートの優しさが俺を満たしてくれる。
ユートだけは濡れないようにマントで屋根のように雨避けしても、マントも濡れているからあまり意味がない。
早く家に入ろうとユートと手を握って、俺とユートの家に入った。
ユートは俺の身体を拭くものを持ってくると言って、行こうとした。
きっと自分の部屋か何処かから持ってくるだけなのは分かっている。
分かっているが、今の俺にはそれだけでも耐えられなかった。
後ろからユートを抱きしめて、離さなかった。
この温もりがなくなるのはどうしても嫌だった。
「アルくん、身体拭くもの持ってこないと…」
「それでも、離れたくない」
「……」
結界石を置いていた限られた者しか出入りを許されない城の奥深くの保管場所には、粉々に砕かれた結界石が置かれていた。
国を守る結界の中心部、厳重にしていたはずだった。
これがないと、国の外にいる魔物がやって来てどうなるか想像出来る。
いつものように一匹一匹を相手にするわけではない、国民が同時に襲われた時全員を助けるのは現実的ではない。
そんな悲劇は起きないように魔力で新しい結界石を生み出した。
これで今から入ってくる魔物はいないはずだ。
直すまでの間で入ってきた魔物と戦おうと保管場所に背を向けて歩き出した。
後ろからフレデリックが考え事をしながら歩いている。
「誰が犯人なんでしょうか、見た目はただの石だけどアルフリード様の力なのに簡単に壊れるものなんでしょうか」
「どうやったのか知らないが、誰かがここに良くない者を招いた事は分かる」
「仲間は信じたいけど、潔白を証明するなら騎士一人一人に聞いて無実を証明してもらいます!」
自信満々な顔で俺を見つめるフレデリックには何も言っていない。
…お前も、俺も…全て疑わなくてはいけない。
俺は当然やってはいないが、部下ばかりにやらせるわけにはいかない。
結界石を壊す重罪犯だ、誰であろうが許すわけにはいかない。
事情聴取をするんだと、城の前で手を振って行ってしまった。
フレデリックの事情聴取でどのくらいの人が真実を話すか分からないが、別の方法も考えよう。
国の結界を何度も破壊するのを手伝ったか破壊したんだ。
普通に犯罪で死刑は免れない、自分がやりましたなんて言わない。
嘘を付けないほどの証拠が必要だ。
とりあえず今は魔物の気配を探って、倒す事だけを考えよう。
街を歩くとすれ違う人達に挨拶されて、軽く流していた。
仕事中に長話をされるのは困る、一刻も早く魔物をどうにかしないといけないからな。
そう思って歩いていて、ある場所で足を止めた。
卒業してから滅多に行く事がない学校、下校中なのか生徒達が多い。
その中で、俺はこの世で一番愛しい少年を見つけた。
ペンダントのおかげで怪我をする事がなくなって良かった。
笑顔が増えるのは俺も嬉しい、ユートには笑っていてほしいからだ。
それなのに、心がザワザワとする。
俺が望んだ笑顔なのに、それは俺に向けられていない。
誰だ?ユートの友人?学校に通っていれば学友ぐらい出来る。
常に一緒にいるわけではないんだ、俺の知らないユートがいても当然だ。
……俺の、知らない…ユート?
ユートは友人に手を振って歩き出そうとしていた。
すると突然友人はユートの襟に触れていた。
びっくりしたのか、振り返ると葉っぱが付いていたのか見せていた。
照れながらもお礼を言って、今度こそ歩いて行った。
あの時、今すぐにでもユートのところに言って触れるのを止めたかった。
けど、魔物が近くを通る気配に邪魔されて一歩踏み出さなかった。
「…仕事、しないと」
ユートと一緒に帰っていたら、仕事どころではなかった。
でも、一人で帰っているなら早く仕事を終わらせて俺も帰ろう。
魔物の気配がするところに向かって走った。
下層部の地面を這いずり回っている魔物を燃やした。
普段なら灰になって終わるが、今日は火力が強すぎて灰すらならない。
魔力が溢れてくる、それも吐き気と頭痛がする嫌な気分だ。
どんなに小さな魔物でも逃さない、追いかけて消して握りつぶして壊して壊して壊す。
頬に冷たい雫が当たり、見上げると雨が降ってきた。
それはすぐに大きなものになり、俺の全身を濡らした。
魔物であったなにかを離すと跡形もなく消えていった。
夢中で魔物を狩っていたから魔物の気配がなくなった事に気付かなかった。
どうして、俺はユートの傍にずっといられないんだろう。
ユートが俺以外と仲良くする事はいい事なのに、俺以外と仲良くしてほしくないと思う俺もいる。
解決する方法は前世の時のように学校に通えれば良かった。
そうすれば、もっと早くユートを見つけられたのに…
前世の頃は同じ家に住んでいないから、寂しい夜を過ごしていた。
ユートと住めたらどんなに幸せなんだろうかと考えていた。
あの時はお互い学生で、簡単に実行する事が出来なかった。
でも今はユートを養う財力も地位もある、ユートと一緒に寝る事が出来る。
まさか今度は学校に通えない問題になるとは思わなかった。
どうしたらもっとユートに好きになってもらえるんだろうか。
俺だけに笑ってほしい、声を聞くのも俺だけでいい。
誰もユートを見るな触れるな、ユートは俺のものだ。
雨が強くなり下層部を出て、周りの人達の声が何も聞こえなくなる。
何処に向かっているのか分からないが、歩いて歩いて歩き続けた。
俺の感情はなにかを考える雑音を全て消した。
真っ暗で雨のせいもあり視界がよく見えない。
でもそれでいい、元々俺の目には何も映らない。
暗闇の中で生まれて、今もまだ暗闇を歩き続ける竜だ。
今の人間の姿だから周りは憧れの眼差しを向ける。
それが魔物とそう変わらない容姿の竜だったらどうだ?
憧れの眼差しが一気に憎悪と嫌悪と恐怖に変わる。
そんな俺をもっと好きになってほしいと考えるのはおこがましいか。
人間の時の顔ぐらいしか同じではない、それは所詮表だけだ。
前世とは違う、また好きになってくれただけでありがたいのに…
「アルくん?…どうしたの!?風邪引いちゃうよ!」
「…ユート」
いつの間にか家の前まで来ていたみたいで、無音で暗闇が続いていた俺の視界がそこだけ明るくなった。
ユートは慌てて俺のところに走ってきた。
腕に触れられて、冷えていた身体はそこからだんだん温かくなる。
普通の魔法じゃない、ユートの優しさが俺を満たしてくれる。
ユートだけは濡れないようにマントで屋根のように雨避けしても、マントも濡れているからあまり意味がない。
早く家に入ろうとユートと手を握って、俺とユートの家に入った。
ユートは俺の身体を拭くものを持ってくると言って、行こうとした。
きっと自分の部屋か何処かから持ってくるだけなのは分かっている。
分かっているが、今の俺にはそれだけでも耐えられなかった。
後ろからユートを抱きしめて、離さなかった。
この温もりがなくなるのはどうしても嫌だった。
「アルくん、身体拭くもの持ってこないと…」
「それでも、離れたくない」
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