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新しい仕事
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翌日、アルくんから着てほしいという服を渡された。
よく分からないまま、着替えてみるとそれは馴染みがない服だった。
ちゃんとこれで合っているのか、姿見の鏡を見ながら着替えていく。
エプロンばかりだったからかな、でもこの服…
着替えを終えて、アルくんの前に出た。
普段とは違う服だからちょっと恥ずかしいな。
執事のような燕尾服を着た自分が鏡に映っていた。
可笑しなところがないか確認してから、アルくんの前に出た。
アルくんは優しく微笑み「似合ってる」と言ってくれた。
少しだけ大人に近付いたようで嬉しかった。
「学校には俺が連絡しておいた」
「ありがとう、でもなんでこの服」
「来てほしいところがあるんだ」
アルくんは俺の手に触れて、突然指輪を薬指に嵌められた。
まるで結婚式のようで顔を真っ赤にしながら、指輪を見つめる。
ペンダントに似ていて、金色で真ん中に小さな赤い宝石が埋め込まれていた。
アルくんは「ペンダントを加工してより強力なものを作った」と言っていた。
今度は助かるためでも絶対に投げたりしないと心に誓った。
アルくんと一緒に街を歩くと不思議な気持ちだった。
普段の俺達は他人のフリをしていて、こうして歩く事は一生ないと思っていた。
それはアルくんの立場から仕方ないんだと自分に言い聞かせていた。
アルくんが歩くと、周りにいる人達が振り向いて声を掛ける。
俺の事は見えていないかのように眼中になさそうだ。
でも、アルくんが慕われているところを見るのは嬉しい。
俺だけではなく、皆に良さを分かってほしい。
惚れられるのは複雑な気持ちになる。
乙女ゲームのキャラクターにこんな事を言うのは変だけど…
城に近付くとアルくんの名前を大声で叫びながら走ってくる人がいた。
あの人って攻略キャラクターだよね。
アルくん以外の攻略キャラクターに初めて会った。
「アルフリード様!」
「うるさい、聞こえてる」
「昨日は急に抜け出して大変だったんですよ!」
ふわふわの金髪にピアスを付けた見た目も中身もチャラい騎士副団長のフレデリック。
女の子を見たら必ずナンパをしないといけないのかと思うほどに女好き。
本人は中性的な容姿で、黙っていても女の子が近付いてくる。
俺がフレデリックに抱いているイメージだった。
でもこの世界のフレデリックはアルくんを慕っているように見えた。
ゲームでは仕事の話以外アルフリードと関わらなかった男嫌いなのに…
ため息を吐いたフレデリックはアルくんの近くにいる見慣れない俺を見つけた。
疑うような顔で俺をジッと見つめていた。
鼻がくっつきそうなぐらい見るから俺の顔が引き攣る。
一歩一歩後ろに下がっているのに、フレデリックがその分近付いてくる。
「あ、の…?」
「なんか見た事あるような…何処だっうぶっ!!」
悩んだフレデリックの顔面にアルくんが手で押して無理矢理引き剥がした。
フレデリックは顔を押さえられて気付いていないようだけど、眉を寄せてかなり怒っていた。
「大丈夫だ」と言葉の代わりに空いている方の手をギュッと握った。
握り返してくれて、手はすぐに離れてしまったが温もりは残っている。
アルくんはフレデリックの方を見て「今日から雇った騎士団長専属の執事だ」と言った。
呆然と口を開くフレデリックと、目を丸くしながらアルくんを見つめる俺。
執事みたいな服だと思ったけど、本当に執事なのか!?
今すぐ聞きたいが、ここはアルくんに合わせよう。
「よ、よろしくお願いします」
「え…マジですか?」
「ずっと専属の世話係を付けろと言っていただろ」
「…そりゃあ、そうですけど」
「男なら誰も文句は言えない」
「今までずっといらないって言い続けていたのに…しかも、身分も分からない者をアルフリード様の傍に置くわけには」
フレデリックはアルくんと俺を交互に見てそう言った。
小さな声で「釣り合ってないし…どうせならもっと高貴な身分の方の方が…」と言っていた。
アルくんの顔がまた怖くなり、俺はどうしたらフレデリックが認めてくれるのか考えた。
身分を言ったら確実に反対されるに決まっている。
貴族どころか俺は下層部の人間だから…
下を向いて何も言えなくなってしまったら、アルくんがフレデリックに一枚の手紙を見せた。
疑ったまま手紙を開けて読むと、びっくりして声を上げていた。
俺と手紙を二度見していて、次の瞬間綺麗に背筋を伸ばした。
「失礼いたしました!」
「…え?」
「これからアルフリード様をどうかよろしくお願いします!」
深々と頭を下げられて、俺もつられて頭を下げた。
アルくんに背中を押されて、一緒に城に向かって歩いて行った。
手紙一枚であんなに態度が変わるなんて、なんて書いてあったんだろう。
アルくんに聞くと「隣国の公爵家の長男で俺の幼馴染みと書いた」と言っていた。
実際は適当な名前を作っただけで、フレデリックは何も考えずに信じ込んだそうだ。
相手がアルくんだから絶対的な信頼を寄せて、疑わないんだろうな。
よく分からないまま、着替えてみるとそれは馴染みがない服だった。
ちゃんとこれで合っているのか、姿見の鏡を見ながら着替えていく。
エプロンばかりだったからかな、でもこの服…
着替えを終えて、アルくんの前に出た。
普段とは違う服だからちょっと恥ずかしいな。
執事のような燕尾服を着た自分が鏡に映っていた。
可笑しなところがないか確認してから、アルくんの前に出た。
アルくんは優しく微笑み「似合ってる」と言ってくれた。
少しだけ大人に近付いたようで嬉しかった。
「学校には俺が連絡しておいた」
「ありがとう、でもなんでこの服」
「来てほしいところがあるんだ」
アルくんは俺の手に触れて、突然指輪を薬指に嵌められた。
まるで結婚式のようで顔を真っ赤にしながら、指輪を見つめる。
ペンダントに似ていて、金色で真ん中に小さな赤い宝石が埋め込まれていた。
アルくんは「ペンダントを加工してより強力なものを作った」と言っていた。
今度は助かるためでも絶対に投げたりしないと心に誓った。
アルくんと一緒に街を歩くと不思議な気持ちだった。
普段の俺達は他人のフリをしていて、こうして歩く事は一生ないと思っていた。
それはアルくんの立場から仕方ないんだと自分に言い聞かせていた。
アルくんが歩くと、周りにいる人達が振り向いて声を掛ける。
俺の事は見えていないかのように眼中になさそうだ。
でも、アルくんが慕われているところを見るのは嬉しい。
俺だけではなく、皆に良さを分かってほしい。
惚れられるのは複雑な気持ちになる。
乙女ゲームのキャラクターにこんな事を言うのは変だけど…
城に近付くとアルくんの名前を大声で叫びながら走ってくる人がいた。
あの人って攻略キャラクターだよね。
アルくん以外の攻略キャラクターに初めて会った。
「アルフリード様!」
「うるさい、聞こえてる」
「昨日は急に抜け出して大変だったんですよ!」
ふわふわの金髪にピアスを付けた見た目も中身もチャラい騎士副団長のフレデリック。
女の子を見たら必ずナンパをしないといけないのかと思うほどに女好き。
本人は中性的な容姿で、黙っていても女の子が近付いてくる。
俺がフレデリックに抱いているイメージだった。
でもこの世界のフレデリックはアルくんを慕っているように見えた。
ゲームでは仕事の話以外アルフリードと関わらなかった男嫌いなのに…
ため息を吐いたフレデリックはアルくんの近くにいる見慣れない俺を見つけた。
疑うような顔で俺をジッと見つめていた。
鼻がくっつきそうなぐらい見るから俺の顔が引き攣る。
一歩一歩後ろに下がっているのに、フレデリックがその分近付いてくる。
「あ、の…?」
「なんか見た事あるような…何処だっうぶっ!!」
悩んだフレデリックの顔面にアルくんが手で押して無理矢理引き剥がした。
フレデリックは顔を押さえられて気付いていないようだけど、眉を寄せてかなり怒っていた。
「大丈夫だ」と言葉の代わりに空いている方の手をギュッと握った。
握り返してくれて、手はすぐに離れてしまったが温もりは残っている。
アルくんはフレデリックの方を見て「今日から雇った騎士団長専属の執事だ」と言った。
呆然と口を開くフレデリックと、目を丸くしながらアルくんを見つめる俺。
執事みたいな服だと思ったけど、本当に執事なのか!?
今すぐ聞きたいが、ここはアルくんに合わせよう。
「よ、よろしくお願いします」
「え…マジですか?」
「ずっと専属の世話係を付けろと言っていただろ」
「…そりゃあ、そうですけど」
「男なら誰も文句は言えない」
「今までずっといらないって言い続けていたのに…しかも、身分も分からない者をアルフリード様の傍に置くわけには」
フレデリックはアルくんと俺を交互に見てそう言った。
小さな声で「釣り合ってないし…どうせならもっと高貴な身分の方の方が…」と言っていた。
アルくんの顔がまた怖くなり、俺はどうしたらフレデリックが認めてくれるのか考えた。
身分を言ったら確実に反対されるに決まっている。
貴族どころか俺は下層部の人間だから…
下を向いて何も言えなくなってしまったら、アルくんがフレデリックに一枚の手紙を見せた。
疑ったまま手紙を開けて読むと、びっくりして声を上げていた。
俺と手紙を二度見していて、次の瞬間綺麗に背筋を伸ばした。
「失礼いたしました!」
「…え?」
「これからアルフリード様をどうかよろしくお願いします!」
深々と頭を下げられて、俺もつられて頭を下げた。
アルくんに背中を押されて、一緒に城に向かって歩いて行った。
手紙一枚であんなに態度が変わるなんて、なんて書いてあったんだろう。
アルくんに聞くと「隣国の公爵家の長男で俺の幼馴染みと書いた」と言っていた。
実際は適当な名前を作っただけで、フレデリックは何も考えずに信じ込んだそうだ。
相手がアルくんだから絶対的な信頼を寄せて、疑わないんだろうな。
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