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治療
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いつの間にか兵舎に到着したようで、降ろしてはくれそうになくて後ろを振り返る。
そこにあったのは、俺が知っている兵舎ではなかった。
ゲームでも見た事がない屋敷で、自分の家のように入っていく。
ここはアルフリードの家?ゲームでは兵舎しか出てこなかったから、本当の家があるとは思わなかった。
いくら竜でも、実家くらいあるのは当然か。
家の中は綺麗だけど、花瓶一つとしてなく生活感がない。
まるで買ったばかりの家のようにどこもかしこも新品のようだ。
下ろしてくれるまでジッとしていると、部屋の一室に入った。
俺が下ろされた場所は予想もしていなかったベッドの上だった。
「アルフリード様…?」
「まずは服を脱いでくれ」
「服!?」
なにが何だか分からずに頭が混乱して目を丸くした。
服、服って俺の服?なんでどうして、アルフリードは何をしようとしているんだ?
上着とネクタイを外して、シャツの姿になるアルフリードを見つめる事しか出来ない。
俺の方を向いて気付いたのか「傷の手当てをするだけだ」と言っていた。
あ、あー…そうだよね、傷の手当て…当たり前だよね。
恋人同士は過去の事、俺はいったい何を想像しているのか。
アルフリードも俺の考えが分かったら気持ち悪いよな。
でも、身体の怪我はアルフリードには関係ない。
放っておけば自然に治る、わざわざ魔法で治してもらうものではない。
顔の傷は誤魔化せないが、身体の怪我は服を着ているから分からない。
「もう治ったので大丈夫ですよ」
「本当に?」
「はい!顔の傷も転んだものなので放っておけば治ります!」
さっきより、今度は自分を隠して綺麗に笑えたと思う。
アルフリードに見つめられるのはまだ慣れないけど大丈夫だ。
今日で新しい痣が出来ているかもしれないが、そんなものを見られたら余計な心配を掛けてしまう。
俺はカインス、アルフリードに一度助けられただけの庶民がここまでしてもらうわけにはいかない。
アルフリードがベッドに座り、二人分の重みで少しだけ沈んだ。
隣に座っている俺の肩に触れて昨日の事を思い出してびっくりした。
昨日は俺に治療させるように、嘘を付いた俺にわざと痛みを与えていた。
今日新しい傷を肩に付けられたから、肩の傷は治っているわけではない。
でも今は、優しく触れていて昨日の痛みが感じない。
「優斗」
「俺はカインスです、優斗という人は知りません」
「じゃあユートと呼ぼう」
アルフリードの口からその名前が出てくるとは驚いた。
俺の名前は家族しか呼ばないし、家族とは上層部で一度も会った事がない。
下層部にもしアルフリードが来ていたとしても、俺は昨日今日で下層部に帰っていない。
昨日俺の顔を初めて見たようなリアクションだったから、アルフリードが俺の名前を知るはずはない。
俺の名前を何処で知ったんだろう、大家でさえファーストネームを書かなくて良いと言われたから契約したから知らないはずだ。
何処で知ったんだろう、でもそれで納得した…俺を結びつけた理由。
名前を知ってるならカインスなんて誤魔化しが出来ないじゃないか。
「ユート、身体の傷を治したい…見せてくれ」
「本当に大丈夫ですから」
「痛い事はしたくない、優しくしたいんだ」
甘く心を乱す声でそんな事を言われたら変な誤解を生んでしまう。
有流くんは優しいだけだ、俺だけが特別なんかじゃない。
「身体の怪我の事、何も聞かないで下さい」
「分かった」
「でも、俺はもう関わりがないから治さなくても」
「大丈夫、俺がここにいる」
手の震えを包み込むようにアルフリードの手で包まれた。
俺の事をよく知っているからこそ、俺もアルフリードをよく知っている。
俺のために、俺が遠慮をしても強引に引っ張ってくれていた。
わがままを言えない俺は何度も助けられた。
そこにあったのは、俺が知っている兵舎ではなかった。
ゲームでも見た事がない屋敷で、自分の家のように入っていく。
ここはアルフリードの家?ゲームでは兵舎しか出てこなかったから、本当の家があるとは思わなかった。
いくら竜でも、実家くらいあるのは当然か。
家の中は綺麗だけど、花瓶一つとしてなく生活感がない。
まるで買ったばかりの家のようにどこもかしこも新品のようだ。
下ろしてくれるまでジッとしていると、部屋の一室に入った。
俺が下ろされた場所は予想もしていなかったベッドの上だった。
「アルフリード様…?」
「まずは服を脱いでくれ」
「服!?」
なにが何だか分からずに頭が混乱して目を丸くした。
服、服って俺の服?なんでどうして、アルフリードは何をしようとしているんだ?
上着とネクタイを外して、シャツの姿になるアルフリードを見つめる事しか出来ない。
俺の方を向いて気付いたのか「傷の手当てをするだけだ」と言っていた。
あ、あー…そうだよね、傷の手当て…当たり前だよね。
恋人同士は過去の事、俺はいったい何を想像しているのか。
アルフリードも俺の考えが分かったら気持ち悪いよな。
でも、身体の怪我はアルフリードには関係ない。
放っておけば自然に治る、わざわざ魔法で治してもらうものではない。
顔の傷は誤魔化せないが、身体の怪我は服を着ているから分からない。
「もう治ったので大丈夫ですよ」
「本当に?」
「はい!顔の傷も転んだものなので放っておけば治ります!」
さっきより、今度は自分を隠して綺麗に笑えたと思う。
アルフリードに見つめられるのはまだ慣れないけど大丈夫だ。
今日で新しい痣が出来ているかもしれないが、そんなものを見られたら余計な心配を掛けてしまう。
俺はカインス、アルフリードに一度助けられただけの庶民がここまでしてもらうわけにはいかない。
アルフリードがベッドに座り、二人分の重みで少しだけ沈んだ。
隣に座っている俺の肩に触れて昨日の事を思い出してびっくりした。
昨日は俺に治療させるように、嘘を付いた俺にわざと痛みを与えていた。
今日新しい傷を肩に付けられたから、肩の傷は治っているわけではない。
でも今は、優しく触れていて昨日の痛みが感じない。
「優斗」
「俺はカインスです、優斗という人は知りません」
「じゃあユートと呼ぼう」
アルフリードの口からその名前が出てくるとは驚いた。
俺の名前は家族しか呼ばないし、家族とは上層部で一度も会った事がない。
下層部にもしアルフリードが来ていたとしても、俺は昨日今日で下層部に帰っていない。
昨日俺の顔を初めて見たようなリアクションだったから、アルフリードが俺の名前を知るはずはない。
俺の名前を何処で知ったんだろう、大家でさえファーストネームを書かなくて良いと言われたから契約したから知らないはずだ。
何処で知ったんだろう、でもそれで納得した…俺を結びつけた理由。
名前を知ってるならカインスなんて誤魔化しが出来ないじゃないか。
「ユート、身体の傷を治したい…見せてくれ」
「本当に大丈夫ですから」
「痛い事はしたくない、優しくしたいんだ」
甘く心を乱す声でそんな事を言われたら変な誤解を生んでしまう。
有流くんは優しいだけだ、俺だけが特別なんかじゃない。
「身体の怪我の事、何も聞かないで下さい」
「分かった」
「でも、俺はもう関わりがないから治さなくても」
「大丈夫、俺がここにいる」
手の震えを包み込むようにアルフリードの手で包まれた。
俺の事をよく知っているからこそ、俺もアルフリードをよく知っている。
俺のために、俺が遠慮をしても強引に引っ張ってくれていた。
わがままを言えない俺は何度も助けられた。
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