転生悪役弟、元恋人の冷然騎士に激重執着されています

柚吉猫

文字の大きさ
24 / 49

今と昔の相違

しおりを挟む
あんな事があって怖いのに、目の前にいるのは昔の有流くんのようだった。
だからか、俺も素直になれる。

ゆっくりとボタンを外して、上半身の傷が露わになった。

眉を寄せているが、俺のお願い通り何も聞かれる事はなかった。

痣に触れられて、そこから温かな光が広がっていく。
触れられた痣を見ると青黒く変色していたが、だんだん痣が消えていく。

手を滑らせて、もう片方の肩に触れられ同じように光に包まれた。

身体の震えが落ち着いてきて、小さく息を吐いてリラックスする。

「竜の体液は治癒能力が高いんだ、試してみるか?」

「う…ん」

アルフリードが言っている事はよく分からないが、痛くなくなるならいいかな。
雰囲気に呑まれている気がしないでもないが、あの時の有流くんに出会えた…それだけで嬉しかった。
一時だとしても、俺はこの時間も大切な思い出としたい。

綺麗な顔が近付いてきて、やっぱり有流くんは睫毛長いな…とボーッと考える。
首筋を下からゆっくりと舐められると温かな感じとはまた別のものを感じた。

ぞくぞくと頭から足の爪先まで身体中変な感覚が走る。
なんだろうこれ、チュッと軽く吸われたら腰が痺れてくる。

口を両手で押さえていないと変な声が漏れそうになる。

「ふっ、んっ…」

「痛むか?」

「だ、だいじょ…ひぁっ」

アルフリードの指が胸に触れて、変な声が漏れた。
今のはなんだ?女の子じゃないのに、なんで俺の下半身が反応しているんだ?

反応しているものを隠すように膝を抱えて、小さく丸まる。

肩を掴まれて首筋を舐められて、手でお腹を撫でられた。
腹の奥が温かくなっていくが、今の俺はそれだけで敏感に反応する。

涙目になりながら、アルフリードに気持ち悪い変態だと思われないように耐える。

頭に巻いている包帯を取られて、額の傷に口付けられた。
唇が離れて、アルフリードと熱い目線が絡み合う。

「他に痛いところか?」

「あ、身体が軽くなった…ありがとうございますアルフリード様」

「また、昔のように呼んでくれないか」

アルフリードはどうしてそんな悲しい顔をしているんだろう。

別れたくて別れたはずなのに、今は恋人同士のままのようだ。

違う、期待するな…俺は確かに見たんだ、有流くんが幼馴染みとキスをしているところを…
でもあれが有流くんだったら浮気になるけど、そこはきっちり終わらせて新しい恋に行く人だ。

考えれば考えるほど、あの人は本当に有流くんだっただろうか。
キスしていたのは遠目で、病室に来た時は後ろ姿だった。
それでも有流くんと顔がそっくりだったし、誰にも言っていない秘密の関係も知っていた。

彼が有流くんじゃなかったらいったい誰だったんだろう。

それとも、俺がただそう思いたいだけなのかもしれない。

「有流くんは俺の事が嫌いだったんじゃないの?だから、あんな…事…」

「違うんだ、話を聞いてほしい」

あの時の事を思い出すと、また身体が震えてくる。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました

無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。 前世持ちだが結局役に立たなかった。 そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。 そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。 目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。 …あれ? 僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?

俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜

小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」 魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で――― 義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!

悪役令息に転生したのに、ヒーローもヒロインも不在で、拾って育てた執事が最強なんだが……なんで?!

はぴねこ
BL
前世の弟が好きだったゲームの世界に、悪役令息として転生してしまった俺。 本来なら、ヒロインをいじめ、ヒーローが活躍するための踏み台になる…… そんな役割のはずなのに、ヒーローともヒロインとも出会えない。 いじめる対象すら見つけられない新米悪役令息とか、ポンコツすぎないだろうか? そんな俺に反して、子供の頃に拾って育てた執事は超優秀で、なぜか「悪役執事スキル」を着実に磨いている。 ……いや、違う! そうじゃない!! 悪役にならなきゃいけないのは俺なんだってば!!! 

俺の異世界先は激重魔導騎士の懐の中

油淋丼
BL
少女漫画のような人生を送っていたクラスメイトがある日突然命を落とした。 背景の一部のようなモブは、卒業式の前日に事故に遭った。 魔王候補の一人として無能力のまま召喚され、魔物達に混じりこっそりと元の世界に戻る方法を探す。 魔物の脅威である魔導騎士は、不思議と初対面のようには感じなかった。 少女漫画のようなヒーローが本当に好きだったのは、モブ君だった。 異世界に転生したヒーローは、前世も含めて長年片思いをして愛が激重に変化した。 今度こそ必ず捕らえて囲って愛す事を誓います。 激重愛魔導最強転生騎士×魔王候補無能力転移モブ

公爵子息だったけど勘違いが恥ずかしいので逃走します

市之川めい
BL
魔王を倒した英雄によって建国されたグレンロシェ王国。その後は現在までに二人、王家の血を引く者から英雄が現れている。 四大公爵家嫡男、容姿端麗、成績優秀と全てにおいて恵まれているジルベールは、いつか自分も英雄になると思い、周りには貴公子然とした態度で接しながらも裏では使用人の息子、レオンに対して傲慢に振る舞い性的な関係まで強要していた。 だが、魔王の襲来時に平民であるはずのレオンが英雄になった。 自分とレオンの出生の秘密を知ったジルベールは恥ずかしくなって逃走することにしたが、レオンが迎えに来て……。 ※性描写あり。他サイトにも掲載しています。

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

処理中です...