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4【脱獄の時】
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ついに決行の日がやってきた。恒例になっている看守の折檻はなかった。
バルトルトはここ最近、折檻されるときには挑発をやめていた。
擦り切れたボロ人形のように身体を丸めていれば、折檻は終わった。苦しみに歪む顔が楽しみなのに、それが見られないとなると、おもしろくないのだろう。
弱者をいじめて楽しむ心理はわからないが、何にしても飽きというのは来るらしい。おそらくは式典の忙しさも手伝っているのかもしれない。何にしても、ここを自力で出られない囚人には考え及ばないことだ。
最後の食事を平らげると、バルトルトのやることはなくなった。後は時間が来るのを待てばいい。体力を温存するため、横になって目をつむった。
僅かな物音でバルトルトの目は覚めた。壁かけの松明が大きく揺れている。錆びたような臭いが鼻を突く。戦場でよく嗅いでいた臭いだ。窓のない牢獄では強く臭ってくる。
見張りの看守が通路に立っていたが、背後の影が一瞬揺れたかと思うと、黒い腕が伸びて、血飛沫が上がった。叫び声もなかった。汚れた地面に赤い血が流れていく。
看守が崩れ落ちると、フードを被った小柄な男が立っていた。黒い手袋が赤黒く染まっていた。フードの下の唇が、笑っているように歪んだ。バルトルトに戦利品を見せつけるように、手の中の鍵束を振ってみせた。
フードの男は鉄格子に近づいてきて、扉の鍵を開けた。小ぶりの鍵を使って、手枷と足枷を外して回った。
バルトルトは自由になった手首を回した。剣を握っていた手首は、あまり使っていないせいか、心なしか痩せた気がする。重りのなくなった足は、一歩前に出しただけでも軽さを感じた。
「バルトルト、待たせたね」
目の前に現れたときから、男の正体はわかっていた。先に牢から出ようとするマレクの腕を掴む。
「お前はいったい何なんだ?」
無駄のない動きで看守の喉を狙っていた。暗殺者の類か。一瞬、組織を頭に浮かべたが、その組織にバルトルトを活かしておく有益な意味はない。
マレクはフードの下で笑った。
「マレクだよ。あんたを助けようとしている変わり者の看守!」
バルトルトは初めから答えを期待したわけではなかった。これほどの腕を持つマレクが、なぜここにいるのか。聞いても答えてはくれないだろう。自分がどうして騎士をやっているのか、言えないのと同じように。
身体を丸めて、牢屋の外に出た。格子戸の中と外ではまだ脱獄できた実感はわかない。それには外の空気を吸う必要があるだろう。
マレクを先に行かせて、通路を歩くと、そこかしこに息絶えた看守たちが転がっていた。今宵のうちに、どれだけの看守を殺めたのだろうか。血の臭いがひどく充満している。
「こいつら全員、殺す必要があったのか?」
マレクは立ち止まってあどけなく首を傾げる。その仕草だけでは、とても人殺しには見えない。
「邪魔だったしなぁ。何より、バルトルトを虐めてたから、その報復ってとこかな?」
血溜まりにたたずんで、楽しそうに笑っているマレクに、バルトルトはもう何も言わなかった。
地下水道への入り口の穴を下った。これまたひどい臭いをしていた。
薄暗い穴の中をマレクの松明が照らす。中は暗く、光の反射できらめいた。
「地図は大体、頭の中に入ってるんだ」
マレクはこめかみを人差し指で叩いて、誇らしそうに言った。地下水道の地図まで頭に叩き込んだとは、優秀な文官になれそうだ。バルトルトは何の根拠もなくそんなことを思う。まるで、グロッスラリア王国の城で、そう働いて欲しいかのように。
地下水道の中は、ドブネズミが駆け回るのを見るくらいで、同じような景色がしばらく続いた。入り組み、左右に別れた道をためらいもなく歩くマレクに、少しだけ疑いの目を向けたのは確かだ。
きちんと道の終わりは用意されていた。
地下水道から川辺りに出たときには、丸く青白い光が辺りを照らしていた。何も囲われていない壮大な闇の空が、バルトルトを待っていた。
下水や血の臭いも風の前に消えていった。新鮮な空気がバルトルトの肺に入ってきた。夜の冷たい風に身震いを起こすが、牢獄の壁や床よりマシだ。
小さな石造りの橋が向こう岸に渡されている。
「この通りを真っ直ぐ行くと、シモンが待っているから」
通りと言っても旧街道なのか、使われていないようだ。ところどころの石畳が剥げていた。
「そろそろ、追手も迫ってくる頃だから、早く渡った方がいいよ」
確かに、地下水道の入り口から、反響した誰かの声が聞こえてきていた。
バルトルトはうなずいて、橋の中頃まで歩いた。マレクは橋を渡ろうとはせずに、バルトルトを見送っている。ここで黙って別れるのが、正解だ。グロッスラリア王国にはひとりで帰る。
そう思うのに、バルトルトは足を止めて、後ろを振り返った。
風がフードを押し上げて、マレクの顔をさらしていた。深く青い瞳を刻みつけるように、バルトルトは長く見つめた。
「お前は、これからどうする?」
「あんたを逃したら、また別の場所に行くよ」
迷っている素振りはない。ただ、目的があろうともバルトルトには明かしたくないのだろう。それがわかっていてもたずねずにはいられなかった。
「俺と共に来るか?」
なぜかこの先を、ひとりでは行きたくない。マレクとともに渡り、帰国したいとまで思ってしまった。
マレクは首を振った。
「僕は僕でやることがあるんだ。でも、もし、この国を滅ぼしてくれたら、あんたの元に行ってもいいかもね」
地下水道の穴から、追手の声がした。立ち止まって話を続ける余裕は無さそうだ。とどまる時間があったなら、説得し続けたかもしれない。
「僕があいつらを引き付けるから、その隙に行って。決して舞い戻ってきて、僕を助けようと思わないでね。バルトルト」
「思い上がるな。お前にそれほどの価値はない」
そうは言ったものの、背中を向けて歩き出すのに、かなりの覚悟が必要だった。
「早く行って! ガドリン団長!」
マレクの叱咤する声で我に返った。
自分は騎士団を率いる団長である。
無事にグロッスラリア王国に帰還する義務がある。
騎士団は団である。常に仲間を意識しなくてはならない。
仲間がここは任せて行けと言う以上、それは見捨てることにはならない。背中を任せる。バルトルトはマレクの言葉を信じて、駆け出した。
◆
やがて、橋を渡って旧街道を行くと、シモンが待っていた。馬を連れている。バルトルトに敬礼をした。
「ガドリン団長、久しぶりですね。大分、痩せこけちゃって」
「お前が遅すぎたからだろう」
「しょうがないでしょう。この式典がなかったら、警備が手薄にならないんですから。これでも活躍したんですよ。俺にのせられて、皆が殴る蹴るの大乱闘! 兵士やらも混ざって、その隙に逃げ出してきました」
砕けたいつものやり取りに、バルトルトは緊張が解けた。それでも、マレクを置いてきたことが重く胸にのしかかっている。
「本当に、マレクさんはやってのけたんですね。看守を全部やってやると言ったときにはちょっと、疑ったんですけど。で、マレクさんは?」
シモンの口からマレクの名を聞くのは、どうにも嫌だった。きょろきょろと忙しなく首を回すシモンがうっとおしかった。むっとしながらも、
「あいつは俺を逃がすために囮になった」
手短に答えた。
「そうですか。死なないといいですね」
バルトルトはシモンの頭に拳を落とす。岩を食らったかのような鈍い音に、騎士は泣きわめいた。頭を両手で押さえて、うずくまる。
「お前が縁起でもないことを言うからだ。無駄口はやめて、寄越せ」
シモンの手から外套を受け取り、袖を通した。フードを被り、顔の造形を隠す。
「さっさとここを離れる。追手がいつ来るかわからん」
「へいへい。くそぉー、痛いな」
シモンの批判を待たずに、バルトルトは馬の背にまたがった。その姿は、囚人ではなかった。黒いマントは無くとも、騎士団団長の威厳が溢れている。
バルトルトとシモンは掛け声を上げて、馬の腹を足で押した。旧街道を逸れて、山道へと続く獣道を駆けていった。
バルトルトはここ最近、折檻されるときには挑発をやめていた。
擦り切れたボロ人形のように身体を丸めていれば、折檻は終わった。苦しみに歪む顔が楽しみなのに、それが見られないとなると、おもしろくないのだろう。
弱者をいじめて楽しむ心理はわからないが、何にしても飽きというのは来るらしい。おそらくは式典の忙しさも手伝っているのかもしれない。何にしても、ここを自力で出られない囚人には考え及ばないことだ。
最後の食事を平らげると、バルトルトのやることはなくなった。後は時間が来るのを待てばいい。体力を温存するため、横になって目をつむった。
僅かな物音でバルトルトの目は覚めた。壁かけの松明が大きく揺れている。錆びたような臭いが鼻を突く。戦場でよく嗅いでいた臭いだ。窓のない牢獄では強く臭ってくる。
見張りの看守が通路に立っていたが、背後の影が一瞬揺れたかと思うと、黒い腕が伸びて、血飛沫が上がった。叫び声もなかった。汚れた地面に赤い血が流れていく。
看守が崩れ落ちると、フードを被った小柄な男が立っていた。黒い手袋が赤黒く染まっていた。フードの下の唇が、笑っているように歪んだ。バルトルトに戦利品を見せつけるように、手の中の鍵束を振ってみせた。
フードの男は鉄格子に近づいてきて、扉の鍵を開けた。小ぶりの鍵を使って、手枷と足枷を外して回った。
バルトルトは自由になった手首を回した。剣を握っていた手首は、あまり使っていないせいか、心なしか痩せた気がする。重りのなくなった足は、一歩前に出しただけでも軽さを感じた。
「バルトルト、待たせたね」
目の前に現れたときから、男の正体はわかっていた。先に牢から出ようとするマレクの腕を掴む。
「お前はいったい何なんだ?」
無駄のない動きで看守の喉を狙っていた。暗殺者の類か。一瞬、組織を頭に浮かべたが、その組織にバルトルトを活かしておく有益な意味はない。
マレクはフードの下で笑った。
「マレクだよ。あんたを助けようとしている変わり者の看守!」
バルトルトは初めから答えを期待したわけではなかった。これほどの腕を持つマレクが、なぜここにいるのか。聞いても答えてはくれないだろう。自分がどうして騎士をやっているのか、言えないのと同じように。
身体を丸めて、牢屋の外に出た。格子戸の中と外ではまだ脱獄できた実感はわかない。それには外の空気を吸う必要があるだろう。
マレクを先に行かせて、通路を歩くと、そこかしこに息絶えた看守たちが転がっていた。今宵のうちに、どれだけの看守を殺めたのだろうか。血の臭いがひどく充満している。
「こいつら全員、殺す必要があったのか?」
マレクは立ち止まってあどけなく首を傾げる。その仕草だけでは、とても人殺しには見えない。
「邪魔だったしなぁ。何より、バルトルトを虐めてたから、その報復ってとこかな?」
血溜まりにたたずんで、楽しそうに笑っているマレクに、バルトルトはもう何も言わなかった。
地下水道への入り口の穴を下った。これまたひどい臭いをしていた。
薄暗い穴の中をマレクの松明が照らす。中は暗く、光の反射できらめいた。
「地図は大体、頭の中に入ってるんだ」
マレクはこめかみを人差し指で叩いて、誇らしそうに言った。地下水道の地図まで頭に叩き込んだとは、優秀な文官になれそうだ。バルトルトは何の根拠もなくそんなことを思う。まるで、グロッスラリア王国の城で、そう働いて欲しいかのように。
地下水道の中は、ドブネズミが駆け回るのを見るくらいで、同じような景色がしばらく続いた。入り組み、左右に別れた道をためらいもなく歩くマレクに、少しだけ疑いの目を向けたのは確かだ。
きちんと道の終わりは用意されていた。
地下水道から川辺りに出たときには、丸く青白い光が辺りを照らしていた。何も囲われていない壮大な闇の空が、バルトルトを待っていた。
下水や血の臭いも風の前に消えていった。新鮮な空気がバルトルトの肺に入ってきた。夜の冷たい風に身震いを起こすが、牢獄の壁や床よりマシだ。
小さな石造りの橋が向こう岸に渡されている。
「この通りを真っ直ぐ行くと、シモンが待っているから」
通りと言っても旧街道なのか、使われていないようだ。ところどころの石畳が剥げていた。
「そろそろ、追手も迫ってくる頃だから、早く渡った方がいいよ」
確かに、地下水道の入り口から、反響した誰かの声が聞こえてきていた。
バルトルトはうなずいて、橋の中頃まで歩いた。マレクは橋を渡ろうとはせずに、バルトルトを見送っている。ここで黙って別れるのが、正解だ。グロッスラリア王国にはひとりで帰る。
そう思うのに、バルトルトは足を止めて、後ろを振り返った。
風がフードを押し上げて、マレクの顔をさらしていた。深く青い瞳を刻みつけるように、バルトルトは長く見つめた。
「お前は、これからどうする?」
「あんたを逃したら、また別の場所に行くよ」
迷っている素振りはない。ただ、目的があろうともバルトルトには明かしたくないのだろう。それがわかっていてもたずねずにはいられなかった。
「俺と共に来るか?」
なぜかこの先を、ひとりでは行きたくない。マレクとともに渡り、帰国したいとまで思ってしまった。
マレクは首を振った。
「僕は僕でやることがあるんだ。でも、もし、この国を滅ぼしてくれたら、あんたの元に行ってもいいかもね」
地下水道の穴から、追手の声がした。立ち止まって話を続ける余裕は無さそうだ。とどまる時間があったなら、説得し続けたかもしれない。
「僕があいつらを引き付けるから、その隙に行って。決して舞い戻ってきて、僕を助けようと思わないでね。バルトルト」
「思い上がるな。お前にそれほどの価値はない」
そうは言ったものの、背中を向けて歩き出すのに、かなりの覚悟が必要だった。
「早く行って! ガドリン団長!」
マレクの叱咤する声で我に返った。
自分は騎士団を率いる団長である。
無事にグロッスラリア王国に帰還する義務がある。
騎士団は団である。常に仲間を意識しなくてはならない。
仲間がここは任せて行けと言う以上、それは見捨てることにはならない。背中を任せる。バルトルトはマレクの言葉を信じて、駆け出した。
◆
やがて、橋を渡って旧街道を行くと、シモンが待っていた。馬を連れている。バルトルトに敬礼をした。
「ガドリン団長、久しぶりですね。大分、痩せこけちゃって」
「お前が遅すぎたからだろう」
「しょうがないでしょう。この式典がなかったら、警備が手薄にならないんですから。これでも活躍したんですよ。俺にのせられて、皆が殴る蹴るの大乱闘! 兵士やらも混ざって、その隙に逃げ出してきました」
砕けたいつものやり取りに、バルトルトは緊張が解けた。それでも、マレクを置いてきたことが重く胸にのしかかっている。
「本当に、マレクさんはやってのけたんですね。看守を全部やってやると言ったときにはちょっと、疑ったんですけど。で、マレクさんは?」
シモンの口からマレクの名を聞くのは、どうにも嫌だった。きょろきょろと忙しなく首を回すシモンがうっとおしかった。むっとしながらも、
「あいつは俺を逃がすために囮になった」
手短に答えた。
「そうですか。死なないといいですね」
バルトルトはシモンの頭に拳を落とす。岩を食らったかのような鈍い音に、騎士は泣きわめいた。頭を両手で押さえて、うずくまる。
「お前が縁起でもないことを言うからだ。無駄口はやめて、寄越せ」
シモンの手から外套を受け取り、袖を通した。フードを被り、顔の造形を隠す。
「さっさとここを離れる。追手がいつ来るかわからん」
「へいへい。くそぉー、痛いな」
シモンの批判を待たずに、バルトルトは馬の背にまたがった。その姿は、囚人ではなかった。黒いマントは無くとも、騎士団団長の威厳が溢れている。
バルトルトとシモンは掛け声を上げて、馬の腹を足で押した。旧街道を逸れて、山道へと続く獣道を駆けていった。
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