魔界を追放された俺が人間と異種族パーティを組んで復讐したら世界の禁忌に触れちゃう話〜魔族と人間、二つの種族を繋ぐ真実〜

真星 紗夜(毎日投稿)

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20.ユータンからの告白。

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 家から飛び出したユータンを追いかけると、俺は彼女から想いを告げられていた。

「ウチね...、アンタのこと本当は好きみたいさね。
 自分でも気づかないうちに、親友のミズナに遠慮しちゃってたのかもしれない。」

 予想もしてなかった言葉に、思考が完全に停止した。
 俺の中でずっとユータンは戦友だった。
 彼女の目を見ると、真剣で真っ直ぐな瞳の奥に涙が浮かんでいた。

「ユータン、俺はお前の事...、」

 そこまで言うとユータンは指で俺の口に触れた。
 勇敢な剣士である彼女の指は意外にも柔らかかった。

「言わないでくれ。コウ。
 その続きを聞いたら、ウチおかしくなっちまいそうさね...。
 でも、これだけは聞かせてくれないかい?
 ミズナのこと本気なんだね?」

「あぁ...。俺はミズナを愛してる。」

 二人の間にしばらくの沈黙が流れる。

「...そっか、それを聞けてウチは安心したさね!
 分かってはいたけど、やっぱウチの入る隙はないか!
 コウに想われて、ミズナは幸せモンだねぇ~。」

 ユータンはその場から逃げるようにミズナの家に戻って行った。
 普段はあんなに強い彼女の涙を見たのはこれが初めてだった。

 俺も家に戻ろうとすると、ヒルクの姿が見えた。

「...おいヒルク、なんでお前がここにいるんだよ。」

「俺も悔しい気持ちになった時は必ずここに来るんだぜ...。
 あのネコの魔族、ぜってぇ倒してやる...!」

「いや気持ちは分かるけどよ、今は空気を読んで他の場所にしてくんないかな...。
 そしてなんで池に百ゼニーコイン投げてんだよ?」

「コイのエサ百ゼニーって書いてあるぜ?」

「そういう意味じゃねーだろっ!!!」

 俺はヒルクを連れて家に戻った。

・・・・・・・・・・・・・・・

 俺は家に着くなり、みんなに謝った。

「みんな、さっきは弱音を吐いちまって、本当にすまなかった!
 作戦を指揮する俺がこんなんじゃ不安になるよな。」

「気にすんなよ!相棒!
 俺だって、内心は同じ気持ちだった...。あんなの見ちまったら絶望モンだぜ。
 でもよ、俺らは連携を得意とする人間だ。必ず勝機はあるはずだぜ...!」

「ありがとう、ヒルク。俺たちの力、魔族たちに見せつけてやろうぜ!
 って事で、これからは対魔族戦も視野に入れて動こうと思う。作戦としてはな...、」

 俺たちは日が暮れるまで作戦を練っていた。
 母さんの作った夕飯をみんなで食べた後、ヒルクとユータンは自分たちの家に帰った。

 母さんが風呂に入ってるタイミングで、ミズナに声をかけられる。

「コウ、ちょっといい?
 出発前にヘルメット被ってもらったの覚えてる?」

「あぁ、覚えてるぜ。
 確か、深部にある記憶を呼び起こす装置だって言ってたよな?」

「そうなのよっ!流石コウ!
 でね、あの時は脳がリラックスしてないから使えなかったんだけど、今のコウは凄くスッキリした表情をしてるから、いけるかなって思ったのよ!」

「そうだな、確かにあの時みたいに緊張はしてないし、みんなと気持ちをぶつけ合えてスッキリはしてるよ。」

「それなら良かったのよ!
 アタシも、コウの気持ちの負担を軽くしてあげられて嬉しいのよ!

 じゃあ...、今晩、アタシの部屋に来て欲しいんだけど、いいかな...?」

 ミズナは顔を赤らめていて、とても可愛かった。

「ああ、い、いいぞ...。」

 その時、母さんが風呂から上がってきた。
 次は俺の番なのだが...、やましい気持ちはないけど、一応入念に身体を洗っておくか...。

「コウ!お風呂上がったのね~!
 アタシも急いで入っちゃうから、アタシの部屋で待ってて!」

「あぁ、ゆっくりでも大丈夫だぞ。」

 ミズナの部屋に入ると、妙に空気がひんやりとしていた。
 ...なんだ?冷房なんかこの家になかったよな?
 うぅ、寒ぃ。湯冷めしちまうよ。

 寒いのを我慢してしばらく待っていると、お風呂上がりで湯気の立っているミズナが入ってきた。
 最近見てなかったけど、相変わらず可愛らしいモコモコのパジャマだ。

「お待たせなのよっ!って、寒っ!
 ちょっとコウ、湯上がりなのに冷気出さないでよ~!」

「やっぱ寒いよな?けど、俺が入った時からだぜ?」

「なんか機械壊れちゃったかな...?
 んー、これでもないし、この機械も問題ないのよ。」

「機械の故障か。確かにこの部屋、今更だけどめちゃくちゃ研究室って感じだよな。
 ん、このゴミ箱、ひんやりしてないか?」

「あ、ホントなのよ!えーと、何捨てたっけ...。
 んー...、あっ!!分かったのよ!」

 何かにピンと来た様子のミズナがせっせとゴミ箱の中を漁ると...、
 ん? ゴムの伸びた女の子用の白パンツ?
 
「あっ!こ、これは出発前の大掃除の時のだから関係ないのよっ!!
 えっと...、これこれ!」

 慌ててパンツを隠して代わりに見せてきたのは、ティッシュだった。
 うぅむ。女の子の部屋のゴミ箱にティッシュねぇ...。
 
「ちょ!コウ、また変な事考えないでなのよっ!
 かなり前だけど、コウのお口の中の細胞を採った事あったじゃない?
 これはその時の細胞を拭いたものなのよ。」

「まだ生きてるっていうのか...?」

「おそらくそうなのよ。
 それどころか、時間が経ってから冷気が強くなってるって事は、増殖すらしてるって考えられるのよ。」

「そんな事があり得るのか...。
 はっ、今まで倒してきたゴブリンが生き返ってたりは考えられないか?」

「それは、分からないのよ。
 じゃ、コウにヘルメット被ってもらってる間に、アタシはこの細胞を調べちゃうのよ!」

「頼んだぜ。けど、頑張りすぎるなよ?」

「任せといてなのよっ!
 さて、早速だけど、服を脱いでアタシのベッドにうつ伏せになって欲しいのよ!」

 ...え、服を脱ぐって今言ったか?

「お、おいおい!
 ミズナ、まだそういうのは早いっつーか...、お前は、...いいのかよ?」

「アタシはもっと早くにシてみたかったのよ!
 本で上手なヤり方とか調べてて...、ほら、コウに気持ちよくなってもらわないとダメだから...。」

「ちょ、ちょっと待ってくれっ!
 俺も...、前からシてみたいって思ってたんだけど、そんなに積極的に来られるとは思ってなくて、その、心の準備というか...。」

「前から...?
 分かったのよ。じゃあ、コウ。ベッドに座って?」

 言われるがまま、俺はベッドに腰掛けると、ミズナの可愛らしい手が俺の服を脱がそうとしてくる。

「ミ、ミズナっ!部屋、暗くしないか?」

「アタシは明るい方が身体がよく見えるから、好きなのよ。」

 ちょっ...!ミズナさんんんんん!!
 大胆過ぎるってぇぇぇ!!!

「ミ、ミズナが、それで良いなら...。」

 俺は簡単に服を剥がされ、下着一枚になっていた。

「コウ...。上に乗るね?」

 そう言うと、俺はミズナを見上げるような体勢で、ベッドに寝かされた。

「ホントに、するんだな...?」

 ヤバい...、心臓がっ、張り裂けるっっ!!

「うん...、シてあげる。
 コウに気持ちよくなって欲しいのよ。」

 あっ、俺そういえばまだ、ミズナに言葉で告白してなかったっけ...。

「ミズナッ!こんな事になっちまう前に言うべきだったが、俺っ...!」

 想いを伝えようとすると、ミズナはベッドの下から小さな箱を取り出した。

「これ、コウにつけてあげるね...。」
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