転生後推しが俺の執事になっていました

チヒロ

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「…おや?お目覚めになりましたか?」

見慣れたはずの優しげな笑顔が心を揺すぶる。

「…はい」

体を起こそうとして起きられない。

ユグナ執事が体を支えてくれなんとか身を起こす。

「お加減はいいがですか?」

ユグナ執事は俺の目線の高さに話せ体調を気遣ってくれる。

「大丈夫です…ありがとうございます」

俺がそう言うと執事はにっこりと微笑んだ。

「良かった…心配したんですよ…
お茶でもいかがですか?」

「…自分で飲むので大丈夫です」

立ち上がろうとしてやはり立ち上がれない。

「私はお坊ちゃまの執事でございます。主(あるじ)に無理をされる訳には行きません。」

そう言うとユグナ執事は香りの爽やかなハーブを煎じカップに注いだ。

「ハーブティーでございます。お召し上がりください。」

「ありがとうございます…」

ユグナ執事の入れてくれたハーブティーを口に含む。

口いっぱいに広がる香ばしさにすっきりとした気持ちになる。

「なんだか…もやもやがすっきりしました。
ありがとうございます。」

全部飲みきったカップをユグナ執事に返す。

「お役に立てたようで良かったです」と言いユグナ執事はカップを洗う。

ずっとここにいたい…

ここなら大好きな人がすぐそばにいてくれる 

それにここは安全…俺の居場所



「…………うっ……!!」

激しい腹痛が襲う。熱の次は腹痛か…

苦しそうにもがく俺を見たユグナ執事が慌てて駆け寄る。

「どうなさいました?」

「…腹痛が…ひどくて………うっ……!」

「少しお待ち下さい」

ユグナ執事は回線をオンにし誰かと連絡をとっているようだった。

「ただいま医術を学習してきた執事をお呼びしました
少々お待ち下さい…」

医術資格のある執事…俺していたゲームの中にそんな執事がいたっけ?

不思議に思っていると扉を叩く音がした。

「参りました…失礼します」

……あぁ…そうだったんだ

見覚えのある気難しそうな…ちょっと俺の苦手とする執事が姿を現した。
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