転生後推しが俺の執事になっていました

チヒロ

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二十一

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なんだかよくわからないけどみんなが集まったと思ったら去っていった。

みんなが俺のフェロモンの事で頭を悩ませているのは空気から察した。

…そんなに強く香るものなのか…

自分では全く分からない


頭に先程の光景がよぎる。

まだリギア執事の余韻が冷めない……

ぎゅーと抱きしめてくれたあの腕

……格好良すぎる

妄想にふけっていると扉が開く音がした。

……あっ!さっきの

「主~よろしくね!」

元気いっぱいに彼は俺の近くに駆け寄ってくる。

「僕の名前はヨーク。名乗ってなくてごめんね!
年齢も近そうだし友達に慣れそうな気がする!
いっぱい話そ~」

……こんなに気さくに話しかけてくれたのってヨークが初めてな気がする……

「………ありがとう…ちょっと嬉しくって涙が出そうになっちゃた」

俺がそう言うとヨークは目を見開いた。

「え?かわい…いや何でもない!」

ごまかすようにヨークは続ける。

「そうそう僕本当は隠れキャラだったんだよね~
でも大人達がアレでしょ?だから僕が代わりにきたんだよ。仲良くしよ~」

そう言いヨークは調子を取り戻す。

「…ヨークさんってつらいこととかないの?」

つい気になり俺は訊いてみた。

「そりゃあるよ!でもさ、せっかく生きてるんだし明るく考えた方がいい時もあるじゃん?まぁそうできない時もあるけど時間が解決してくれるっていうか…どうにかなるもんだし」

「……どうにもならない時……本当に時間が解決してくれるのかな……」

「え?どうしたの?いきなり?」

「俺……いじめられていたことがあるんだ…」












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