転生後推しが俺の執事になっていました

四十四

微睡みかけていた頃、執事たちの足音が聞こえてきたので慌てて服を着た。

「ただいま～！なんか二人とも疲れてない?」

「いや…そんなことないと思うけど」

「怪しいね～まあいいかぁ
はぁお風呂気持ちよかった!　ね！アオ～」

「気持ちよかったぁ！」

「よかったですね」

「あれ？リギアさんまだ部屋に来てないの？」

「てっきりお風呂に入っているのかと思いました」

「来てないよ?どこにいったんだろう？」

それから四人で部屋、お風呂、アトラクションの近くを探していたけれどリギアの姿はなかった。

後ろに人の気配を感じたので振り返るといたのはホテルのスタッフの人だった。

「ユグナさんはいらっしゃいますか?」

「ええ私です」

「リギアさんからお手紙が届いています」

「リギアからですか…」

ユグナが手紙を開いてみる。俺達もそこに書かれている内容が気になり読もうと試みる。

「ユグナ…ごめんな…俺の父親が倒れたってきいたからしばらくはここにいないといけない。場合によってはもう戻って来れないかもしれない。お前達がここに来てももう俺とは会えないだろう。…事情は言えないがそういうことだ。
すまない…最後にみんなといい思い出ができてよかった。」

ユグナのか細い手がかたかたと震える。
溢れ出す涙が止まらないようだった。

「……嫌です！もう失いたくないんです!置いていかないでください！」

崩れるようにしてユグナは泣く。