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第五話 愛おしい我が子
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「物思いにふけっておられる様ですがどうされましたか。」神官ギルアの声で王は我にかえった。
「いいや…ちょっと考え事をしておってな…」
「それより…あの娘…いや…あの者はどうしている?」
「あの者といいますと…ああ…少し前に王子様の寵愛を受け宮廷に来られたあの娘のことですか。あの娘がどうしたというのです?」
ギルアは不思議そうに王を見つめる。
「神官とあろうものが気付かないのか。あの者の目の色に。」
「目の色…まさか……!」
ギルアは驚きつつもどこか納得のいかない様な表情で王を見つめていた。
「しかし…たとえあの者の瞳の色が茜色であったとして…国の災いと関係しているとは思えません。
あの者は娘でございます。女子であれば茜瞳魔子にはならないはず」
「……本当にそう言い切れるだろうか。」
ギルアは王の言っている意味が分からないといった表情だった。
「茜色の瞳をした子は百年に一度しか生まれない。もう百年間は生まれないということであろう?
女子として今まで生きてきたのであれば…そうしなければ生きていけないとしたら…これでも気づかないか?」
ギルアは王の言葉を反芻し必死に考える。やがてはっとしたように王を見つける。
「なるほど…男子であれば…茜瞳魔子として生きていれば…殺されていたのかもしれません…
これで納得しました。魂ノ読ミで不吉な兆しが現れていた訳を…
はっ…!! ならば…ならば あの者…いえ、あの方は…まさか王様がお探しになっていた」
「そういうことだ…
あの子は私の可愛い…可愛い息子だ。
…そこでなんだが少し頼みたい事があるのだが…」
「どうぞおっしゃってください」
「あの子に会いたい…ここに連れてきてはくれないか」
驚いた様子のギルアは慌てたように言う
「なりません。王様。あの方が近づけば…王様の命が危うくなります。いいえ王様だけではございません…王子様、民の命全てが奪われてしまいます…」
「そんなの迷信であろう!! なぜ…なぜ故…私達は親子なのに………これは王命だ!!! すぐにあの子をここに連れてこい!」
涙を浮かべながら怒気を強める王にギルアは心が傷む。合わせたい…合わせてあげたい…
ギルアの気持ちは高ぶり神官としての自分の役割を捨ててしまった。
「分かりました…すぐにあの方をお連れします…」
長廊下から二人分の足音が響く。戸惑いながら入ってきた我が子を見るなり王は抱きつく…
「愛おしい…愛おしい我が子…ずっと…ずっと…会える日を待ち望んでいた」
「いいや…ちょっと考え事をしておってな…」
「それより…あの娘…いや…あの者はどうしている?」
「あの者といいますと…ああ…少し前に王子様の寵愛を受け宮廷に来られたあの娘のことですか。あの娘がどうしたというのです?」
ギルアは不思議そうに王を見つめる。
「神官とあろうものが気付かないのか。あの者の目の色に。」
「目の色…まさか……!」
ギルアは驚きつつもどこか納得のいかない様な表情で王を見つめていた。
「しかし…たとえあの者の瞳の色が茜色であったとして…国の災いと関係しているとは思えません。
あの者は娘でございます。女子であれば茜瞳魔子にはならないはず」
「……本当にそう言い切れるだろうか。」
ギルアは王の言っている意味が分からないといった表情だった。
「茜色の瞳をした子は百年に一度しか生まれない。もう百年間は生まれないということであろう?
女子として今まで生きてきたのであれば…そうしなければ生きていけないとしたら…これでも気づかないか?」
ギルアは王の言葉を反芻し必死に考える。やがてはっとしたように王を見つける。
「なるほど…男子であれば…茜瞳魔子として生きていれば…殺されていたのかもしれません…
これで納得しました。魂ノ読ミで不吉な兆しが現れていた訳を…
はっ…!! ならば…ならば あの者…いえ、あの方は…まさか王様がお探しになっていた」
「そういうことだ…
あの子は私の可愛い…可愛い息子だ。
…そこでなんだが少し頼みたい事があるのだが…」
「どうぞおっしゃってください」
「あの子に会いたい…ここに連れてきてはくれないか」
驚いた様子のギルアは慌てたように言う
「なりません。王様。あの方が近づけば…王様の命が危うくなります。いいえ王様だけではございません…王子様、民の命全てが奪われてしまいます…」
「そんなの迷信であろう!! なぜ…なぜ故…私達は親子なのに………これは王命だ!!! すぐにあの子をここに連れてこい!」
涙を浮かべながら怒気を強める王にギルアは心が傷む。合わせたい…合わせてあげたい…
ギルアの気持ちは高ぶり神官としての自分の役割を捨ててしまった。
「分かりました…すぐにあの方をお連れします…」
長廊下から二人分の足音が響く。戸惑いながら入ってきた我が子を見るなり王は抱きつく…
「愛おしい…愛おしい我が子…ずっと…ずっと…会える日を待ち望んでいた」
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