美しく優秀な次女がいるのなら、私は必要ありませんよね? 〜家を捨てた私は本当の姿に戻り、追いかけてきた皇子と街で暮らす〜

夜野ヒカリ

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番外編

ウィリアムの苦悩(ウィリアム視点)

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 私とリーナは先日、晴れて夫婦となることが出来た。
 式に父上と兄上がいらっしゃっていたのには驚いたが、もう会えないと思っていた家族に会うことが出来て嬉しかった。
 ……問題としては兄上が私とリーナに会うため、頻繁に私達がいる義母さんの食堂に来るようになったことか、、皇太子としての責務が大丈夫なのか心配になるが、優秀な兄上なら仕事をこなした上で来ているのだろう。

 ……夫婦、か。長年の想いが叶って本当によかった。
 今まで辛い経験もしてきたリーナには幸せになってもらいたい。

 父上が私が城を出た当時からリーナをカトル公爵に叙するつもりでいたことには驚いたが、考えてみれば当然だろう。
 リーナと学園での成績は皇帝たる父上の耳にも届く程だったし、カトル公爵家がきな臭かったらしいからな。

 しかし、リーナの優秀さが認められ、かつて学園で有ること無いこと噂していた者達を見返せて嬉しいと思う反面、不満もある。

 私だって、私が表舞台に立つことが出来ない人間で代わりが必要なことは理解している。父上が“ウィル”に関する噂を流してくれたことにも感謝している。しかし、だ。

 私の影武者は必要なのか?

 もちろん、心の真相では理解している。公爵ちなったリーナは皆の前に立たねばならないし、その隣にはウィリアムわたしではない“ウィル”がいなければならないと。
 それでも、社交の時期になるとリーナは皇都にいかねばならないため2ヶ月程会えなくってしまうのだ。

 ……はぁ、学園卒業後は3年以上リーナに会わない期間があったというのに、、その3年間や以上に辛い。
 リーナの隣に立つのは常に私でありたかったのに……。
 
 ……いや、あの一ヶ月もかなり辛かったな。



* * *



 父上と話をしてからの一ヶ月、、私は皇城の敷地内にある別宮で療養という名目の下、の死亡発表の準備を整えた。
 発表後の準備はまったく出来なかったが……。

 一人で家を出たというリーナが心配で眠れぬ日々が続いた。最初の一週間は“本当に重病なのではないか?”と思われる程のあり様だった。協力者であった大臣と皇室医師に何度『本当に大丈夫ですか? 急病というのは本当に偽りなのですよね?』と問われたことか、、無理もない鏡に映った私は幽鬼のようだったからな。

 まぁ、それも最初の一週間だけで徐々に城を出た時を見据えた生活をするようになった。
 いくら父上が私の勝手を許してくれたとは言っても、私自身の状態が整っていなければ何の意味もないからな。

 出来る範囲で情報を集め、皇城を出た後の方針を決めた。
 その計画のおかげで思っていた以上に、、いや、考えもしなかった程に早くリーナと再会することが出来た。
 
 それでも、人生でもっとも辛い一ヶ月であったことに変わりはない。
 自分の愛する人と結ばれる可能性が出てきたのになにもすることが出来ない一ヶ月だったのだから。
 ……学園卒業後の3年間はリーナのことを諦めてしまっていたから、仕方がないと思うことが出来た。
 しかし……!
 あの一ヶ月は愛しい人が安全に生活が出来ているのかもわからないのに何の行動も起こせない歯がゆい日々だったのだ。

 想像できるか? 自分の大切な人がたった一人で家を出てどうしているのかも、安否すら分からなかった私の恐怖が……。

 でも、必要な一ヶ月であったし、あの日々がなければ今の幸せもないのだから後悔はしていない。

 あの一ヶ月があったから今があるのだ。




* * *




 秘めていた恋が叶い、リーナと結ばれた後も悩まされることがあるとは思わなかった。
 先程も述べたように私の影武者がいなければならないということはよく理解しているのだ。

 ちなみにその影武者は本当に“ウィリアム”の影武者だった者で、もちろん私とも面識はあるし仲も良い。……何かあった時には私の代わりになってもらわねばならないということで複雑な関係でもあったが、本人は『またウィリアム様の役に立つことができ、嬉しいです!』と言っていた。
 彼は孤児であったが、私に似た容姿であったため幼い頃に皇城に引き取られ、教養を身につけた。

 まぁ、そんな事でその影武者は礼儀作法、知識、武術の優れた者であるから父上が流した〝カトル女公爵リーナの夫は亡国の王族である〟という噂の信憑性を高めることは出来る。
 私に似ているとは言っても成長した今となってはそこまで似ているとも言えないし、そこについても問題はない。

 彼を信頼していない訳ではないのだが、リーナは……私の妻となってくれた女性は、女神で天使なのだ。
 いつ彼がリーナに惚れるかわからない。否、もう惚れている可能性が高い。
 リーナが私以外の男に目を向けるなどとは思わないが、私が嫌なのである。

 だが、リーナが公爵であるためには……!

 ……はぁ、この悩みは一生解決しそうにないな、、
 仕方のないことだと割りきるしかないのか……?






~~~~~~~~


 読んでくださりありがとうございます(^^)

 以上、独占欲強めのウィリアム君でしたww

 明日はリーナが家を出た後のカトル公爵家の執事長さんのお話です!


  
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