俺の彼女は難聴持ち

橘かえで

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俺のこと

自分のこと~翔太side~現在編~

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俺は友梨と付き合ったあの日友梨の環境でもうひとつ改善しなければいけない部分があった。

それは、友梨と友梨の親との関係だ。

友梨からたくさん話をしている中で俺は友梨にとって一番邪魔な存在が親であることが分かった。

普通、親とは子供にとって安心と安全が待っている環境でないといけない。しかし今の友梨にとっては安心ではなくだからと言って安全でもなく、危険な場所なのだ。そんな危険な場所から一刻も早く抜け出してあげたい。

だから俺はある行動に出た。それは、「俺の親に相談して友梨と同棲すること」だった。

しかし、いくら俺の親とはいえ、このことを相談するのは怖かった。でもこのことを知ってもらわないと友梨のような人がいつになっても消えないことも分かっていただから相談した。

やはり最初この話を聞いたとき親は困惑していた。なぜならせっかく夢を追いかけていた俺が急に夢を変えたきっかけを知ってしまったからだと思う。

俺は今までずっと歌手を目指して親にたくさん迷惑をかけた。しかし、俺は友梨に出会ってから追いかける目標が変わった。このことを伝えたのも最近だった。だからかすごく心配された。

しかし、俺の信念が揺らがないことも知っていた親は、俺のことも応援してくれた。そして、友梨にも会ってみたいと言ってくれたのだ。

そして友梨と両親が会う日。

「じゃあ俺先に友梨のところ行ってくるから、頼むから母さん気合入れすぎてメイク濃くするなよ!」と言って俺は家を出た。

俺はいつも友梨と遊ぶ公園に行った。しかし、そこには友梨がいなかった。すごく心配したがまだ集合時間まで余裕がある。まだ、歩いている途中なのかなと思いまっていると、

「あれ、まだ翔しかいないの?友梨さんは?」と母の声がした。後ろを振り返ると両親が立っていた。こっちはまだ時間より早かった。そして三人で友梨のことを待っていると友梨が大きなキャリーバックを持ってきた。

すると母が「女性であんな大きなバックを持つのはすごく大変よ。翔、あんた友梨さんの彼氏ならどう行動すればいいか分かるわよね?」と声をかけられとっさに体が動いた。

友梨のカバンを持ち、ゆっくりと両親のもとへ誘導した。そして俺は、いつも友梨と使っているメモ用紙とペンを母に渡した。すると母が

「はじめまして翔太の母の和美と言います。友梨さんのことは翔太から色々聞いています。今まで大変だったでしょう?でもこれからは私たちと一緒に生きましょう!」

と書いて見せていた。そして父にペンと用紙を渡して俺のところに帰ってきた。だから俺は、「なんて書いたの?」と母に聞いた。すると母は「こんなバカ息子でよかったの~?もっと素敵な男性いたでしょ~?って書いてきたよ」と冗談交じりに笑って言ってきた。心底変な母親だなと思った。

すると父からペンと用紙が返ってきた。そして母がボソッと「あら大変、友梨ちゃん泣いちゃった。」といった。
俺は急いで友梨をそっと抱きしめた。それを見た両親もそっと抱きしめた。

そして友梨の涙が止まると友梨は急に手話で話してきた。しかし、親は手話を知らないため上の空だった。

しかし、友梨が「ねえ成瀬くん...私あの家と完全に縁が切るには、専門行けなくなっちゃうと思う...」と友梨が必死に伝えてきた。

俺はすぐに「このこと両親に伝えもいい?」と手話で聞いた。すると友梨は少し考えた様子で黙り込んでしまった。
だから俺は続けて「大丈夫だから俺の両親悪い人じゃないし少し話してみてもいいんじゃないか?」と友梨の目を見て伝えた。

すると友梨は決心したように「分かったじゃあお願いしてもいい?」と言ってくれた。

だから俺は友梨に心配させないように笑顔で「任せて!」と伝え、両親に友梨の今の状況を伝えた。すると両親は顔がみるみるうちに真っ青になり、すぐにOKと伝えてくれた。しかし、俺にも負担は多少たりともかかると言われた。でも愛する人の命とは代償の差が違った。だから俺は二つ返事でOKを出した。

そして俺はメモ帳を取り出し友梨に学費の負担は俺らがすることを伝えた。

すると友梨は「ご両親に申し訳ないよ...」とメモ帳に書かれていた。でも俺の両親と決めたことだからと俺は半ば強引に友梨に伝え、やっと友梨から了解を得た。

今俺は友梨のような人を救うために福祉の学校に通っているそして友梨は小説家になるために専門学校へ通っている。

俺らは一つ屋根の下で暮らしている。そして友梨と一緒に手話の勉強をしている。

今度二人で手話検定を受けるつもりだ。
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