麗紗ちゃんは最狂メンヘラ

吉野かぼす

文字の大きさ
14 / 211
第一章 ここから私達の全てが始まったんですよね先輩!

私と先輩の愛の巣その4

しおりを挟む
〇月×日
 今日は人とぶつかってしまった。
 ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!
 でも私がぶつかってしまった人は私を責めたり怒鳴ったりせずに私に怪我は無いかって心配してくれた。
 耕一郎達以外にも優しい人間は居るのね。

 ぶつかってしまった人って……私の事かな? 
 耕一郎達っていうのは多分使用人達を指すんだろう。

 こんな当たり前の行動も優しいって言えるのは、よっぽど今まで会ってきた人間が酷かったって事なのかな……。
 これにはまだ続きがある。

 でもその後また愚図に絡まれた。
 前の馬鹿みたいにならないようにちゃんと猫をかぶってあげたのに、そいつは少しも聞く耳を持たない動物だった。
 愚図。ぐずぐずぐずぐずぐずぐずぐずぐずぐずぐずぐずぐずぐず。
 何喧嘩って。いつの時代の話? あなた猿? いや猿に失礼ね。
 そんな愚図に絡まれていたとき、あの人が私の目の前に颯爽と現れたの! 
 私なんかの為にあんなに必死で戦って助けてくれて……しかも何も見返りを求めないで……。
 本当にかっこよかった。素敵だった。
 私はその時あの人に恋をした。最初はドキドキするだけでそれが何なのかあんまりはっきりと分かってなかったけど千歳がそれは恋だって教えてくれた。
 耕一郎は「知るかそんなの」って言って教えてくれなかったけど。あいつクビにしようかしら。
 まあでも今の私は気分が良いから許してあげる。
 でも……どうしたらあの人とお近付きになれるんだろう。
 それを千歳に聞いたら「まずは情報収集よ」って言われた。
 じゃあまずあの人について徹底的に調べないとね。明日黒萌情報屋に行かないと。
 ああ……はやくあの人と仲良くなりたいな。いや、なるの。絶対に仲良くなるの。あの廊下の出会いは運命だったのよ。運命は私に味方してくれているの。あの人の傍に居て良いのは私だけ。先輩と永久不滅の愛を紡げるのは私だけ。
 誰にも、邪魔出来ないしさせないわ。先輩……大好き。

 あの子の私への気持ちは、私の想像を遥かに超えていた。

 もうあの子にとって私は恋人だとかそんな次元ではなく運命の相手なのか……。

 愛が重いってレベルじゃないな……。
 それより、この日だけで色々な情報が出てきたな。

 まず、使用人はおそらく三人以上いる。
 一人があのコック『凍牙』、二人目が『千歳』、三人目が『耕一郎』。

 あと二人も特色者の可能性は十分ありうる。
 凍牙の様子を見るに使用人達はあの子が私にした事を見逃すどころか協力しているみたいだから気を付けないといけない。

 そして、黒萌情報屋。
 こんな田舎にそんなものが存在するとは初耳だけど、黒萌っていう名前が引っ掛かる。

 クラスメイトの黒萌みるり。
 珍しい名字だから無関係とは思えないし、私と同じクラスだから私の情報を割と簡単に入手出来る。

 何より黒萌は特殊型の特色者だ。情報収集とかが得意な能力なのかもしれない。

 ほぼ確実にあの人が麗紗ちゃんに協力した、と考えるべきだろう。それなら私の部屋にあるものを再現した部屋が作れた事にも納得がいく。

 脱出に成功したらあの人にも気を付けないとな。気を付けてばっかりだな……まあそれしかないんだけど。

 麗紗ちゃんの執念も本当に怖さを通り越して敬意が湧いてくる。情報屋まで使って私の事を調べ上げるなんて……。

 その後の日記は私とのデートが生涯で一番楽しみだとかこっそり撮った写真がかっこよすぎて携帯の待ち受けにしてその後プリントして屋敷中に張ったけど興奮して勉強に集中出来なくなっちゃったから外して大切に机の引き出しの中にしまったとかそんな事が昨日まで延々と綴られていた。

 私は日記帳をそっと閉じて、元の場所に置き麗紗ちゃんの部屋を出た。

「さて……もう出口無いかなあ……」
 こうなったら窓から出るしか無いな。しょうがない。出口全部封鎖されてるし。

 窓も封鎖されてるかもしれないけど、今は色々な可能性を試すしかない。

 そう思いつつ廊下の窓の鍵に手を掛けた時、私はある事を閃いた。

「こういう屋敷って……緊急用の隠し通路がタンスの裏とかにあるんじゃ……!」

 私は思い付いたままに麗紗ちゃんの部屋に戻った。タンスは無いけど勉強机の裏に無いかな。

 結構大きいし。緊急用の通路だから一番大事な人の所にあるはず。

 私は勉強机を机に並べてある物が散らばらないようにゆっくりと動かした。
 すると、勉強机の裏に扉が現れた。





しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

身体だけの関係です‐三崎早月について‐

みのりすい
恋愛
「ボディタッチくらいするよね。女の子同士だもん」 三崎早月、15歳。小佐田未沙、14歳。 クラスメイトの二人は、お互いにタイプが違ったこともあり、ほとんど交流がなかった。 中学三年生の春、そんな二人の関係が、少しだけ、動き出す。 ※百合作品として執筆しましたが、男性キャラクターも多数おり、BL要素、NL要素もございます。悪しからずご了承ください。また、軽度ですが性描写を含みます。 12/11 ”原田巴について”投稿開始。→12/13 別作品として投稿しました。ご迷惑をおかけします。 身体だけの関係です 原田巴について https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/734700789 作者ツイッター: twitter/minori_sui

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる

まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」 父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。 清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。 なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。 学校では誰もが憧れる高嶺の花。 家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。 しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。 「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」 秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。 彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。 「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」 これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。 完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。 『著者より』 もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。 https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

処理中です...