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第四章 プレゼントですよ先輩!
メンヘラマニフェスト-2
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『すみません……少し取り乱しました……落ち着いたので続けますね……』
うん、麗紗にしてはちょっと感情が高ぶっちゃったね。
普通の人なら精神科に運ばれる所だけど。
「……これで恐怖政治確定だわ。もうやだ……ううっ……」
テーブルの上で突っ伏してめそめそと泣く千歳。
あの子が政治やろうって時点でもう恐怖政治の道しか無いと思う。
政策はちょっとまともな所もあったけど。
施行する本人が全国放送で自傷見せつけてるんだよなあ……。
『政策その2も最高の幸せを手に入れてもらうためのものです! 愛は性別を問いません! もっともっと推進すべきです! 政策その3は子供を愛せない人を無くす為です。愛を注ぎ、きちんと親の姿から学んでこそ子供は大人になるのだと私は考えています。だから、子供を愛さない大人は消え去るべきだと思います! あああ!!!』
麗紗は政策の解説をしながら自分の爪を引き抜いた。
……か、確実にそういう大人を消し去ってくれそうだな。
ていうかこの政策よく見なくてもめちゃくちゃ麗紗に都合がいいように出来てるな。
さっきまで政策をちょっとまともだと思ってた自分が恥ずかしい。
政策まで私と結ばれる為の布石にするなんて……。
どっかの鉄道会社よりもレール敷いてるね!
麗紗は引き抜いた爪を投げ捨ててから解説を続ける。
『そして最後の政策その4ですが……こんなの誰にでも出来ますよね? むしろ出来ない人とか居るんですか? 運命の恋人が傍らに居る状況で? 居ませんよね? そんな堕ちた人間なんて居ませんよね? だからこれは必要のない法律だとは思うんですが万が一、本当に万が一という事で作らせて頂きました。もし居たらこの私が自ら究極の苦痛を与え続けて差し上げます! 運命の恋人を苦しませたその罪を愚かな脳でも理解出来るようにして差し上げます! うw……あああああああ!!! 口にするのも虫唾が走るので口に出しませんがもしあればどんな方法でも良いので私に言って下さい! いつ何時でも実行します殺します! 自分の愛する人が他のああああああ!!! これも言いたくないので言いませんがそうなってしまった時の苦しみは指を引き千切った時よりも目玉を抉り出して潰した時よりも何無量大数倍も苦しいんです! 私はそれを皆さんの中の一人にも味わせたくないんです! 故に苦しみを超えた苦しみを味わせた末の死刑というのは当たり前なんです! 絶対にこれを覆してはいけないし許してはいけない! だからそれをする人間……いや、ゴミ以下のクズ以下の何かは全て粛清します! 何があっても!! 何があろうと!!!』
「「「「…………」」」」
自分の肉を削ぎながら、そう断言する麗紗。
……あの子を止めないと。
床に広がっていく血の海を見て、私は深く決意する。
すると麗紗はふと肉を削ぐのをやめて、画面越しの私達にこう言った。
『……これで政策は以上です。そして、7月9日は私の愛しい先輩の誕生日なので祝日とします! 先輩の誕生日を国民総出でお祝いしましょうね! 正月やクリスマスなんかよりもずっと神聖な日でおめでたい日ですよ!』
「おめでたいのは麗紗の頭だよ……」
頼むから私の誕生日を祝日に変えないでほしい。
何の意味も無い日だよ! 神聖さのへったくれもないよ!
ていうか手が真っ赤な状態で言われても多分国民の皆様は内容が頭に入ってきてないよ!
恐怖で気絶してるか吐いてるかだと思う。
これで平然としていられるのは私達ぐらいだ。
そんな事を考えていると、麗紗がふと間を置いて、続けた。
『あと……最後に一つだけ、皆さんにお伝えしたい事があります』
「まだ何かあんのかよ……」
狂気に満ちた顔から真剣な顔に切り替える麗紗に、耕一郎がそう悪態をつく。
これ以上何をやらかすんだよ……。
画面を観ていた誰もがそう思っただろう。
『それは、人間は愛があればとっても幸せになれるという事です! どんなに不幸であろうとも、どんなに辛くても、愛があれば打ち壊せるんです! そして、誰からも愛されない人間なんて居ません。私は、こんなでも先輩に見てもらえました。クズで愚かで不細工で不器用で弱者で狂人で怪物な私でも大好きな人に見てもらえました。それが……すごくすごく嬉しかったんです……! すごくすごく幸せだったんです……!』
「麗紗……!」
麗紗の人間としての温かい心が、見えた気がした。
そこまで言われたら、普段がああでも響いてくるものがある。
あの子はただのメンヘラな怪物じゃない。
優しい心を持った、いい子なんだ。
私の事が大好きな、大切な私の後輩なんだ!
『だから! 皆さん愛に生きましょう愛に死にましょう愛に狂いましょう! そうすれば、心のスキマがすべて満たされますから! では、またお会いしましょう! ご清聴ありがとうございました!』
だからこそ、止めないと。
これ以上間違った道を進まないように!
うん、麗紗にしてはちょっと感情が高ぶっちゃったね。
普通の人なら精神科に運ばれる所だけど。
「……これで恐怖政治確定だわ。もうやだ……ううっ……」
テーブルの上で突っ伏してめそめそと泣く千歳。
あの子が政治やろうって時点でもう恐怖政治の道しか無いと思う。
政策はちょっとまともな所もあったけど。
施行する本人が全国放送で自傷見せつけてるんだよなあ……。
『政策その2も最高の幸せを手に入れてもらうためのものです! 愛は性別を問いません! もっともっと推進すべきです! 政策その3は子供を愛せない人を無くす為です。愛を注ぎ、きちんと親の姿から学んでこそ子供は大人になるのだと私は考えています。だから、子供を愛さない大人は消え去るべきだと思います! あああ!!!』
麗紗は政策の解説をしながら自分の爪を引き抜いた。
……か、確実にそういう大人を消し去ってくれそうだな。
ていうかこの政策よく見なくてもめちゃくちゃ麗紗に都合がいいように出来てるな。
さっきまで政策をちょっとまともだと思ってた自分が恥ずかしい。
政策まで私と結ばれる為の布石にするなんて……。
どっかの鉄道会社よりもレール敷いてるね!
麗紗は引き抜いた爪を投げ捨ててから解説を続ける。
『そして最後の政策その4ですが……こんなの誰にでも出来ますよね? むしろ出来ない人とか居るんですか? 運命の恋人が傍らに居る状況で? 居ませんよね? そんな堕ちた人間なんて居ませんよね? だからこれは必要のない法律だとは思うんですが万が一、本当に万が一という事で作らせて頂きました。もし居たらこの私が自ら究極の苦痛を与え続けて差し上げます! 運命の恋人を苦しませたその罪を愚かな脳でも理解出来るようにして差し上げます! うw……あああああああ!!! 口にするのも虫唾が走るので口に出しませんがもしあればどんな方法でも良いので私に言って下さい! いつ何時でも実行します殺します! 自分の愛する人が他のああああああ!!! これも言いたくないので言いませんがそうなってしまった時の苦しみは指を引き千切った時よりも目玉を抉り出して潰した時よりも何無量大数倍も苦しいんです! 私はそれを皆さんの中の一人にも味わせたくないんです! 故に苦しみを超えた苦しみを味わせた末の死刑というのは当たり前なんです! 絶対にこれを覆してはいけないし許してはいけない! だからそれをする人間……いや、ゴミ以下のクズ以下の何かは全て粛清します! 何があっても!! 何があろうと!!!』
「「「「…………」」」」
自分の肉を削ぎながら、そう断言する麗紗。
……あの子を止めないと。
床に広がっていく血の海を見て、私は深く決意する。
すると麗紗はふと肉を削ぐのをやめて、画面越しの私達にこう言った。
『……これで政策は以上です。そして、7月9日は私の愛しい先輩の誕生日なので祝日とします! 先輩の誕生日を国民総出でお祝いしましょうね! 正月やクリスマスなんかよりもずっと神聖な日でおめでたい日ですよ!』
「おめでたいのは麗紗の頭だよ……」
頼むから私の誕生日を祝日に変えないでほしい。
何の意味も無い日だよ! 神聖さのへったくれもないよ!
ていうか手が真っ赤な状態で言われても多分国民の皆様は内容が頭に入ってきてないよ!
恐怖で気絶してるか吐いてるかだと思う。
これで平然としていられるのは私達ぐらいだ。
そんな事を考えていると、麗紗がふと間を置いて、続けた。
『あと……最後に一つだけ、皆さんにお伝えしたい事があります』
「まだ何かあんのかよ……」
狂気に満ちた顔から真剣な顔に切り替える麗紗に、耕一郎がそう悪態をつく。
これ以上何をやらかすんだよ……。
画面を観ていた誰もがそう思っただろう。
『それは、人間は愛があればとっても幸せになれるという事です! どんなに不幸であろうとも、どんなに辛くても、愛があれば打ち壊せるんです! そして、誰からも愛されない人間なんて居ません。私は、こんなでも先輩に見てもらえました。クズで愚かで不細工で不器用で弱者で狂人で怪物な私でも大好きな人に見てもらえました。それが……すごくすごく嬉しかったんです……! すごくすごく幸せだったんです……!』
「麗紗……!」
麗紗の人間としての温かい心が、見えた気がした。
そこまで言われたら、普段がああでも響いてくるものがある。
あの子はただのメンヘラな怪物じゃない。
優しい心を持った、いい子なんだ。
私の事が大好きな、大切な私の後輩なんだ!
『だから! 皆さん愛に生きましょう愛に死にましょう愛に狂いましょう! そうすれば、心のスキマがすべて満たされますから! では、またお会いしましょう! ご清聴ありがとうございました!』
だからこそ、止めないと。
これ以上間違った道を進まないように!
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