麗紗ちゃんは最狂メンヘラ

吉野かぼす

文字の大きさ
98 / 211
第四章 プレゼントですよ先輩!

#リスカ演説

しおりを挟む
 麗紗は演説を締めると、いかにもやりきったという顔をしながら画面の外に出ていった。

 その後『映像の乱れが生じました』という画が表示される。

 映像の乱れとかいうレベルじゃないでしょ……。
 他のチャンネルに切り替えてみると、速報になっていた。

『たった今情報が入りました。NNN国民放送のニュースに特色者と思われる人物が乱入し、日本を支配するなどいった内容の演説を行いました。繰り返しお伝えします――』

「ああああ……とんでもない事に……!」

 凍牙が顔を青ざめてそう声を震わせる。
 まあ……速報にもなるか……。

『事件現場は斯波県月宮市のNNN放送センターで、現場は悲惨な状況になっているという事です』

 確かに悲惨な状況になってるね! 
 流れてる血はほぼ全部麗紗のだけど。

 ちなみに私達が住んでいる鈍市があるのが斯波県だ。

 鈍市は田舎だけど隣の月宮市とかに行けば普通に都会で、NNNの本部があったりやたら高い寿司屋があったりするのだ。

 そういえば今ボヤイッターどうなってるんだろう。
 ハッシュタグ付けられてトレンドに乗ってそうだ。

 ポケットから携帯を取り出してボヤイッターを開き、トレンドの欄を見てみる。

 するとそこには、#桜月麗紗、#リスカ演説、#浮気死刑化などのタグが乗っていた。

 やったね麗紗! トレンド入りだよすごいね! 
 みんなのぼやきを見てみよう!

―――――――――――――――――
見ていて吐き気がこみあげてきました
血に弱い同僚が倒れました
こんな事が許されていいのでしょうか
#リスカ演説
◁3 ⏎24 ♡105
―――――――――――――――――
なんで誰も止めなかったんだ
#リスカ演説
◁1 ⏎7 ♡20
―――――――――――――――――
特色機動隊!!!! はやくきてくれーっ!!!!
#桜月麗紗
#リスカ演説
◁ ⏎2 ♡4
―――――――――――――――――
こんなメンヘラに愛されてる
先輩の事を思うと涙が止まりません

この子の親はいったいどういう教育をしてきたのか
#桜月麗紗
◁16 ⏎347 ♡2204
―――――――――――――――――
#桜月麗紗
この子の精神状態どうなってるの? 怖い
◁2 ⏎12 ♡56
―――――――――――――――――
#浮気死刑化
この位あってもいいと思います
男性の浮気でどれだけの女性が苦しめられたことか
死刑になって当然です
そんな男性は惨たらしく死ぬべき
◁456 ⏎234 ♡6
―――――――――――――――――

 ……そりゃこんな反応するよね。
 約一名やや偏ってるけど気にしないでおこう。

 麗紗のリスカ演説は一体どこまで影響を与えるんだ……!?



「ちょっと何よこれ……やっぱりあの女狂ってる……大丈夫かな弥栄……」



「こ、これは……あなた……!」
「嘘……!? ってあの子……確か琥珀の……!」

「え? 優紀の知り合いなの!?」
「知り合いっていうか……顔は知ってるだけで話したことない……そんな事よりもお父さんがやばいよ……!」

「……大丈夫かしら……あの人……お願い無事でいて……!」



鴻池雷電こうのいけらいでん隊長、出動を許可する!』
『はっ!』

『総員に告ぐ! 特色機動隊、出動!』
『『『『『はっ!』』』』』



「……おい、あれアイツ等がビビってたお嬢様じゃないか?」
「ほんとだ……日本を支配するですって? あはは! ご愁傷様ねあのクソ野郎共!」

「いやいや私達も笑えねーぞ。コイツめっちゃリスカしてるし完全にヤベー奴じゃん。あとそれにいい加減私らの次の職場どーすんだよ……」

「……それを全部解決する答えが今テレビに映ってるじゃない」
「……はぁ? 何言ってんだお前……正気か……?」



「社長……! これは一体どういう事です!」
「……完全に不測の事態だ……! あの災厄め……ッ!」



「……ニンゲンという種族は実に面白いね、fijk」
「ほんとうにそうね! あっ、この子わたしにそっくりだわ!」

「いやいやいやいや! 確かにちょっと似ているかもしれないがfijkの可愛さとはまるで勝負になってないじゃないか! 君はもっとこう……深い趣と輝かんばかりの可愛さと尊さ……そしてeofed……おっと、この言葉は二ホン語とやらには無かったよ」

「やだ~もうygrtったら! それにしても二ホンゴっていうのは簡単な言語なのね。語彙も少ないし。ygrt、うっかり外でgke語使わないでよ」

「分かっているよ。fijkの可愛さに見惚れて、つい……」
「あなたいつもそうじゃない……ほんとに大丈夫なの~? いずれはここをシハイするんでしょ?」

「そうだよ……でもそれよりも前にやるべき事がある。
wekogの更なる散布と……君とのこの星の調査だ」

「……素直にデートって言いなさいよ」
「fijk、それは言わない約束だよ……」



 ボヤイッターやらネットニュースやらを見ていると、新たな速報が流された。

『――さらに情報が入りました。たった今、特色機動隊が現場に到着しました』

「特色機動隊って……! まさか……!」
「まずいわね……」

 千歳が深刻そうな顔でそう呟く。
 特色機動隊じゃ麗紗には通用しない……! 

 これじゃ無駄な犠牲が増えるだけだ……! 



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

私がガチなのは内緒である

ありきた
青春
愛の強さなら誰にも負けない桜野真菜と、明るく陽気な此木萌恵。寝食を共にする幼なじみの2人による、日常系百合ラブコメです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私と先輩のキス日和

壽倉雅
恋愛
出版社で小説担当の編集者をしている山辺梢は、恋愛小説家・三田村理絵の担当を新たにすることになった。公に顔出しをしていないため理絵の顔を知らない梢は、マンション兼事務所となっている理絵のもとを訪れるが、理絵を見た途端に梢は唖然とする。理絵の正体は、10年前に梢のファーストキスの相手であった高校の先輩・村田笑理だったのだ。笑理との10年ぶりの再会により、二人の関係は濃密なものになっていく。

学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった

白藍まこと
恋愛
 主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。  クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。  明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。  しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。  そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。  三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。 ※他サイトでも掲載中です。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

処理中です...