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最終章 最狂の愛
ガータードライブ
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「わあ……! ここがボウリング場……」
「来るのは初めてなの?」
「はい……! 一回行ってみたかったんです……!」
今日、私達はボウリング場に来ていた。
初めて見る光景に、麗紗は目を輝かせている。
私もここに来るのは久しぶりだった。
中学生の時に友達と行った時以来じゃないかな?
あんまり覚えてないけど。
ていうかボウリング場ってこんなんだったっけ……。
ボウリング用のレンタルシューズを履きながら、私はきょろきょろとボウリング場を見渡す。
縦が短く横に長い、ボウリングをするためだけに作られた独特な空間。
ぴかぴかのボールが、投げてほしそうにこちらを見ている。
肌色のレーンがツヤツヤと眩しいまでに光沢を放ち、レーンの奥ではピンが倒してみろよと言わんばかりに堂々と仁王立ちしている。
あちこちから、ガコンとピンがなぎ倒される音やボールがレーンの奥に吸い込まれる音が聞こえてくる。
一体、どれだけのボールがガーターに食われているのだろう。
隣のレーンでは普通に上手いお兄さんが華麗にボールを滑らせピンを全部倒していた。
「それじゃあ早速投げましょうよ!」
「うん! ……ってあれ? 麗紗、シューズは?」
「あっ! 履き忘れてました……た、楽しみすぎたんですよぉ……」
「ふへへ……」
ボールを置いていそいそとシューズを履く麗紗。
かわいすぎてうっかり変な笑いが出ちゃったじゃないか!
今の私の顔を見たらたぶんすごく気持ち悪い顔になってると思う。
ボウリング場をデート場所に選んだのは私の英断だったね!
「気を取り直して……行きましょう琥珀先輩!」
「うん! 麗紗先に投げていいよ。私やったことあるし」
「いいんですか!? ではお言葉に甘えて……!」
麗紗はにこにこと子供みたいな笑顔を浮かべながら一番重いボールを手に取り……投げた。
まるで大砲みたいに……。
ボールがピンの上の壁に衝突し普通のボウリングじゃ出せない轟音が響き渡る。
いや、これは出しちゃいけない部類の音だ。
ピンの上の変な機械大丈夫かな……。
と、心配していたけど機械はちゃんと動いてピンを交換してくれていた。
一本も補充する必要なかったけどね。
麗紗、どんまい。
「なんで一本も倒れてないんですかぁ琥珀先輩!? 渾身の一球だったのに!」
「投げ方がぜんぜん違うからだよ麗紗……私がお手本を見せてあげるから見ててね!」
しょんぼりする麗紗もかわいいなあ……。
ここは私が先輩として教えてあげなきゃね!
かっこいいところを見せるチャンスだ!
「はい! お願いします! がんばってくださいね琥珀先輩!」
「よーし……!」
麗紗の応援を貰った私はいつもの無限倍も力を出せる……!
愛を球に注ぎ込んで、ボールを滑らせる。
私の麗紗への愛がこもりにこもったそのボールは、滑らかな曲線を描きガーターへと入っていった。
「………………」
「そ、そういう時もありますよ琥珀先輩!」
麗紗のフォローが痛い。
かわいいけど痛い。
つ、次はちゃんと投げてみせる!
前やった時は70点くらいスコアが出たんだ!
たまたま運が悪かっただけなんだ……!
自分にそう言い聞かせながら二投目を投げる。
ボールが真ん中のピンを怯むように避けていき外側のピンを倒していく。
結果的に四本くらいピンが倒れた。
これはまあまあ……いや微妙だなあ……。
どうせならストライクとか取りたかったよ!
なんで狙ったところからずれるんだよ!
「すごいです琥珀先輩……! ああやって投げるんですね!」
「そうだよ……投げるっていうより転がすって感じ」
「なるほど……! やってみます!」
「がんばって! 麗紗ならぜったいできるよ!」
麗紗は真剣な表情でボールを持ち、私が言ったとおりに転がすように投げた。
ボールが、吸い込まれるように真ん中のピンに当たり、ほぼ全部のピンが倒される。
一本だけ根性の座ったピンが生き残っている。
「ああ! 惜しい!」
「あと一本でストライクだったのに……!」
顔を伏せて悔しがる麗紗。
ただここでもしストライク取られてたら先輩としての面目丸つぶれだったから逆によかったかもしれない。
「うう……悔しいです……」
「でもめちゃくちゃ凄いよ? 初めてであんなに倒せるなんて……!」
「確かにそれもそうですね……琥珀先輩に教えてもらったおかげです!」
「いやいや……麗紗ががんばっただけだよ! よしよ~し」
「えへへ……」
がんばった麗紗の頭をわしゃわしゃと撫でる。
麗紗は気持ちよさそうに目を細めた。
その後も麗紗をかわいがりながら球を投げ続けた。
ちなみに最終的なスコアは麗紗にぼろ負けした。
百点くらい差を付けられて。
れ、麗紗は褒めて伸びる子だったんだね!
先輩としての面目は丸つぶれどころじゃなかったけど麗紗が強すぎたからしょうがない。
まあかわいかったからいいか!
「来るのは初めてなの?」
「はい……! 一回行ってみたかったんです……!」
今日、私達はボウリング場に来ていた。
初めて見る光景に、麗紗は目を輝かせている。
私もここに来るのは久しぶりだった。
中学生の時に友達と行った時以来じゃないかな?
あんまり覚えてないけど。
ていうかボウリング場ってこんなんだったっけ……。
ボウリング用のレンタルシューズを履きながら、私はきょろきょろとボウリング場を見渡す。
縦が短く横に長い、ボウリングをするためだけに作られた独特な空間。
ぴかぴかのボールが、投げてほしそうにこちらを見ている。
肌色のレーンがツヤツヤと眩しいまでに光沢を放ち、レーンの奥ではピンが倒してみろよと言わんばかりに堂々と仁王立ちしている。
あちこちから、ガコンとピンがなぎ倒される音やボールがレーンの奥に吸い込まれる音が聞こえてくる。
一体、どれだけのボールがガーターに食われているのだろう。
隣のレーンでは普通に上手いお兄さんが華麗にボールを滑らせピンを全部倒していた。
「それじゃあ早速投げましょうよ!」
「うん! ……ってあれ? 麗紗、シューズは?」
「あっ! 履き忘れてました……た、楽しみすぎたんですよぉ……」
「ふへへ……」
ボールを置いていそいそとシューズを履く麗紗。
かわいすぎてうっかり変な笑いが出ちゃったじゃないか!
今の私の顔を見たらたぶんすごく気持ち悪い顔になってると思う。
ボウリング場をデート場所に選んだのは私の英断だったね!
「気を取り直して……行きましょう琥珀先輩!」
「うん! 麗紗先に投げていいよ。私やったことあるし」
「いいんですか!? ではお言葉に甘えて……!」
麗紗はにこにこと子供みたいな笑顔を浮かべながら一番重いボールを手に取り……投げた。
まるで大砲みたいに……。
ボールがピンの上の壁に衝突し普通のボウリングじゃ出せない轟音が響き渡る。
いや、これは出しちゃいけない部類の音だ。
ピンの上の変な機械大丈夫かな……。
と、心配していたけど機械はちゃんと動いてピンを交換してくれていた。
一本も補充する必要なかったけどね。
麗紗、どんまい。
「なんで一本も倒れてないんですかぁ琥珀先輩!? 渾身の一球だったのに!」
「投げ方がぜんぜん違うからだよ麗紗……私がお手本を見せてあげるから見ててね!」
しょんぼりする麗紗もかわいいなあ……。
ここは私が先輩として教えてあげなきゃね!
かっこいいところを見せるチャンスだ!
「はい! お願いします! がんばってくださいね琥珀先輩!」
「よーし……!」
麗紗の応援を貰った私はいつもの無限倍も力を出せる……!
愛を球に注ぎ込んで、ボールを滑らせる。
私の麗紗への愛がこもりにこもったそのボールは、滑らかな曲線を描きガーターへと入っていった。
「………………」
「そ、そういう時もありますよ琥珀先輩!」
麗紗のフォローが痛い。
かわいいけど痛い。
つ、次はちゃんと投げてみせる!
前やった時は70点くらいスコアが出たんだ!
たまたま運が悪かっただけなんだ……!
自分にそう言い聞かせながら二投目を投げる。
ボールが真ん中のピンを怯むように避けていき外側のピンを倒していく。
結果的に四本くらいピンが倒れた。
これはまあまあ……いや微妙だなあ……。
どうせならストライクとか取りたかったよ!
なんで狙ったところからずれるんだよ!
「すごいです琥珀先輩……! ああやって投げるんですね!」
「そうだよ……投げるっていうより転がすって感じ」
「なるほど……! やってみます!」
「がんばって! 麗紗ならぜったいできるよ!」
麗紗は真剣な表情でボールを持ち、私が言ったとおりに転がすように投げた。
ボールが、吸い込まれるように真ん中のピンに当たり、ほぼ全部のピンが倒される。
一本だけ根性の座ったピンが生き残っている。
「ああ! 惜しい!」
「あと一本でストライクだったのに……!」
顔を伏せて悔しがる麗紗。
ただここでもしストライク取られてたら先輩としての面目丸つぶれだったから逆によかったかもしれない。
「うう……悔しいです……」
「でもめちゃくちゃ凄いよ? 初めてであんなに倒せるなんて……!」
「確かにそれもそうですね……琥珀先輩に教えてもらったおかげです!」
「いやいや……麗紗ががんばっただけだよ! よしよ~し」
「えへへ……」
がんばった麗紗の頭をわしゃわしゃと撫でる。
麗紗は気持ちよさそうに目を細めた。
その後も麗紗をかわいがりながら球を投げ続けた。
ちなみに最終的なスコアは麗紗にぼろ負けした。
百点くらい差を付けられて。
れ、麗紗は褒めて伸びる子だったんだね!
先輩としての面目は丸つぶれどころじゃなかったけど麗紗が強すぎたからしょうがない。
まあかわいかったからいいか!
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