幸せまでの時間

めと

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DAY2

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翌朝起きると雪が降っていた。

ニュース…は別に良いか。
この降り方は積もるだろうし。

どうせ母親もニュース見てないし分かんないだろ。

うちの母親もニュースを全く見ない人だ。


パジャマのまま
リビングに降りると母親が

「おはよう。なんか手紙が届いてるわよ。中は見てないけど、宛先が役所よ?何かしたの?」

と笑いながら言われたので

「何もしてないよ!怖い事言わないでくれよ…」

実は内心ビビっていた。

何もしてないからこそ
何だろう?という気持ちがあったから。

「とりあえず朝ごはん食べて行ってきなさい。大事な内容かもしれないし。」

「朝ごはんは良いや、これから積もるかもしれないから早めに出て早くに帰宅するよ。」

「あらそう?ならせめて暖かい服着て暖かい飲み物買って行きなさい。」

と1000円を渡してくれた。

「ありがとう。じゃあ行ってくるよ。」

そう言って着替えて役所へ向かった。

道中、随分人が多いなぁと思いながら歩いていると

数十分後、役所についた。
手紙の内容にあった指定の窓口へ行くと

かなりの人だかりだ。

何事かと思いながら順番待ちをしてると

奥から大きな声で

「なんでだよ!!勘弁してくれよ!!俺には妻も子供もいる!!」

なんて事や

「なんでこんな時代に…何で


良く聞いてみると

【徴兵制度解禁】

そのワード聞いた時に
頭が真っ白になった。

正常な思考でいられない。
足も震えている。
気持ちが悪い。

いわゆる、人間の不調を表す全てが集約された状態だ。


な…んで?
こんな時代に徴兵?戦争?

いや戦争とは決まった訳では無い。
ちゃんと話を聞いてみよう。

そんなことを考えていると、窓口の人間が大きな声で

「静かに!!貴方達は選ばれたんです。国の為に戦うのです!!」

そう言うと、ある物を見せてきた。

そう。銃である。
それが偽物か本物かは分からないような代物ではなく、明らかに本物だと分かるような物々しさがあった。

続けてそいつはこう言った。

「戦争、すなわち貴方達は兵士です!これからあなた等は軍に配備されて訓練を受けて貰います。いま日本は多額の借金を抱えています。その額なんと【80兆】に及びます。」

私は金額にビックリした。

普段からニュースも見ないし情勢に興味が無かった事を悔やんでいる。

「しかし、貴方達は日本軍に配備される訳では無いのです。アメリカ軍を初め、他国軍へと配備されます。何故なら国の借金返済の為、借金している国へ人員1人につき200万の値で協議会で決定されたのです。」

ふざけるな!人間1人の命を何だと思っているんだ!!

憤りを感じるが口に出せないほどに悔しさと怒りが込み上げている。

「今から一人一人に紙を渡します。その指示に従いに各々が明日までに行動を移すこと。これが最初の任務です。」

説明を受けている最中、ある人物が大きな声で

「ふざけるな!!俺はやらないぞ!!従わないぞ!!」

と言いながら出口へ向かうと

乾いた音で
「パンッ!!」聞こえてきた。

静まり返る中
バタッと人が倒れて、頭から大量の血を流している。

そう、撃たれたのだ。

「逆らうものには射殺命令が出ていますので。」

その瞬間、悲鳴が大多数から聞こえて来て庁内はパニック。

集まった人間ほぼ全員が出口に向かって走り出した。

すると出口には
20数名?ほどの兵士が銃を持って出口を塞いでいた。

いつのまに!?と思ったが
このまま出口に行くのはまずいと思い立ち止まった。

依然、パニックは収まらず
出口に向かう者が居たが、先ほどの男と同じように撃たれている。

さすがに状況が状況なだけに
周りは静まり返り後退りする。

「さて、皆様並んで紙を貰った方からすぐに行動に移して下さいね。」

各々が紙を貰い始めて2時間
自分の番が回って来た。

「はい、それではお国の為に頑張って来てください。」

絶望しながら紙を開けてみると

【配備国=アメリカ軍】
【使用武器=モスバーグ M500】
【航空チケット1枚 片道】

国はアメリカ…
銃は…
モスバーグM500…?

見た感じショットガンみたいだが…

いまはどうでもいい。
とにかく現実から逃げ出したい。

これからどうなるんだ…
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