みとれるミタとみとれられるミト

すぷふら

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おふたりさんが出会う前

水戸廉太郎

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「え、あの人やばくなーい?」

「うぉっ!めっちゃタイプ。おまえ声かけてこいよー。」

うるさいな。

「なにあの人めっちゃスタイルよくない?モデルとかやってんじゃないの?」

ああ、そうだよ。モデルだよ。モデルで悪いかよ。ただ僕は男だぞ。

全く。みんな僕の内面を見てはくれないんだな。僕は水戸廉太郎。まあ、聞いたことあるかもしれないけどわりと有名なベテランモデル…というかタレント。37歳。物腰の柔らかい感じと落ち着いたトークに定評がある。自分でいうのも何だが。

ところで実は今女装しているのだ。身長178㎝体重64㎏。このスタイルをいかしてモデルとして波に乗りつつあった10年前、ケバケバした渋谷の女子高生にベタベタと触られ騒がれすごく嫌な感じがしたがサービス業なだけになにも言えず、どうすればよいかと悩んでいたんだ。

 そこで僕が考えたのは女装だった。ある日通販で買った赤の上下に黒のロングコート、ヒール、ハットとサングラスでこっぱずかしさを捨てて外へ出ると自分が違う生き物になったかのような快感に襲われた。周りには自分よりスタイルが良くなくてもキラキラした女子がいて、皆が自分を磨いてて、向上心というものが好きな僕は癖になってしまった。

それからというもの、僕の地元がなかなかの田舎でアクセスだけやたら良かったので、女装で田舎に通うのが僕の日課となりつつあった。


…水戸さんのお話に関しては片倉の出番はないようですね。
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