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cafeでteaをdrink
ファーストコンタクト
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足元からぞぞっと寒さが押し寄せる。
あぁ、なんて寒いんだ。こんな日は身体を冷やさないようにショウガの紅茶を頻繁に飲むようにしている。そうすると、必然とトイレが近くなる。
しかしながら…
「あの子ほんとかわいい!彼氏待ってんのかな?」
違うよ!女子トイレが空くのを待ってんだよ!なんで寒い日は女子がトイレで喋り続けるのだろう。僕は一応一人前の男だから、誰もいないときにしかいかないんだ。女子トイレには。
だって、この完璧な女装で男子トイレに入ってみろ。大変な騒ぎになるだろ?加えてそれが水戸廉太郎だとバレたらどうなる。大変な騒ぎになるだろ?
マネージャーからメッセージがきた。
「廉太郎!久々のオフ楽しんでますか?明日の入りだけど、雪が降るかもしれないからって30分遅れました。でも、いつも通りの時間に迎えにいくのでちゃんと用意しといてね。明日は混むだろうな~💦」
あぁ、優しきマネージャーよ。僕は「今女子トイレの前で人がいなくなるのを凍えて待っている」なんて言えないから
「了解!今日も冷えてますね。」
と返した。
ふと気づくと女子トイレが静かになっている。時計の針は真上に集合していた。なるほどお昼どきか。そう納得しつつ女子トイレに入った。いつもここでトイレに人がいると、鏡をチェックするふりをして諦めて出ていくのだが、今日は運のいいことに人がいない。よかった。ここでトイレに行かないと家に帰れない。というのも、家まで一時間半トイレのない電車に揺られなければならないからだ。
タイツをおろしてスカートを胸の辺りまであげる。座りションは許せないので洋式便所に向かって…こんなに詳しく説明はいらないな。その時、ペタペタと人の足音が聞こえた。まずいと思いつつも、用便中の音消しを流しているし用を足して出ればよい話なので落ち着いて用を足していた。…ん?いや待てよ?あの足音近くまで来たのにそのあと全く聞こえないし、ドアがしまった様子もない。普通なら気にならないが今は感覚が過敏になっていてものすごく不思議な感じがした。
「うぉえっ!?」
今男の声が後ろからしたような…‼バッと振り返るとそこには誰もいない。そこで少し咳払いをしてから高い声で
「気のせいか…」
と呟くが早いか身だしなみをほんの数秒で整えドアを開け周りを見渡す。不意打ちを狙った。
「えっうわっ」
壁際から聞こえたのは男の声と走り出す音。嘘だろ、俺は今日ヒールなんだぞ…
と、見せかけて某県高校陸上選抜選手だった僕は素人の若者くらい軽く捕まえられる。たとえヒールだろうと!
ガシッ
「え、うわ…俺は何も…ほんとすんません。…でもあなた…あの…手!手洗ってないっすよね…」
「あ…」
気まずい二人の間に生まれる気まずい沈黙。
「…いや、いいから、もう警察連れてきますよ!」
「え、俺はまぁあれっすけど…お姉さん…いや、お兄さんが困るんじゃないっすか?」
「あ…」
再び沈黙。
「ちょっとカフェでお話ししません?」
僕はいろいろ頭を整理したくて、とびっきりの笑顔で、芸能人の専売特許の笑顔で、ついカフェに誘ってしまった。
あぁ、なんて寒いんだ。こんな日は身体を冷やさないようにショウガの紅茶を頻繁に飲むようにしている。そうすると、必然とトイレが近くなる。
しかしながら…
「あの子ほんとかわいい!彼氏待ってんのかな?」
違うよ!女子トイレが空くのを待ってんだよ!なんで寒い日は女子がトイレで喋り続けるのだろう。僕は一応一人前の男だから、誰もいないときにしかいかないんだ。女子トイレには。
だって、この完璧な女装で男子トイレに入ってみろ。大変な騒ぎになるだろ?加えてそれが水戸廉太郎だとバレたらどうなる。大変な騒ぎになるだろ?
マネージャーからメッセージがきた。
「廉太郎!久々のオフ楽しんでますか?明日の入りだけど、雪が降るかもしれないからって30分遅れました。でも、いつも通りの時間に迎えにいくのでちゃんと用意しといてね。明日は混むだろうな~💦」
あぁ、優しきマネージャーよ。僕は「今女子トイレの前で人がいなくなるのを凍えて待っている」なんて言えないから
「了解!今日も冷えてますね。」
と返した。
ふと気づくと女子トイレが静かになっている。時計の針は真上に集合していた。なるほどお昼どきか。そう納得しつつ女子トイレに入った。いつもここでトイレに人がいると、鏡をチェックするふりをして諦めて出ていくのだが、今日は運のいいことに人がいない。よかった。ここでトイレに行かないと家に帰れない。というのも、家まで一時間半トイレのない電車に揺られなければならないからだ。
タイツをおろしてスカートを胸の辺りまであげる。座りションは許せないので洋式便所に向かって…こんなに詳しく説明はいらないな。その時、ペタペタと人の足音が聞こえた。まずいと思いつつも、用便中の音消しを流しているし用を足して出ればよい話なので落ち着いて用を足していた。…ん?いや待てよ?あの足音近くまで来たのにそのあと全く聞こえないし、ドアがしまった様子もない。普通なら気にならないが今は感覚が過敏になっていてものすごく不思議な感じがした。
「うぉえっ!?」
今男の声が後ろからしたような…‼バッと振り返るとそこには誰もいない。そこで少し咳払いをしてから高い声で
「気のせいか…」
と呟くが早いか身だしなみをほんの数秒で整えドアを開け周りを見渡す。不意打ちを狙った。
「えっうわっ」
壁際から聞こえたのは男の声と走り出す音。嘘だろ、俺は今日ヒールなんだぞ…
と、見せかけて某県高校陸上選抜選手だった僕は素人の若者くらい軽く捕まえられる。たとえヒールだろうと!
ガシッ
「え、うわ…俺は何も…ほんとすんません。…でもあなた…あの…手!手洗ってないっすよね…」
「あ…」
気まずい二人の間に生まれる気まずい沈黙。
「…いや、いいから、もう警察連れてきますよ!」
「え、俺はまぁあれっすけど…お姉さん…いや、お兄さんが困るんじゃないっすか?」
「あ…」
再び沈黙。
「ちょっとカフェでお話ししません?」
僕はいろいろ頭を整理したくて、とびっきりの笑顔で、芸能人の専売特許の笑顔で、ついカフェに誘ってしまった。
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