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第2章:異端審問官の学び舎
54:ドキドキ反抗タイム
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リリーを小突いたボレアリスのステッキを掴んで離さないまま、ディアナはボレアリスを凝視する。
父に反抗したのはこれが生涯初だ。
極度の緊張から彼女の額からは汗が流れ、心臓は肋骨を破りそうな勢いで『ドクン!!!ドクン!!!』激しく脈打つ。
しかし、ディアナにとってリリーはもう立派な友人だ。
友人に無礼をはたらいたのならば、たとえ父親であっても異を唱えるべきだ。
気丈に振舞うディアナを、ボレアリスは冷徹な眼差しを向けてくる。
その突き刺すような視線が、ディアナの緊張を更に高める。
「何をやっている?離せ。」
ボレアリスはステッキを引っ張って、ディアナの手を強引に離しにかかった。
しかしディアナは、頑なにステッキを離そうとしない。
「りっ、リリーに・・・!!あやっ、謝って下さいっっっ!!!」
ディアナはリリーに不届きをはたらいたボレアリスに謝罪を要求した。
「誰が謝るか。こんな醜い魔女の娘に・・・。」
「リリーは醜くなんかありませんっっっ!!!」
ディアナは厳しい口調でボレアリスを叱責した。
「何だと?」
「しょっ、少々好奇心が激しくて、誰にでも距離を測らず、接してくるところは、ありますが・・・決して醜くなんかありません!!わたくし達傲り高ぶったミカエル家の者よりも、明るく、元気で、そして立派な子ですっっっ!!!大事な友達への無礼は、絶対に許しません!!さぁ!早く謝って下さいっっっ!!!」
「・・・・・・・。」
ボレアリスの平手打ちがディアナに飛んできた。
叩かれた頬を真っ赤にしながらも、ディアナはボレアリスに毅然とした態度を崩さない。
それに腹が立ったボレアリスは、もう一発お見舞いしようとする。
「もう止めんか。晴れ姿の娘になんてことするんじゃい。」
マリアが割って入り、ボレアリスは「ちっ!」と舌打ちをして強引にディアナからステッキを取り上げた。
「お前の寝ぼけた頭は今日晴れる。家に帰ったらよく躾けてやるから覚悟しておけ。」
ボレアリスはそう捨てゼリフを残して、控室を出て行った。
父親とのいざこざが終わると、ディアナはその場でへたれ込んでしまった。
「ちょちょちょ!!ディアナ!!大丈夫?」
心配したリリーがディアナの肩を持ってやる。
「親に逆らうのが、これほど勇気のあることなんて、思いもよりませんでした・・・。」
「ドキドキの初体験ってヤツだね?ボクにもあったよ。」
「あなたも、ですか・・・?」
「ママに「セロリもうご飯に入れないで!!」って怒った。次の日何を食べてもセロリの味しかしない魔法かけられちゃったけど。あれ?なんか思い出したらま~た腹立ってきた・・・。」
「ぷぷっ!あなたのお母さん、すごく強情ですね。」
「だよね!?だよね!?そこまでしなくてもよくない!?」
リリーの昔話で場の空気が和んで、リリーとディアナはしばらく笑い合った。
「ありがとう。」
「え?」
「なんか知らないけどボクのために怒ってくれて。やっぱ、ディアナは優しいなぁ~。」
ぎゅっ~っと抱きしめてきたリリーに、ディアナはとても穏やかな笑顔になった。
「さて!」
一連を見届けたマリアが、手を叩いて二人を現実に戻す。
「厄介な客もいなくなったことじゃし、どうやらお主ら、最高のコンディションに仕上がったらしいの?もはや誰が相手でも負けまい?」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「うん!」
「もちろんです。」
互いのに見つめ合った後、リリーとディアナは自信に満ち溢れた返事を送った。
父に反抗したのはこれが生涯初だ。
極度の緊張から彼女の額からは汗が流れ、心臓は肋骨を破りそうな勢いで『ドクン!!!ドクン!!!』激しく脈打つ。
しかし、ディアナにとってリリーはもう立派な友人だ。
友人に無礼をはたらいたのならば、たとえ父親であっても異を唱えるべきだ。
気丈に振舞うディアナを、ボレアリスは冷徹な眼差しを向けてくる。
その突き刺すような視線が、ディアナの緊張を更に高める。
「何をやっている?離せ。」
ボレアリスはステッキを引っ張って、ディアナの手を強引に離しにかかった。
しかしディアナは、頑なにステッキを離そうとしない。
「りっ、リリーに・・・!!あやっ、謝って下さいっっっ!!!」
ディアナはリリーに不届きをはたらいたボレアリスに謝罪を要求した。
「誰が謝るか。こんな醜い魔女の娘に・・・。」
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ディアナは厳しい口調でボレアリスを叱責した。
「何だと?」
「しょっ、少々好奇心が激しくて、誰にでも距離を測らず、接してくるところは、ありますが・・・決して醜くなんかありません!!わたくし達傲り高ぶったミカエル家の者よりも、明るく、元気で、そして立派な子ですっっっ!!!大事な友達への無礼は、絶対に許しません!!さぁ!早く謝って下さいっっっ!!!」
「・・・・・・・。」
ボレアリスの平手打ちがディアナに飛んできた。
叩かれた頬を真っ赤にしながらも、ディアナはボレアリスに毅然とした態度を崩さない。
それに腹が立ったボレアリスは、もう一発お見舞いしようとする。
「もう止めんか。晴れ姿の娘になんてことするんじゃい。」
マリアが割って入り、ボレアリスは「ちっ!」と舌打ちをして強引にディアナからステッキを取り上げた。
「お前の寝ぼけた頭は今日晴れる。家に帰ったらよく躾けてやるから覚悟しておけ。」
ボレアリスはそう捨てゼリフを残して、控室を出て行った。
父親とのいざこざが終わると、ディアナはその場でへたれ込んでしまった。
「ちょちょちょ!!ディアナ!!大丈夫?」
心配したリリーがディアナの肩を持ってやる。
「親に逆らうのが、これほど勇気のあることなんて、思いもよりませんでした・・・。」
「ドキドキの初体験ってヤツだね?ボクにもあったよ。」
「あなたも、ですか・・・?」
「ママに「セロリもうご飯に入れないで!!」って怒った。次の日何を食べてもセロリの味しかしない魔法かけられちゃったけど。あれ?なんか思い出したらま~た腹立ってきた・・・。」
「ぷぷっ!あなたのお母さん、すごく強情ですね。」
「だよね!?だよね!?そこまでしなくてもよくない!?」
リリーの昔話で場の空気が和んで、リリーとディアナはしばらく笑い合った。
「ありがとう。」
「え?」
「なんか知らないけどボクのために怒ってくれて。やっぱ、ディアナは優しいなぁ~。」
ぎゅっ~っと抱きしめてきたリリーに、ディアナはとても穏やかな笑顔になった。
「さて!」
一連を見届けたマリアが、手を叩いて二人を現実に戻す。
「厄介な客もいなくなったことじゃし、どうやらお主ら、最高のコンディションに仕上がったらしいの?もはや誰が相手でも負けまい?」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「うん!」
「もちろんです。」
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