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第3章:禁じられた魔女たち
75:全うせし立場
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エタラバナが魔女の階級の最上位である『禁位の魔女』だと知って、リリーは不安に駆られる。
これだけ苦戦を強いられてたのだから「まさか・・・」とは思っていたが。
「せっ、せんせいどうしよ・・・。この魔女、ママと同じくらい強いんでしょ?」
不安を少しでもかき消そうとフィンリーに呼びかけるリリー。
だが彼の反応は、リリーが思っていたものと違っていた。
「何を言っている?コイツ、全然強くないぞ」
「え・・・?」
慌てもしなく、至って冷静な返しをリリーに送るフィンリー。
「でっ、でもエタラバナってママと同じ『禁位の魔女』なんでしょ?」
「死なないお前とジャンヌの模倣体。2人がかりでこれほど苦戦してればそう判断するのが妥当だろう」
「それを強くないって・・・」
不安がるリリーを安心させるためか、フィンリーはリリーの方を向いて口角を上げた。
「『禁位の魔女』といってもピンからキリまでいるからな。コイツはその中でも最下位に位置している。五階異端審問官の俺でも勝てるくらいにな」
「フィンリーせんせいでも、勝てる・・・」
フィンリーでも勝てると聞き、リリーは少し安堵した。
対するエタラバナは、綿毛に覆われた頭を細かく『ぷるぷる』震わせて、真っ赤になった額にシワを寄せる。
「人間が勝手に番付した強さにいちいち文句を言う気はないけど、そんな得意げな顔をして「勝てる」なんて抜かされると癪に障るわね~ぇ!」
エタラバナは怒れる獅子の如く、全身の綿毛を逆立てて激怒する。
しかしフィンリーはそれに身じろぎ一つせずに、凛と構えていた。
「どうやらやる気溢れているようだな。面白い。俺も久しぶりに気合い入れて仕事に臨むとしよう」
「どこまでそんな飄々としていられるかしら!?人質がたくさんいるのが見えてないの!?」
どうやらエタラバナは、リリーとジャンヌにやった同じ戦法でフィンリーと戦うみたいだ。
「お前こそ、俺にはひよっこだが頼りになる味方がいるのが見えてないのか?」
フィンリーの言葉にリリー、アイリス、ディアナが注目する。
そしてここから、フィンリーに三人に向けて作戦が伝えられる。
「リリー、アイリス。お前らはそこのジャンヌ人形と一緒に失踪者の保護に回れ。51人もいるんだ。少しでも多く人員を割きたい。ディアナは俺のアシストを頼む。お前のレガリエルの『痛み返しの奇蹟』は自分の身を守るだけじゃなく相手にダメージを与えるのに最適だからな」
「わっ、、私、達で・・・」
「『禁位の魔女』を・・・!!」
『禁位の魔女』を相手にするのにアイリスとディアナは未だ抵抗を感じているみたいだった。
それはリリーも同じこと。
母よりの弱いといっても相手は『禁位の魔女』だ。果たして失踪者全員を守れるかどうかなんて分からない。
「でっ、でもせんせい・・・!!」
「・・・・・・・」
迷っているリリーにフィンリーは、サクァヌエルのダガーナイフを投げ、リリーは『ぱしっ』とそれを受け取った。
それが引き金となり、三人の昏々とした意識が一気に覚める。
「お前らの立場を見失うな!お前らで魔女から人を守れ!!」
檄を飛ばすフィンリーの後ろ姿は、誰よりも凛々しく、魔女から人々を守る本物のヒーローのように感じられた。
「りっ、リリー・・・」
「リリー」
「・・・・・・やろう!!ボク達でフィンリーせんせいとみんなを助けるんだ!!」
「うっ、うん!!」
「ええ!!」
腹を括った三人は、フィンリーさんに定められた位置に着くため散開した。
自らの全うせし立場で、成すべきことを成すために。
これだけ苦戦を強いられてたのだから「まさか・・・」とは思っていたが。
「せっ、せんせいどうしよ・・・。この魔女、ママと同じくらい強いんでしょ?」
不安を少しでもかき消そうとフィンリーに呼びかけるリリー。
だが彼の反応は、リリーが思っていたものと違っていた。
「何を言っている?コイツ、全然強くないぞ」
「え・・・?」
慌てもしなく、至って冷静な返しをリリーに送るフィンリー。
「でっ、でもエタラバナってママと同じ『禁位の魔女』なんでしょ?」
「死なないお前とジャンヌの模倣体。2人がかりでこれほど苦戦してればそう判断するのが妥当だろう」
「それを強くないって・・・」
不安がるリリーを安心させるためか、フィンリーはリリーの方を向いて口角を上げた。
「『禁位の魔女』といってもピンからキリまでいるからな。コイツはその中でも最下位に位置している。五階異端審問官の俺でも勝てるくらいにな」
「フィンリーせんせいでも、勝てる・・・」
フィンリーでも勝てると聞き、リリーは少し安堵した。
対するエタラバナは、綿毛に覆われた頭を細かく『ぷるぷる』震わせて、真っ赤になった額にシワを寄せる。
「人間が勝手に番付した強さにいちいち文句を言う気はないけど、そんな得意げな顔をして「勝てる」なんて抜かされると癪に障るわね~ぇ!」
エタラバナは怒れる獅子の如く、全身の綿毛を逆立てて激怒する。
しかしフィンリーはそれに身じろぎ一つせずに、凛と構えていた。
「どうやらやる気溢れているようだな。面白い。俺も久しぶりに気合い入れて仕事に臨むとしよう」
「どこまでそんな飄々としていられるかしら!?人質がたくさんいるのが見えてないの!?」
どうやらエタラバナは、リリーとジャンヌにやった同じ戦法でフィンリーと戦うみたいだ。
「お前こそ、俺にはひよっこだが頼りになる味方がいるのが見えてないのか?」
フィンリーの言葉にリリー、アイリス、ディアナが注目する。
そしてここから、フィンリーに三人に向けて作戦が伝えられる。
「リリー、アイリス。お前らはそこのジャンヌ人形と一緒に失踪者の保護に回れ。51人もいるんだ。少しでも多く人員を割きたい。ディアナは俺のアシストを頼む。お前のレガリエルの『痛み返しの奇蹟』は自分の身を守るだけじゃなく相手にダメージを与えるのに最適だからな」
「わっ、、私、達で・・・」
「『禁位の魔女』を・・・!!」
『禁位の魔女』を相手にするのにアイリスとディアナは未だ抵抗を感じているみたいだった。
それはリリーも同じこと。
母よりの弱いといっても相手は『禁位の魔女』だ。果たして失踪者全員を守れるかどうかなんて分からない。
「でっ、でもせんせい・・・!!」
「・・・・・・・」
迷っているリリーにフィンリーは、サクァヌエルのダガーナイフを投げ、リリーは『ぱしっ』とそれを受け取った。
それが引き金となり、三人の昏々とした意識が一気に覚める。
「お前らの立場を見失うな!お前らで魔女から人を守れ!!」
檄を飛ばすフィンリーの後ろ姿は、誰よりも凛々しく、魔女から人々を守る本物のヒーローのように感じられた。
「りっ、リリー・・・」
「リリー」
「・・・・・・やろう!!ボク達でフィンリーせんせいとみんなを助けるんだ!!」
「うっ、うん!!」
「ええ!!」
腹を括った三人は、フィンリーさんに定められた位置に着くため散開した。
自らの全うせし立場で、成すべきことを成すために。
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