〇〇、とやらをされたらしくて

蓮ヶ崎 漣

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第一章 召喚、とやらをされたらしくて

新しい家族(1/2)

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 カナエールとエアロ、ファインと一緒にリビングに行く。

向かい合う形で椅子に座るとカナエールは嬉しそうに口を開いた。


「さぁ、みんなおいで!新しい家族を紹介するよ!」


カナエールがそう言うとアースとセレンが姿を現した。

ちゃんと並ぶ順番があるらしく一列に並び直す。


「じゃあ、もう紹介したけど一応、エアロちゃんから自己紹介してくれる?」


「分かったわ。アタシはエアロ。風を操る精霊よ。基本的に私の役割は掃除。外の掃除や部屋の掃除を担当してるの。だから、ゴミとかあったらアタシに言いなさい。自分で掃除したいなら事前言って。何も言われてないときは勝手に部屋を掃除するわ。よろしく、シンヤ」


「次は私ですね。セイレーンと申します。どうぞ、セレンと呼んで下さい。水を操る精霊です。私の役割は洗濯と食器洗い、お風呂洗いになります。汚れ物がありましたら私に仰って下さい。洗いますよ。よろしくお願いします、シンヤさん」


「俺はファイン!火を操る精霊だぜ!担当は料理!さっきも言ったが腹が減ったらまず俺に言え!何かしら作ってやるよ!よろしくな!シンヤ!」


「最後は僕。名前はアース、土を操る精霊だよ。植物を育てるのが僕の役割。花の他にも野菜や果物、何でも育ててるよ。よろしく、シンヤ」


「セレンちゃんは気が利く子でとっても優しいよ。ファインくんは口が悪いけど正直者、アースくんは悪戯好きだけど物知りで頭の良い子なんだ。シンヤも仲良くしてくれると嬉しいな」


「おい!カナ!口が悪いって何だよ!」


「僕も心外だよ。悪戯好きだなんて……」


「本当のことでしょ!じゃあ、私も改めて自己紹介をするね。カナエール・ミリアータ。気軽にカナって呼んでね!人間ヒューマン型をしているけど種族は獣人ビースト型なんだ。狼男みたいと言うか……まぁ、狐だよ!でも、獣人ビースト型になることは基本的にないから気にしないで良いかな。あぁ、後、私のことは母親と思ってくれても父親と思ってくれても姉とでも兄とでも思ってくれて良いからね!」


「そうか。馬鹿とでも思っておく」


「えぇっ!?」


俺は何で!?どうして!?と騒ぐ馬鹿を無視して口を開く。


「とりあえず、馬鹿以外よろしくな。俺は森高心矢。高校一年になるはずだった十五歳。一応、これからはシンヤ・フォレストールと名乗る予定だ。呼び名はシンヤが浸透してるからそれでいい。俺を元の世界に帰すのを手伝ってくれ」


俺がそう言うと精霊たちはみんな笑ってそれぞれの言葉で承諾してくれた。

精霊たちと拳を交わすと馬鹿がゴホンッと一回咳払いをして口を開く。


「シンヤ、私にも優しくしてよぉ~!それと!早く元の世界に戻りたいなら早く基本的な魔法くらい使えるようにならなくちゃね!一ヶ月後、君は魔法学校に通うことになる。それまでに使えるようにするよ!スパルタで行くから覚悟していて!」


「はぁっ!?学校!?聞いてねぇよ!!」


「そりゃあそうだよ。今言ったんだもの。さっき出かけたのも魔法学校の学園長に交渉しに行っていたんだよ?私が教えられる魔法も限度があるからね。元の世界に戻りたいなら学校に通うのが一番良いよ。もしかしたら、手っ取り早く戻る方法も見つかるかも知れn……」


「よし!通おう!喜んで魔法でも何でも学んでやる!今からやるか!?もう何でも来い!」


馬鹿の言葉を途中で遮って喋る。



魔法を学ぶ?

学校に通う?

上等じゃねぇか!

元の世界に戻るためなら何でもやってやるよ!

待っててくれよ、母さん!

すぐに戻るからな!



そう意気込んでいたら馬鹿が口を開いた。

馬鹿は思いも寄らない言葉を口にする。


「いや、今日はゆっくり休むと良いよ。元気そうにしているけどきっと疲れているだろうから。魔法の特訓は明日の朝五時から始めるよ」


「はぁっ!?俺なら大丈夫だ!今すぐにでも始められる!」


「駄目だよ。セレンちゃん、お風呂を沸かしてきてくれる?ファインくんは夕食の準備をお願い」


「分かりました。エアロ、手伝ってくれますか?」


「もちろんよ!」


「任せとけ!アース!食材取りに行くぞ!」


「はいはい。そんな大きな声を出さなくても聞こえてるよ」


「それじゃあ、シンヤ。部屋に行こうか」


精霊たちはそれぞれ言われた通りに行動して俺は半ば強制的に部屋に連れて行かれる。

俺の部屋に着くと馬鹿が口を開いた。


「必要最低限なものは揃えておいたはずだけど他にも必要なものがあったら言ってね?すぐに用意するから!説明はエアロちゃんがしてくれただろうから要らないかな」


「……あぁ、大丈夫だ」


俺がそう素っ気なく返事をすると馬鹿は苦笑いをしながら口を開く。


「機嫌が悪そうだね?」



そりゃそうだ。

折角人がやる気になってるのにお預けとか拷問か。

機嫌を損ねるには充分な理由だと思う。



俺が何も答えないでいると馬鹿は言葉を続けた。


「シンヤの気持ちは分からなくもないよ。でも、今日はたくさん驚いたでしょ?色んな事を聞いてその話のほとんどがシンヤにとっては初めて聞くことばかりだったと思う。体も心も元気かもしれないけど脳はもう疲れ切っていると思うんだ」


優しく説得するように言葉を紡ぐ。


「そんな状態で魔法の特訓をしても巧くいかないよ。巧くいかなければシンヤは自分を責めるでしょ?何で出来ないんだ、俺には所詮無理なことだったのか、最初から出来るはずもなかったんだって……私はシンヤにそんなこと思ってほしくない」


その言葉にほんの少し反応するとそれに気付いたのかさらに言葉を続けた。


「ねぇ、シンヤ。元の世界でどうやってここまで来たか覚えている?エアロちゃんはシンヤのいた世界では見えないんだよ。私の言いたいことが分かる?エアロちゃんたちは認識してもらえないんだ。どんな姿をしていても。どうやって来たか覚えているってことはシンヤには魔法が使える素質があるってことだよ。素質さえあれば後は心で強く願えば良い。空が飛びたい、風を使いたい、火を出したい、水が欲しい、元の世界に戻りたい……そう強く願い続けていれば魔法が使えるようになるよ。時間は掛かるかも知れない。それでも出来なくないんだ。だから……」


「……分かったよ。今日は飯食って風呂入ってすぐ休む。それでいいんだろ?」


俺がそう言うと馬鹿はパァッと顔を明るくしてうんうんと頷く。


「それじゃあ、シンヤは寛いでいて!ご飯が出来たら呼びに来るから!」


そう言って出て行こうとする馬鹿を思わず引き留めた。
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