〇〇、とやらをされたらしくて

蓮ヶ崎 漣

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第二章 誤解、とやらをされたらしくて

解けた誤解(2/2)

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俺は慌てて口を開く。


「と、とにかく!俺たちは付き合ってないから!だから、あの記事の件、訂正してもらっていいか?実はあの記事のせいですごく困ってるんだよ」


「それは出来ません。他の大スクープがない限りわたしの手では訂正なんて……死んでも嫌です!!」


「えっ!?」


「嘘でもいいんです!わたしにはそう見えてますので!受けがいいんですよ!それなのに訂正なんて勿体無いです!」



本心はこっちか……



俺がどうしようかと思っていたらミラが口を開いた。


「じゃあ、こうしよう。このカメラを壊されるのと記事を訂正するのどっちを取る?」


「えっ!?」


「はぁっ!?」


ミラの方を見るとかなりご立腹のようでニッコリ笑顔を浮かべている。

その手の中にはいつの間に盗ったのかさっきまでルノが大事に持っていたカメラがあった。


「わ、わたしのカメラ!いつの間に!返して下さい!」


「それは君の返答次第だよ。このカメラを無事に返してほしかったらあの記事を訂正すること。あ。訂正するまで返さないしあの記事に使った写真、元画像も含めて全部消さないと返さないよ?」


「そ、そんな!」



ミラの奴、外道だ!!



とは思ったがこうなれば手段は選んでられない。

黙ってミラの行動の行く末を見守る。


「で?どうするの?さっきの呪文一つで粉々に出来るんだけど」


「っ!わ、分かりました!記事を訂正します!だから、カメラ返して!」


さっきの痛みを思い出したのかすぐにルノが答えた。


「さっきも言ったけど、記事を訂正して写真も削除しないと返さないよ」


「そ、そんな!」


「僕、言葉はあんまり信じないことにしてるから行動で示してくれる?約束だからカメラは壊さないよ。ちゃんとやることやってくれたら返すから」


ルノは絶対ですよ!と言って教室を出て行く。


「……ミラが悪人に見える」


「ここまでしないと訂正どころかゴシップ記事が出回るよ。流石にそれは嫌だ。それにカメラを盗ったのはついでで本命はこっち」


「え?」


ミラはカメラからフィルムを取り出す。


「……フィルム?」


「そう。これを壊そうと思って」


「はぁっ!?お前、壊さないって言っただろ!?」


「カメラはね?」


「屁理屈だ!」


「じゃあ、どうするの?このデータは残す気?何が入ってるのかも分からないのに?」


「だからこそだろ!全然関係ない写真だけかも知んねぇじゃん!俺が消すように頼むから!何もすんなよ!」


「……分かった。シンヤに任せることにする」


「おう!任せとけ!」


それからしばらくしてアースが俺を迎えに来る。


「シンヤ。迎えに来たよ」


「あ。アース。悪いんだけど、俺まだやることあってさ……」


俺がそう言うとアースは少し悩んで口を開く。


「分かった。じゃあ、ここで待つことにする。僕がいて困ることでもないだろ?」


「あぁ、大丈夫だ。悪いな、アース」


「別に良いよ。僕は本を読んでいるから終わったら声をかけて」


「分かった」


ミラはカメラをずっと見ていてすごく暇そうだった。

まぁ、俺も暇なんだけど。

アースは本当に本を読み始めてミラと話す訳にもいかない。

ミラも俺もアースの邪魔をしないように暇を潰す。

アースが来て一時間後、ルノが戻ってきた。


「お、お待たせしましたっ!記事、訂正したものを持ってきましたっ!」


そう言って俺たちに訂正記事を見せてくれる。



『ミライヤ・フェアリーノとシンヤ・フォレストールの噂は全部作り話だと判明!!』



「こ、これでいいですかっ?」


記事の内容もちゃんと訂正してあって完璧だった。

ミラの方を見るとミラも満足したのか口を開く。


「うん。記事は申し分ない。ありがとう。で、写真の方は?」


「あ、記事に使った写真は消してきました。でも、元画像がそのカメラの中にあって……」


「そう。分かった。じゃあ、これは返すよ」


そう言ってミラはルノにカメラを返す。


「脅す形になってごめん。でも、あの記事には本当に迷惑してたから……それだけは分かってほしい」


「は、はいっ!以後、気を付けますっ!写真もちゃんと消すのでっ!」


「うん。えっと……ルノさん?酷い脅し方をしたのに記事は真面目に訂正してくれてありがとう。君は優しいね」


「と、とんでもないですっ!!元はと言えばわたしが悪いのでっ!ミライヤさんが謝る必要はないですっ!」


顔を真っ赤にして首を横に振るルノを見て不憫に思った。

ミラの顔はしてやったりと言う顔をしている。

ルノはミラにもう一度頭を下げて俺を見て口を開く。


「フォレストールさんもご迷惑おかけしてすみませんでした。同じ人間ヒューマン型だし許してもらえると勝手に思ってました。本当にすみません」


「あ、い、いや!もう勝手に記事にしないでくれればいいから!」


ルノは約束しますと言ってカメラを大事そうに持って教室を出て行った。

俺は思わずため息を吐く。

するとミラが口を開いた。


「どうしたの?シンヤ。ちゃんと解決させたでしょ?」


「……俺に任せるって言ったくせに……やり方に問題アリだし挙句、丸め込むし……」


「まぁ、人気者は辛いってことだよ」


「ちゃっかり自慢すんな!」


ミラと言い合いになりそうになったと同時にアースが口を開く。


「シンヤ。もう用事は終わった?」


「え?あ、あぁ」


「じゃあ、帰ろう。ミライヤも早く帰った方が良い。もうすぐ魔物が出やすい時間だから」


「あ、はい」


「わ、分かった」


ミラとそのまま別れてアースと一緒に家に帰る。

その翌日。

ミラのお陰なのか無事に誤解が解けて苛めらしいことはなくなった。

話せるクラスメートも増えて今までより楽しく学校に通う。

そして、俺たちは二年に進級した――――
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