〇〇、とやらをされたらしくて

蓮ヶ崎 漣

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第四章 恋愛、とやらをされたらしくて

告白

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 最近、アーシャが何かにつけて俺のところに来るようになった。

当然、ミラとも普通に話すがミラのフォローをしまくったせいか俺ばかりが頼られてる気がする。

俺としては頼られるのは悪い気はしないが出来るならミラに頼ってほしい。

ミレイは突然協力出来ないと言い出すし正直これ以上どうミラとアーシャをくっ付ければいいか困っている。

俺が小さくため息を吐いているとミラに声をかけられた。


「シンヤ」


「え?あ、何だ?」


「僕たち、用事あるから今日は先帰るよ」


「あぁ、分かった。またな……って三人で帰るのか?」


三人共帰ろうとしているのを見て思わず質問する。

するとミレイが口を開いた。


「うん。そうだよ?どうして?」


「あ、いや……珍しいなって思ってさ。まぁ、ミレイもアーシャも気を付けて帰れよ?何かあったらミラに何とかしてもらえ」


「はい。そうします。それじゃあ、お先に失礼しますね。シンヤくん」


「あぁ、じゃあな」


そう言って三人に手を振り俺は迎えが来るのを待つ。

今日はセレンが迎えに来ると言っていたのでもうすぐで来るだろう。

そう思っていたのに三〇分待ってもセレンが来る気配はなかった。

もう少し待っても来なかったらこっちから迎えに行こうと決めしばらくすると教室のドアが開く。

俺はやっと来たかと荷物を持って立ち上がった。


「遅いぞ、セレン。もう少し待っても来なかったらこっちから迎えに行くところだ……」


途中で言葉を止めたのはドアを開けた人物がセレンではなかったからだ。

俺は驚きながらドアを開けた人物を凝視する。

そして、恐る恐る声をかけた。


「……よぉ、アーシャ。先に帰ったんじゃないのか?」


「あ、あの、えっと……シンヤくんに言い忘れたことがあって……戻ってきました」


何となく嫌な予感がして苦笑いをしながら答える。


「俺に言い忘れたこと?それって今じゃないと駄目なのか?明日とかでも……」


「い、いえ!今でないと駄目なんです!!」


アーシャの必死な声に俺の脳内では黄色信号が点滅していた。



聞いては駄目だ。

それは分かってる。

でも、やり過ごす方法は?



言い訳も思い付かずいや、でもと繰り返す俺にアーシャは一歩ずつ近づいてくる。

もしかしたら、俺の思い過ごしかも知れない。



自惚れてるだけかも……



そんな期待をしながら頭の中でどうすればいいのか考えるが結局良い方法は浮かばずアーシャは俺の目の前まで来てしまった。

俺の前まで来たアーシャは口を開く。


「あの、シンヤくん」


「あぁ、何だ?」


苦笑いのままそう返すとアーシャは覚悟を決めたように口を開いた。


「私、シンヤくんのことが好きなんです!私と付き合ってくれませんか……?」


顔を真っ赤にしてそう言うアーシャに俺は内心で落胆する。

嫌な予感は的中してしまった、と。


「俺……」


どう断ろうかと困っているとドアの方からカタッと音がした。

アーシャと二人で慌てて音のした方を見る。

そこにはセレンが立っていた。

セレンは微笑みながら口を開く。


「……あら……私はお邪魔をしてしまったようですね。また後で来ますのでどうぞ続きを」


そう言ってセレンはその場を離れた。

俺とアーシャの間に沈黙が続く。

先に沈黙を破ったのは俺だった。


「あのさ……」


「は、はい!」


顔は赤いままじっと俺の目を見るアーシャに罪悪感を覚えながら言葉を続ける。


「気持ちは、嬉しいんだけど……俺、好きな子いるからさ……アーシャとは良い友達でいたいって言うか……」


俺がそう言うとアーシャはニコッと笑う。

それがアーシャに今出来る精一杯の強がりだと分かった。

必死で涙を堪えてるんだ、と理解する。


「や、やっぱり、そうなんですね!そうじゃないかなって薄々気付いてはいたんです!ですから、あまり気にしないで下さい!私の気持ちを聞いて下さっただけでもう充分ですから!なので、これからも、私と友達でいて下さいね!」


アーシャの声は今にも泣き出しそうな、涙声だった。



本人は必死に隠してるつもりなんだろうけど……



俺は全て気付かないフリをして笑って答える。


「あぁ、もちろんだ!アーシャと俺は一生仲の良い友達だからな!」


「あ……ありがとうございます!それじゃあ、私は帰りますね!」


そう言ってアーシャは走り去った。

その直後にセレンが戻ってくる。


「……シンヤさんのくせに女の子を泣かせるなんて酷いですね」


「……しょうがないだろ。俺はアーシャを友達以外に見れないんだから」


「だからって、一生友達だなんて……酷過ぎると思います」


「まだ自分にもチャンスはあるかも……なんて思わせとく方が酷いだろ?だから、わざとああ言った」


「……そうですか。何はともあれギクシャクしなければ良いですね」


「?……あぁ、そうだな」


この時のはセレンの言葉の意味がよく理解出来なかったがすぐに理解することになった――――
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