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突撃
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突撃
インターホンを押してすぐ聞き覚えのある声が生返事しながらドアを開けた。
刈り上げたベリーショートの金髪で茶色い眼。
「あー?誰ー?新聞ならいらないけど……って、お前!?」
私を認識した途端、ドアを閉めようとする元彼より一歩早くドアを掴み開く。
「久し振りね?之信」
「ど、どうしてここが……」
「貴方の携帯よ。いくら携帯を解約した後でも中のデータとか確認した方が良いわよ?貴方と浮気相手とのメールが残っていたから名前が分かったし浮気相手の連絡先にはご丁寧に住所まで書いてあったわ」
「なっ!?」
「貴方、前々から馬鹿だとは思っていたけどここまでとは思わなかったわ。蒸発する気なら自分に関するものを全て処分するべきだったわね」
元彼が何も言わずに押し黙っていると奥から女の声がした。
写真で見た女と同一人物。
「んもう~うるさいわよぉ……新聞なら断っていいって言ったでしょ~?……って誰よ?その女」
「あ、いや、コイツは……」
「初めまして。之信の元彼女です」
「……あぁ~、ノブに騙されちゃったカワイソーな人ねぇ?わざわざここまで追いかけてきたの?健気ねぇ~!で・も!」
私は浮気相手に胸倉を掴まれる。
「ぐっ……」
「ノブはアタシにご執心なのぉ!もう諦めろってんだよ!クソババア!」
そう言われ突き飛ばされた。
「あ!そおだ!これ、もういらなぁい!いつの間にか使えなくなってるしぃ~こんなことならもっと使っておけばよかったわぁ~」
「(浮気が分かってカードを止めないほど盲目じゃないわよ……!)」
そう言って私にクレジットカードを投げ付け元彼を中に入れてからドアを閉めようとする。
「それじゃあ、バイバイ?次、また来やがったらこんなもんじゃ済まさないからぁ」
震える手足を無理矢理動かしながら私は再びドアを掴みそれを阻止した。
「……ちょっとぉ?何してんの?もっと酷い目に遭いたいの?」
「……勘違いしないでくれる?私は別にその男を取り戻しに来た訳じゃないの。それに人の男を取った挙句人のお金を平気で使うような人間のクズが偉そうに物言ってんじゃないわよ!」
「……んだと?クソババア……アタシに喧嘩売ってんの?」
「そんな男!ほしけりゃくれてやるわよ!私はねぇ!その男に私を嘗めたことを後悔させるために来たのよ!驚いたでしょう?いつも貴方の言うこと聞いていた女が貴方に文句を言いに来ているんだから!騙す相手を間違えたわね!ほら!その女の後ろに隠れてないで前に出て来て言いたいこと言ってみなさいよ!」
「お、俺は……お前に謝るよりお前に感謝されたいくらいだ!お前みたいな女の彼氏になってやったんだ!わざわざ俺に後悔させるために来たぁ?笑わせんな!後悔なんざするもんか!お前のことなんかこれっぽっちも好きだと思ったことはねぇよ!もう俺の前に現れんなよ!勘違い女!」
「はっ!あははっ!いいざまねぇ!ご愁傷様!ノブはアンタのこと何とも思ってなかったみたいねぇ?アンタの独りよがり!笑えるわぁ!これで満足ぅ?なら、とっとと失せな!」
私は閉まるドアを黙って見つめる。
私が今どんな顔をしているかなんて分からない。
中からは楽しげな声が聴こえてくる。
それでも私はしばらくそこを動かなかった。
インターホンを押してすぐ聞き覚えのある声が生返事しながらドアを開けた。
刈り上げたベリーショートの金髪で茶色い眼。
「あー?誰ー?新聞ならいらないけど……って、お前!?」
私を認識した途端、ドアを閉めようとする元彼より一歩早くドアを掴み開く。
「久し振りね?之信」
「ど、どうしてここが……」
「貴方の携帯よ。いくら携帯を解約した後でも中のデータとか確認した方が良いわよ?貴方と浮気相手とのメールが残っていたから名前が分かったし浮気相手の連絡先にはご丁寧に住所まで書いてあったわ」
「なっ!?」
「貴方、前々から馬鹿だとは思っていたけどここまでとは思わなかったわ。蒸発する気なら自分に関するものを全て処分するべきだったわね」
元彼が何も言わずに押し黙っていると奥から女の声がした。
写真で見た女と同一人物。
「んもう~うるさいわよぉ……新聞なら断っていいって言ったでしょ~?……って誰よ?その女」
「あ、いや、コイツは……」
「初めまして。之信の元彼女です」
「……あぁ~、ノブに騙されちゃったカワイソーな人ねぇ?わざわざここまで追いかけてきたの?健気ねぇ~!で・も!」
私は浮気相手に胸倉を掴まれる。
「ぐっ……」
「ノブはアタシにご執心なのぉ!もう諦めろってんだよ!クソババア!」
そう言われ突き飛ばされた。
「あ!そおだ!これ、もういらなぁい!いつの間にか使えなくなってるしぃ~こんなことならもっと使っておけばよかったわぁ~」
「(浮気が分かってカードを止めないほど盲目じゃないわよ……!)」
そう言って私にクレジットカードを投げ付け元彼を中に入れてからドアを閉めようとする。
「それじゃあ、バイバイ?次、また来やがったらこんなもんじゃ済まさないからぁ」
震える手足を無理矢理動かしながら私は再びドアを掴みそれを阻止した。
「……ちょっとぉ?何してんの?もっと酷い目に遭いたいの?」
「……勘違いしないでくれる?私は別にその男を取り戻しに来た訳じゃないの。それに人の男を取った挙句人のお金を平気で使うような人間のクズが偉そうに物言ってんじゃないわよ!」
「……んだと?クソババア……アタシに喧嘩売ってんの?」
「そんな男!ほしけりゃくれてやるわよ!私はねぇ!その男に私を嘗めたことを後悔させるために来たのよ!驚いたでしょう?いつも貴方の言うこと聞いていた女が貴方に文句を言いに来ているんだから!騙す相手を間違えたわね!ほら!その女の後ろに隠れてないで前に出て来て言いたいこと言ってみなさいよ!」
「お、俺は……お前に謝るよりお前に感謝されたいくらいだ!お前みたいな女の彼氏になってやったんだ!わざわざ俺に後悔させるために来たぁ?笑わせんな!後悔なんざするもんか!お前のことなんかこれっぽっちも好きだと思ったことはねぇよ!もう俺の前に現れんなよ!勘違い女!」
「はっ!あははっ!いいざまねぇ!ご愁傷様!ノブはアンタのこと何とも思ってなかったみたいねぇ?アンタの独りよがり!笑えるわぁ!これで満足ぅ?なら、とっとと失せな!」
私は閉まるドアを黙って見つめる。
私が今どんな顔をしているかなんて分からない。
中からは楽しげな声が聴こえてくる。
それでも私はしばらくそこを動かなかった。
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