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勧誘! 魔女会館
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「あの……何かの間違い、ですわよね?」
「とんでもない!」
ソバカスの散った顔のキュートな受付嬢……でなかった女性……拡張の魔女様に奥の会議室? に通して頂いたわ。
「きゃあっ!」
「あ、らら。失礼」
さっきから紙がやたら降ってくるのよ! お片付けとか為さらないのかしら……。予算が無いとか……。だから、公務員の魔女様なのに受付嬢兼務なんて……。
「あは、あはは……。御免なさいね、帰還の魔女」
「あの、ですから困りますわ」
「ガセネタではありませんよ! 私の発言が信用出来ないなら……他の魔女に認定を受けます?
その場合、2人に認定されたということで魔女会館の魔女に自動で登録されますけど」
「こ、困りますわ! お嬢様はオニール侯爵の総領姫なのですよ!」
流石にニニが堪りかねて抗議をしてくれたわ。
……ちょっとタイミングが遅いわね。まあ、このお部屋、やたら紫と黒だからちょっと迫力があるけれどね。
「そっこは……兼務ということで。魔女は兼務が多いんですよー」
「そんな馬鹿な……。公務員は兼業が違法なのでは」
「法にお詳しいですねー」
こっわいわ……。何も知らなさそうだから、丸め込もうとしてるわね……。
「それに、亡くなられたとは言え魔女を訪ねてこられたんですから運命の就職ですよ!」
「今のところ私の進路は侯爵家の跡継ぎですので……」
「そんなあ! 折角力ある人員補充出来るのにー!」
此方はどうやら人手不足のようね……。通りで何方も勧誘に押しかけてこられないと思ったわ。
何処でも囲んで圧迫して勧誘するのは基本だものね。やめて欲しいわ。
「それに、もう魔法を使われてますよね? 魔法のめちゃラクさ、イイでしょー?」
「使った覚えは有りませんが……」
「そうですわ! お嬢様はバックナンバーみたいな魔女じゃありません!」
「その既刊じゃなくて、リターン、帰宅の方です」
「……」
既刊の魔女……。読書家には良さそうかも知れないわね。
ちょっと羨ましいわ。楽しい本とか直ぐに探せそうだもの。
拡張の魔女様は、パラパラと……おどろおどろしい本をいつの間にか捲って私に見せてこられたわ。
「まあ、平面的で個性的な絵」
「お嬢様にグロいものお見せしないでください!」
「昔の絵なんで勘弁してください! 貴女が就任したら書き換えますから!
ね、この絵の通り行ったことのない場所にワープすることが有りませんか? そして、勝手に帰ってしまうことって」
「……」
有るけれど……夢、よね?
夢ではなかったのかしら。
「移動系の魔女術かあ。置き去りの魔女なら、他人を置き去りにして魔力を貯めるパターンも有りますが! 帰還の魔女ならノーリスクに近いですしね! 羨ましいなー」
「……そ、そんなはた迷惑な魔女様が……。失礼ですわね、御免なさい」
「良いんですよー。私の拡張だって拡げるの出来ますけど、閉じることとか全く無理ですし」
「まあ……例えばどのようなご依頼が?」
「開かない扉は枠を拡張するとか出来ますけど、元通りに直すのは無理です」
……それは、不便そうね。
「それって、人体にも出来るんですか? 例えば閉じたピアス穴を拡張する、とか……」
まあ。お洒落さんなのね、ニニ。
「出来ますけど、拡張した穴に治癒能力に一切合切効かなくなりますよ。その後膿んだりとかしたら、そのままです」
「……お力をお借りすることは無さそうです」
「そうねえ、やめた方が良さそうね、ニニ」
どの道、あまり得るものは無さそう。そう結論付けて然りげ無くお暇しようとしたら、ガシッと腕を掴まれてしまったわ。
「でも、お困りなんですよね? 例えば……成り立ての魔女にありがちなフラフラ彷徨い系で、誰かに会ったとか」
「……」
確かに、ヴァン少年に会ったけれど……。
特に、何も……無いのよね?
でも、62年前……。
今、生きておられたらお祖父様くらいかしら?
でも、ヴァンなんて方……侍従? 貴族の屋敷で居るかしら。
何だか、嫌な予感がするわね。
「とんでもない!」
ソバカスの散った顔のキュートな受付嬢……でなかった女性……拡張の魔女様に奥の会議室? に通して頂いたわ。
「きゃあっ!」
「あ、らら。失礼」
さっきから紙がやたら降ってくるのよ! お片付けとか為さらないのかしら……。予算が無いとか……。だから、公務員の魔女様なのに受付嬢兼務なんて……。
「あは、あはは……。御免なさいね、帰還の魔女」
「あの、ですから困りますわ」
「ガセネタではありませんよ! 私の発言が信用出来ないなら……他の魔女に認定を受けます?
その場合、2人に認定されたということで魔女会館の魔女に自動で登録されますけど」
「こ、困りますわ! お嬢様はオニール侯爵の総領姫なのですよ!」
流石にニニが堪りかねて抗議をしてくれたわ。
……ちょっとタイミングが遅いわね。まあ、このお部屋、やたら紫と黒だからちょっと迫力があるけれどね。
「そっこは……兼務ということで。魔女は兼務が多いんですよー」
「そんな馬鹿な……。公務員は兼業が違法なのでは」
「法にお詳しいですねー」
こっわいわ……。何も知らなさそうだから、丸め込もうとしてるわね……。
「それに、亡くなられたとは言え魔女を訪ねてこられたんですから運命の就職ですよ!」
「今のところ私の進路は侯爵家の跡継ぎですので……」
「そんなあ! 折角力ある人員補充出来るのにー!」
此方はどうやら人手不足のようね……。通りで何方も勧誘に押しかけてこられないと思ったわ。
何処でも囲んで圧迫して勧誘するのは基本だものね。やめて欲しいわ。
「それに、もう魔法を使われてますよね? 魔法のめちゃラクさ、イイでしょー?」
「使った覚えは有りませんが……」
「そうですわ! お嬢様はバックナンバーみたいな魔女じゃありません!」
「その既刊じゃなくて、リターン、帰宅の方です」
「……」
既刊の魔女……。読書家には良さそうかも知れないわね。
ちょっと羨ましいわ。楽しい本とか直ぐに探せそうだもの。
拡張の魔女様は、パラパラと……おどろおどろしい本をいつの間にか捲って私に見せてこられたわ。
「まあ、平面的で個性的な絵」
「お嬢様にグロいものお見せしないでください!」
「昔の絵なんで勘弁してください! 貴女が就任したら書き換えますから!
ね、この絵の通り行ったことのない場所にワープすることが有りませんか? そして、勝手に帰ってしまうことって」
「……」
有るけれど……夢、よね?
夢ではなかったのかしら。
「移動系の魔女術かあ。置き去りの魔女なら、他人を置き去りにして魔力を貯めるパターンも有りますが! 帰還の魔女ならノーリスクに近いですしね! 羨ましいなー」
「……そ、そんなはた迷惑な魔女様が……。失礼ですわね、御免なさい」
「良いんですよー。私の拡張だって拡げるの出来ますけど、閉じることとか全く無理ですし」
「まあ……例えばどのようなご依頼が?」
「開かない扉は枠を拡張するとか出来ますけど、元通りに直すのは無理です」
……それは、不便そうね。
「それって、人体にも出来るんですか? 例えば閉じたピアス穴を拡張する、とか……」
まあ。お洒落さんなのね、ニニ。
「出来ますけど、拡張した穴に治癒能力に一切合切効かなくなりますよ。その後膿んだりとかしたら、そのままです」
「……お力をお借りすることは無さそうです」
「そうねえ、やめた方が良さそうね、ニニ」
どの道、あまり得るものは無さそう。そう結論付けて然りげ無くお暇しようとしたら、ガシッと腕を掴まれてしまったわ。
「でも、お困りなんですよね? 例えば……成り立ての魔女にありがちなフラフラ彷徨い系で、誰かに会ったとか」
「……」
確かに、ヴァン少年に会ったけれど……。
特に、何も……無いのよね?
でも、62年前……。
今、生きておられたらお祖父様くらいかしら?
でも、ヴァンなんて方……侍従? 貴族の屋敷で居るかしら。
何だか、嫌な予感がするわね。
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