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ドリームRプロジェクト
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「圭太君か!久しぶりじゃないか」
蓮の父親の隆は、俺の姿を認めると、作業を中断し、こちらに向かって歩いてきた。
「今日はどうした。胃の調子でも悪いか。そういうのはうちじゃなくて医者に行ってくれよ」
隆は、冗談交じりに笑顔で言った。
「今日はちょっとプロジェクトに関する相談があって来ました」
「そうか!ちょうどこっちも見せたいものがあるんだ」
そういうと、隆は、工場の裏にある倉庫に連れていった。倉庫の前にある金属バッドが気になったが、恐らく護身用の物だろう。
倉庫は、業者が不要になった海上コンテナを改装したものだった。
隆がガチャンとその鉄の扉を開けると、バラバラでフレームのみになったMR2と新品のようになった2JZエンジンが木枠の上に置かれていた。
「オーバーホールもしたし、MR2のフレームも入手した。あとはガワとミッション、駆動系、その他諸々だな。」
「今日は、その件で相談に来ました」
「だろうな。ちょうどそのくらいのタイミングだと思ってたよ」
「正直、会議でもデザインとかエンジンの話までしか進んでいなくて、実際に走らせる為に必要な装置の話とかはできていなくて」
「デザインの原案は出来たのか?」
「はい。佐藤がデザインを担当、中村が3Dモデルの起用ですが、どちらも完成しています」
「じゃあ、まずガワからだな。知り合いに、FRPでエアロパーツなんかを作ってる遠藤っていう奴がいるから、そいつに紹介してみるよ」
次の土曜日、メンバー全員が隆が経営する自動車工場に集まっていた。遠藤もそこにいた。遠藤は、スラっと背の高い短髪の男で、その髪は金に輝いていた。いかにも、昔悪さをしていたという風貌である。遠藤は表情を変えぬまま、こう言う。
「これ、クレイモデルとかあるの」
その口調は、少し関西訛りと言ったところだろうか。中村が答える。
「クレイはないですが、ここに僕が作った、3Dミニカーならあります」
中村は、手に持っていたミニカーを遠藤に渡す。遠藤は、そのミニカーをまじまじと見た後、こう言った。
「これ、なかなかよく出来とるな。ちゃんとパーツごとに分解出来るようになっとるし、これならうちで外装作ってあげられるかもな。よろしければ、今回は無償で作ったるわ」
無償というその言葉に一同、唖然とする。
「その代わり、一つ条件がある。うちは遠藤エアロパーツってう会社をやっとるんやけど、うちをこのプロジェクトの公式スポンサーにしてくれんか。そして、うちの広告としてデザインステッカーを外装に貼ってほしい」
「もちろんです」と一同が同時に答える。こうして、外装パネルは遠藤エアロパーツによって、無償で作ってもらえる事となった。そして、初めてのスポンサー獲得までつながった。
「しかし、遠藤君、羽振りがいいね」
「隆さんにはいつもお世話になってますから。それにこのプロジェクト、多分ウケますよ。そうなれば、うちにとっても悪い話はないですからね」
口ぶりから、遠藤が経営者であることが想像できた。これは、偽善ではなく、ある意で味営業活動であった。プロジェクトが有名になれば、遠藤エアロパーツも有名になり、顧客が増加する事を期待しての提案であった。
「納期までには、半年くらい貰うよ。出来たら、こちらから連絡するから」
去り際に窓を開けて、遠藤がそう言い放った。「頑張れよ」と言うと同時に、車は走り去って行った。
蓮の父親の隆は、俺の姿を認めると、作業を中断し、こちらに向かって歩いてきた。
「今日はどうした。胃の調子でも悪いか。そういうのはうちじゃなくて医者に行ってくれよ」
隆は、冗談交じりに笑顔で言った。
「今日はちょっとプロジェクトに関する相談があって来ました」
「そうか!ちょうどこっちも見せたいものがあるんだ」
そういうと、隆は、工場の裏にある倉庫に連れていった。倉庫の前にある金属バッドが気になったが、恐らく護身用の物だろう。
倉庫は、業者が不要になった海上コンテナを改装したものだった。
隆がガチャンとその鉄の扉を開けると、バラバラでフレームのみになったMR2と新品のようになった2JZエンジンが木枠の上に置かれていた。
「オーバーホールもしたし、MR2のフレームも入手した。あとはガワとミッション、駆動系、その他諸々だな。」
「今日は、その件で相談に来ました」
「だろうな。ちょうどそのくらいのタイミングだと思ってたよ」
「正直、会議でもデザインとかエンジンの話までしか進んでいなくて、実際に走らせる為に必要な装置の話とかはできていなくて」
「デザインの原案は出来たのか?」
「はい。佐藤がデザインを担当、中村が3Dモデルの起用ですが、どちらも完成しています」
「じゃあ、まずガワからだな。知り合いに、FRPでエアロパーツなんかを作ってる遠藤っていう奴がいるから、そいつに紹介してみるよ」
次の土曜日、メンバー全員が隆が経営する自動車工場に集まっていた。遠藤もそこにいた。遠藤は、スラっと背の高い短髪の男で、その髪は金に輝いていた。いかにも、昔悪さをしていたという風貌である。遠藤は表情を変えぬまま、こう言う。
「これ、クレイモデルとかあるの」
その口調は、少し関西訛りと言ったところだろうか。中村が答える。
「クレイはないですが、ここに僕が作った、3Dミニカーならあります」
中村は、手に持っていたミニカーを遠藤に渡す。遠藤は、そのミニカーをまじまじと見た後、こう言った。
「これ、なかなかよく出来とるな。ちゃんとパーツごとに分解出来るようになっとるし、これならうちで外装作ってあげられるかもな。よろしければ、今回は無償で作ったるわ」
無償というその言葉に一同、唖然とする。
「その代わり、一つ条件がある。うちは遠藤エアロパーツってう会社をやっとるんやけど、うちをこのプロジェクトの公式スポンサーにしてくれんか。そして、うちの広告としてデザインステッカーを外装に貼ってほしい」
「もちろんです」と一同が同時に答える。こうして、外装パネルは遠藤エアロパーツによって、無償で作ってもらえる事となった。そして、初めてのスポンサー獲得までつながった。
「しかし、遠藤君、羽振りがいいね」
「隆さんにはいつもお世話になってますから。それにこのプロジェクト、多分ウケますよ。そうなれば、うちにとっても悪い話はないですからね」
口ぶりから、遠藤が経営者であることが想像できた。これは、偽善ではなく、ある意で味営業活動であった。プロジェクトが有名になれば、遠藤エアロパーツも有名になり、顧客が増加する事を期待しての提案であった。
「納期までには、半年くらい貰うよ。出来たら、こちらから連絡するから」
去り際に窓を開けて、遠藤がそう言い放った。「頑張れよ」と言うと同時に、車は走り去って行った。
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