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88.夫人達の茶会③
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「陛下に…ひいては前国王夫妻にリアは守られたのですわ。そして、リアは拐われてから7年後陛下によって助け出されたのです。もちろんリアは助け出された時には衰弱していました。でも、そんなあの子を陛下が献身的なまでの愛で支えて下さいましたの。」
涙ながらに話すアリシア夫人の背をマレリア夫人が撫で慰める。
「もうすぐ皆様の所に王国から婚約式の招待状が届くと思います。体調の良くなったオフィーリア様と陛下が漸く婚約式を執り行う事ができるのです。お2人は前国王夫妻を敬った式にする予定と夫より聞いていますわ。私はお2人のその気持ちが嬉しいのですわ。」
「そうだったのですね。」「お伽話のようね。」「ぜひ婚約式には参加したいわ。」と夫人達は口々に話す。
「是非民様にもお祝いしていただけると若い2人も心強いでしょう。特にリアは7年という時を奪われたために…社交の場で頼れる人があまりに少なくのです。同年代ではフロリス嬢だけが唯一の友人です。ですから皆様のお力を是非お貸しください。」
そう言い礼をするアリシア夫人。
「もちろんですからお顔をお上げください。」
「ありがとう。」
そう言いまた涙を流す夫人。この瞬間お茶会に参加した者達の気持ちをそして僕の気持ちを掌握したのです。
「つきましては陛下もオフィーリア様も前国王夫妻の話を聞く機会があまりに少なかったので婚約式とその後の夜会では是非とも話を聞きたいと申しておりますわ。私もそうする事で夫妻が大きくなられた陛下のお姿を見て下さる気がしてますの。皆様も重ねてのお願いになりますが協力して下さいませ。」
今度は大公夫人が頭を下げる。それに合わせてアリシア夫人もまた頭を下げる。高位貴族の2人がそうする程に陛下とオフィーリア様を思っている事がとてもよく伝わるんです。そしてそれは大公と宰相がそう思っていると、ひいては中枢にて陛下を支える貴族の思いだと感じられます。そして運良く…本当に運良くこのお茶会にはその中枢で仕事をする貴族の夫人方が多く集まっていました。この時の僕はアリシア夫人がお可哀想で陛下とオフィーリア様を何としてでもお守りしなければと熱く思っておりました。詳細を知っている僕もです。そしてお茶会後に僕は思い知るのです。
「お疲れ様です。」
「あらレオン君。お疲れ様。」
「お疲れ様です。大丈夫ですか?」
「問題ないわ。今日のご夫人方には理解を頂けたから。次も頑張るわ。」
「いえ…そうではなく…」
「もうシアったら!レオンちゃんは貴方の気持ちを心配しているのよ。」
「あぁ。大丈夫よレオン君。だってこういう事は私達の領分ですもの。夫達には任せていられないですわ。」
「でわあれは…」
「あれも本心よ。ねぇレオン君、貴方もこれから伯爵家を継ぐ者として妻を娶る身なんですから女の機微にも敏感にならなきゃ大変よ!」
「そうねシアの言う通りね!頑張ってねレオンちゃん。でもレオンちゃんなら大丈夫な気がするわ!」
そんな話をしながら遠去かる夫人達の背を茫然と見つめながらこの国で1番敵にしてはいけない人達だと思いました…
◇◇◇◇◇◇◇◇
これが私が受けたレオンからの報告の一つだ。
かなり詳細に私達のことを話しているなとは思ったが知られて困る話ではないので良いだろう。
というか夫人達には逆らってはいけない。
涙ながらに話すアリシア夫人の背をマレリア夫人が撫で慰める。
「もうすぐ皆様の所に王国から婚約式の招待状が届くと思います。体調の良くなったオフィーリア様と陛下が漸く婚約式を執り行う事ができるのです。お2人は前国王夫妻を敬った式にする予定と夫より聞いていますわ。私はお2人のその気持ちが嬉しいのですわ。」
「そうだったのですね。」「お伽話のようね。」「ぜひ婚約式には参加したいわ。」と夫人達は口々に話す。
「是非民様にもお祝いしていただけると若い2人も心強いでしょう。特にリアは7年という時を奪われたために…社交の場で頼れる人があまりに少なくのです。同年代ではフロリス嬢だけが唯一の友人です。ですから皆様のお力を是非お貸しください。」
そう言い礼をするアリシア夫人。
「もちろんですからお顔をお上げください。」
「ありがとう。」
そう言いまた涙を流す夫人。この瞬間お茶会に参加した者達の気持ちをそして僕の気持ちを掌握したのです。
「つきましては陛下もオフィーリア様も前国王夫妻の話を聞く機会があまりに少なかったので婚約式とその後の夜会では是非とも話を聞きたいと申しておりますわ。私もそうする事で夫妻が大きくなられた陛下のお姿を見て下さる気がしてますの。皆様も重ねてのお願いになりますが協力して下さいませ。」
今度は大公夫人が頭を下げる。それに合わせてアリシア夫人もまた頭を下げる。高位貴族の2人がそうする程に陛下とオフィーリア様を思っている事がとてもよく伝わるんです。そしてそれは大公と宰相がそう思っていると、ひいては中枢にて陛下を支える貴族の思いだと感じられます。そして運良く…本当に運良くこのお茶会にはその中枢で仕事をする貴族の夫人方が多く集まっていました。この時の僕はアリシア夫人がお可哀想で陛下とオフィーリア様を何としてでもお守りしなければと熱く思っておりました。詳細を知っている僕もです。そしてお茶会後に僕は思い知るのです。
「お疲れ様です。」
「あらレオン君。お疲れ様。」
「お疲れ様です。大丈夫ですか?」
「問題ないわ。今日のご夫人方には理解を頂けたから。次も頑張るわ。」
「いえ…そうではなく…」
「もうシアったら!レオンちゃんは貴方の気持ちを心配しているのよ。」
「あぁ。大丈夫よレオン君。だってこういう事は私達の領分ですもの。夫達には任せていられないですわ。」
「でわあれは…」
「あれも本心よ。ねぇレオン君、貴方もこれから伯爵家を継ぐ者として妻を娶る身なんですから女の機微にも敏感にならなきゃ大変よ!」
「そうねシアの言う通りね!頑張ってねレオンちゃん。でもレオンちゃんなら大丈夫な気がするわ!」
そんな話をしながら遠去かる夫人達の背を茫然と見つめながらこの国で1番敵にしてはいけない人達だと思いました…
◇◇◇◇◇◇◇◇
これが私が受けたレオンからの報告の一つだ。
かなり詳細に私達のことを話しているなとは思ったが知られて困る話ではないので良いだろう。
というか夫人達には逆らってはいけない。
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