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111.夜会④
しおりを挟む「仲は…どうでしょうか…王太子は学年が違いましたしグロリア…妃は王太子の…婚約者でいらっしゃいましたからね。」
「そうか。…そう言えば、ガウェイン公爵から聞いたが私達が事故に遭った場所に侯爵も居たのだろう?」
「陛下には…あの頃の記憶が?」
僅かにキラデル侯爵が動揺しているように見える。
「まぁ悲惨な事故だったからな。忘れられないさ…私の両親が守ってくれていなければ今こうしてオフィーリアと一緒にいることもなかっただろう。私の両親に心より感謝しているよ。」
「そうですか…そう言えばお2人の出会いはどういうものだったのですか?運命的だとさっきサラエンと話していましたよね?」
「そうだな。両親の死を受け入れられず傷ついていた私の元に妖精の回廊を通ってフィアが会いに来たのがきっかけだな。初めは驚いたがフィアと想いを通わせることになり、その後ラピスラズリの誓いをした。」
「恐れながら出逢われたのは何歳の時だったんですか?」
「私が11歳フィアが9歳の時だ。」
「でわ事故の直ぐ後に?そんなに幼くして誓いを行うことに不安はなかったのですか?」
「不安は全くなかったな。フィアに出逢って私の生涯唯一の女性は彼女だと確信して疑わなかった。今もあの頃の判断に間違いはないと自信がある。私はフィアしか愛せないからな。」
「オフィーリア様はどうだったのですか?」
「私も出会った日からずっとジークだけを想っておりますわ。ジーク以外の男性に心を奪われたことは一度もありませんもの。」
「そう…ですか…それは末永くお幸せに…」
「ありがとうございます、キラデル侯爵。侯爵もサラエン夫人と末永くお幸せに。」
「まぁ、嬉しいですわ。ありがとうございますオフィーリア様。ねぇクリスそろそろ次の方達にお譲りしましょう?私達だけで陛下達を独占してはいけないわ。」
「あ…あぁ。そうだね。それでは私達はこれで。」
キラデル侯爵が立ち去った後も臣下達の挨拶は続いた。
フィアの体調を鑑み一度休憩を挟む。
直ぐにレオンの気配がする。
(かの侯爵について何か気づく事はあったか?)
(陛下達との挨拶後に呟いていた言葉が印象的でした。)
(何と言っていた?)
("サラエン…あの日の私は間違っていたのだろうか?"と。サラエン夫人はなんの事を言っているのか分からなかった様ですが…)
(間違いなくあの事故のことだろうな。)
(間違えてジークのご両親を?何を間違えたのでしょうか?)
ー予定ではキラデル侯爵を激昂させる筈だったが雲行きが変わったと言っていいだろう。だが決して私達に悪い流れではないのに何処か不安に思ってしまう。
(侯爵が何を間違ったのかは分からないが、やはり彼が主犯だというのは変わらないだろう。彼の口から真実を聞きたいものだが…果たして今の状態で話すかだな…)
(レオンハルトさんがどんなに優秀でも人の心は分かりませんものね…。)
(あぁ本当に…。さてこれからどう動こうか。いざとなったら多少の無茶を承知で動くことも考えた方が良いかもな…)
(ジーク…絶対に無理はしないで。私達は自分達の身を危険に晒すけど無事でいる事だけは絶対にに守ってね。)
(分かってる。)
(早く無事に解決して結婚式あげようね。それでその時は私をジークのもにしてね。)
ーレオンの気配がなくなったのを確認して言ったのか?本当にフィアは…まぁ何があっても無事に解決してみせようって気になるな。
(フィア楽しみにしてる…)
自分で言っておいて私に言われると顔を真っ赤にするフィアは本当に可愛いな。
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