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最悪な1週間の始まり⑤
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3日目…
私は外に出るのもやめ離れの邸に引きこもる事にしました。
そうすれば何も起きないと考えたからです。
ですがその考えは甘かったのです。
侍女のいない私は身の回りのことは全て自分で行っていました。
自分で夕食を作り済ませた後は読書をして静かな時間を過ごしていたのですが、使用人が私を呼びに来たのです。
義母かシャーロットのどちらだろうと思っていたら私を呼んだのは父でした。
〔お父様がこんな時間に私に用があるなんて何事だろう?思い当たることといえば昨日のサミュエル公爵への失礼な態度に対する抗議でしょうか?〕
父の書斎のドアをノックし中に入る。
書斎には父しかおらず義母はいなかった。
「ネイオウミ座りなさい。」
「…はい。」
「何故呼ばれたか分かるか?」
「昨日サミュエル公爵と会ったことでしょうか?」
「そうだ。その前に図書館には何の用で行っていたのだ?」
〔そうだった…その事もあったんだわ…なんて説明したら怪しまれないかしら…〕
「その…離れに置いている小物に刺繍をしていまして…図案を見たくて刺繍の本を見に行っていました。」
「……そうか。」
〔良かった。信じてくれたみたい。〕
「それでサミュエル公爵と話した事についてだが受けて良いな?」
「えっ?どうしてですか?」
「どうしてとは何だ?お前は2度も婚約解消をしているのにそれでも御子息の相手にと望んでくれているのだぞ?」
〔2度も婚約解消になったのはお父様のせいでもあるのに…何でそんな言い方…まるで私が全部悪いみたいなそんな言い方…〕
「お父様……」
「何だ?」
「お父様お願いがあります。私をレナイト侯爵籍から除いて下さい。私はこの家を出て修道女になります。」
「何を言っているんだ‼︎」
「2度も婚約解消された娘です。同じことがまた起きないとも言えません。ですからお父様にこれ以上のご迷惑をお掛けする前に家を出ます。」
「それは認めない。だが…ネイオウミがサミュエル公爵家の御子息と一緒になるのが嫌なのは分かった。サミュエル公爵には私から伝えておく。」
「お父様、侯爵家からお断りするのが難しいことは私でも知っています。なのにどう返事をするつもりなのですか?私はお断りして欲しいんです。」
「大丈夫だ悪い様ようにはしない。約束しよう。」
〔約束って…私の話も聞かないでそんな事言われても…〕
「話は終わりだ。戻りなさい。」
「お父様、必ずお断りして下さいね。約束ですよ?」
父は私の問いには答えず背を向ける。
「お父様………。」
〔私との約束を一度くらい守って下さいって言えたら何か変わるのかしら…言えるわけがないのだけれど…〕
「失礼します。お父様も早くお休みになって下さいね。」
そう言い父の書斎を出て離れにある自室に行く。
悔しいからなのか…悲しいからなのか…言い表し用のない何かが込み上げてきて泣いていた。
自室には私しか居ないから声をあげて泣いていた。
私が父に嫌われている事は知っている。
この家で私がいらない“物”だって知っている。
でも一度くらい娘だと思って欲しかった…
その日は泣き疲れて眠るまで泣いていた。
私は外に出るのもやめ離れの邸に引きこもる事にしました。
そうすれば何も起きないと考えたからです。
ですがその考えは甘かったのです。
侍女のいない私は身の回りのことは全て自分で行っていました。
自分で夕食を作り済ませた後は読書をして静かな時間を過ごしていたのですが、使用人が私を呼びに来たのです。
義母かシャーロットのどちらだろうと思っていたら私を呼んだのは父でした。
〔お父様がこんな時間に私に用があるなんて何事だろう?思い当たることといえば昨日のサミュエル公爵への失礼な態度に対する抗議でしょうか?〕
父の書斎のドアをノックし中に入る。
書斎には父しかおらず義母はいなかった。
「ネイオウミ座りなさい。」
「…はい。」
「何故呼ばれたか分かるか?」
「昨日サミュエル公爵と会ったことでしょうか?」
「そうだ。その前に図書館には何の用で行っていたのだ?」
〔そうだった…その事もあったんだわ…なんて説明したら怪しまれないかしら…〕
「その…離れに置いている小物に刺繍をしていまして…図案を見たくて刺繍の本を見に行っていました。」
「……そうか。」
〔良かった。信じてくれたみたい。〕
「それでサミュエル公爵と話した事についてだが受けて良いな?」
「えっ?どうしてですか?」
「どうしてとは何だ?お前は2度も婚約解消をしているのにそれでも御子息の相手にと望んでくれているのだぞ?」
〔2度も婚約解消になったのはお父様のせいでもあるのに…何でそんな言い方…まるで私が全部悪いみたいなそんな言い方…〕
「お父様……」
「何だ?」
「お父様お願いがあります。私をレナイト侯爵籍から除いて下さい。私はこの家を出て修道女になります。」
「何を言っているんだ‼︎」
「2度も婚約解消された娘です。同じことがまた起きないとも言えません。ですからお父様にこれ以上のご迷惑をお掛けする前に家を出ます。」
「それは認めない。だが…ネイオウミがサミュエル公爵家の御子息と一緒になるのが嫌なのは分かった。サミュエル公爵には私から伝えておく。」
「お父様、侯爵家からお断りするのが難しいことは私でも知っています。なのにどう返事をするつもりなのですか?私はお断りして欲しいんです。」
「大丈夫だ悪い様ようにはしない。約束しよう。」
〔約束って…私の話も聞かないでそんな事言われても…〕
「話は終わりだ。戻りなさい。」
「お父様、必ずお断りして下さいね。約束ですよ?」
父は私の問いには答えず背を向ける。
「お父様………。」
〔私との約束を一度くらい守って下さいって言えたら何か変わるのかしら…言えるわけがないのだけれど…〕
「失礼します。お父様も早くお休みになって下さいね。」
そう言い父の書斎を出て離れにある自室に行く。
悔しいからなのか…悲しいからなのか…言い表し用のない何かが込み上げてきて泣いていた。
自室には私しか居ないから声をあげて泣いていた。
私が父に嫌われている事は知っている。
この家で私がいらない“物”だって知っている。
でも一度くらい娘だと思って欲しかった…
その日は泣き疲れて眠るまで泣いていた。
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