(完)約束嫌いな私がしてしまった、してはいけない約束

奏直

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妄想 シャーロット視点

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何で?どうして?ハロルド様は本当に私のエスコートはして下さらないし、よりによってネイオウミお義姉…お義姉様なんてもう呼ばないわ!あの愚図な女のエスコートを、な・ん・でハロルド様がしているの?あの女は私の手紙を読んでなおも私を傷つけようとしているのかしら?本当に頭が悪くて嫌だわ!教養のないあの女なんかがハロルド様の側にいていいはずがないわ!それにあの姿は何なのよ!サミュエル公爵家に強請ったのね…なんて浅ましい女なの!!

そう心の中で捲し立てて居ると見知った人影が見えます。
それはイザベル従姉様です。
確か婚約者のシドオア?様だかと来て居るはずですのにあの女に近付いて行きますわ!
まさかイザベル従姉様は私のためにあの女に注意しようとしているのかしら?
そうに決まっていますわ!だって私達は血の繋がりがあるんですもの。
なんて言ってくださるのかしら?

例えば…

「ネイオウミ?どうしてお前みたいな女がハロルド様といるの?シャーロットの気持ちを知っていてそんなことしていいと思っているの?」

そうイザベル従姉様が私のために言うとあの女が言うのよ!

「シャーロットの気持ちなんて知りませんわ…あんな女の事なんて興味ありませんもの!あんな女より私の方が質素でいいでしょ?」

妄想でもあの女にあんな女呼ばわりは嫌だわ…でもこんな話し方をされて泣き出す私を見たハロルド様は気付くのよ!

「ネイオウミ…お前は最低な女だな。妹の事をあんな女など…それにイザベル嬢、シャーロット嬢が私に想いを寄せていると言うのは本当か?」

「はっ!それは秘密でしたのに…」

そうなの!私の気持ちはひた隠しにしていたもの!なのにこの夜会でハロルド様に知られてしまうのよ!

「俺はネイオウミに騙されていたんだ!俺の本当に愛すべき女性はシャーロット嬢だったんだ…これはこの夜会で發表する予定だった話だが俺はもう待っていられない!俺は次期国王になる。俺の妻は…」

この時、あの女はもう望は全くないのにドキドキしながら待つのよ!でも呼ばれるのは…

「俺の妻になるのはシャーロット嬢だ!」

「どうしてですか?」

そうあの女が縋りついてもハロルド様はもう相手にされないのよ!そして、あの女を払い除けて私を抱きしめるの!
あぁ早く抱きしめて欲しいわ!
あの女は喚き散らすの!それを見たハロルド様は言い放つのよ!

「浅ましいあの女を連れ去れ!!」

そして私が言うの…

「怖かったわハロルド様…でもネイオウミお義姉様は血の繋がりはなくともお義姉様です…ハロルド様どうか…」

そう涙ながらに伝える私にハロルド様は感激されるの。

「あんな事を言われたのなんて優しい女性なんだ!シャーロット俺の妻になってくれるな?」

そう言って…公然の場で…私に口付をしてくださるの…

なんて妄想を広げていたら皆様はいなくなってしまいましたの…
どこへ行ったのかしら?
でもきっとハロルド様は次期に私を迎えに来てくださるわ!
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