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消えた男の子
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ヴィーについて進み始めてどのくらい経ったでしょうか?
身をかがめ狭い通路を進むため汗が流れます。
せっかく朝からアリーさん達が頑張って下さったのに…サミュエル公爵様とお父様が贈って下さったドレスなのに…お義母様もエド様もダニー様も私に色々と教えて下さったのに…気をつけるようにと側を離れるなとハル様はそう言って下さったのに…私は…ダメですね…ヴィーだって私を助けてくれて一生懸命逃げる手助けをしてくれているのに…ヴィーにはたくさん感謝を伝えましょう!皆様にはたくさん謝罪をしましょう!だから今は無事にここを逃げ出す事を考えなくては!まだ仮面の男が言っていた1時間は経っていないはずです!早く逃げなくては!
「もう少しだよ!このまま進んで行ったらサミュエル公爵家の控室に出るから!」
「ヴィー本当にありがとう!」
「うん。」
私は他にもヴィーに伝えたい事が沢山ありました。
でもそれしか言えませんでした。
ヴィーもそれしか言いませんでした。
恐らくヴィーは私がヴィーの正体に気づいている事を分かっていると思います。
でも、お互いに何も言いませんでした。
「お姉ちゃん、もう着くよ!着いたらさっきの部屋と同じで、こっち側から鍵を開けると扉を開けることができるようになるからね。ただ、扉の前には隠すために絵とかが置いてあるから部屋の中からそれを動かしてもらう必要があるんだよね…僕が開けてもらおうとしたら警戒されるだろうからお姉ちゃんが中に声を掛けてね。」
「わ、分かりました。」
「クスッ。緊張してる?大丈夫だよ。きっと上手くいくから。」
「はいっ!」
「着いたよ!ここを開けて…それじゃあお姉ちゃん中に声かけてみて!」
「あ、あの~」
「お姉ちゃんそんな小さな声じゃ聞こえないよ…」
「ゔっ…あ、あっあの‼︎」
ガタッ!
私が大きな声で…こんな大きな声初めて出したかもしれません…とにかく大きな声で呼びかけると中がガタガタと慌ただしく動く音がします。
「イオなのか?」
少し警戒した声でハル様が聞いてきます。
私は嬉しくてさらに呼びかけます。
「そうです。ここを開けてください!」
ここか?やこっちか?などが聞こえる中、私は何度もここです!と言い続けますが途中で扉を叩いた方が良いと思って扉をドンドンと叩きます。
「ここか!」
そう聞こえた次の瞬間光が差し込みます。
「イオ!」
ハル様の声に涙が溢れてきます。
ハル様が腕を伸ばし私を抱きとめてくださいます。
「離れてごめん…ごめん…」
ハル様は何度もそう言って下さいます。
私も離れてごめんなさいと何度も伝えます。
「なぁイオどうやってここまで来たんだ?」
エド様にそう聞かれ私は扉の中を指さしてヴィーのおかげで…と言いましたがヴィーはいませんでした。
私はここまでこれた経緯とヴィーについて伝えました。
皆様は私の話を真剣に聞いて下さいました。
「そうだったのね。何があったかは分かったわ。それじゃあイオは夜会の準備をしましょうか!」
「ふぇ?」
お義母様は私の話を聞くとそう言いました。
私はてっきり今日の夜会は不参加だろうと安心していたので情けない声をあげてしまいました。
「相手はイオに夜会に出てほしくないようだから、何事もなかったように参加した方が良いでしょ?」
お義母様は美しい淑女の微笑みで有無を言わさずそう決められたのです。
身をかがめ狭い通路を進むため汗が流れます。
せっかく朝からアリーさん達が頑張って下さったのに…サミュエル公爵様とお父様が贈って下さったドレスなのに…お義母様もエド様もダニー様も私に色々と教えて下さったのに…気をつけるようにと側を離れるなとハル様はそう言って下さったのに…私は…ダメですね…ヴィーだって私を助けてくれて一生懸命逃げる手助けをしてくれているのに…ヴィーにはたくさん感謝を伝えましょう!皆様にはたくさん謝罪をしましょう!だから今は無事にここを逃げ出す事を考えなくては!まだ仮面の男が言っていた1時間は経っていないはずです!早く逃げなくては!
「もう少しだよ!このまま進んで行ったらサミュエル公爵家の控室に出るから!」
「ヴィー本当にありがとう!」
「うん。」
私は他にもヴィーに伝えたい事が沢山ありました。
でもそれしか言えませんでした。
ヴィーもそれしか言いませんでした。
恐らくヴィーは私がヴィーの正体に気づいている事を分かっていると思います。
でも、お互いに何も言いませんでした。
「お姉ちゃん、もう着くよ!着いたらさっきの部屋と同じで、こっち側から鍵を開けると扉を開けることができるようになるからね。ただ、扉の前には隠すために絵とかが置いてあるから部屋の中からそれを動かしてもらう必要があるんだよね…僕が開けてもらおうとしたら警戒されるだろうからお姉ちゃんが中に声を掛けてね。」
「わ、分かりました。」
「クスッ。緊張してる?大丈夫だよ。きっと上手くいくから。」
「はいっ!」
「着いたよ!ここを開けて…それじゃあお姉ちゃん中に声かけてみて!」
「あ、あの~」
「お姉ちゃんそんな小さな声じゃ聞こえないよ…」
「ゔっ…あ、あっあの‼︎」
ガタッ!
私が大きな声で…こんな大きな声初めて出したかもしれません…とにかく大きな声で呼びかけると中がガタガタと慌ただしく動く音がします。
「イオなのか?」
少し警戒した声でハル様が聞いてきます。
私は嬉しくてさらに呼びかけます。
「そうです。ここを開けてください!」
ここか?やこっちか?などが聞こえる中、私は何度もここです!と言い続けますが途中で扉を叩いた方が良いと思って扉をドンドンと叩きます。
「ここか!」
そう聞こえた次の瞬間光が差し込みます。
「イオ!」
ハル様の声に涙が溢れてきます。
ハル様が腕を伸ばし私を抱きとめてくださいます。
「離れてごめん…ごめん…」
ハル様は何度もそう言って下さいます。
私も離れてごめんなさいと何度も伝えます。
「なぁイオどうやってここまで来たんだ?」
エド様にそう聞かれ私は扉の中を指さしてヴィーのおかげで…と言いましたがヴィーはいませんでした。
私はここまでこれた経緯とヴィーについて伝えました。
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