160 / 215
無理難題
しおりを挟む
~シャーロット~
私にもまだチャンスがあると話す声が聞こえる。
何でも良いの。
このまま終わってしまうくらいなら何にでも縋るわ。
ハロルド様に惹かれたのは本当だけど、絶対に彼じぁなきゃいけないわけじゃなかった。
ただネイオウミに負けるのだけは嫌だったの。
本当のお母様もいなくて、お父様にも愛されてなくて、お姉様にも相手にされていない可哀想なネイオウミお義姉様。
そんなネイオウミお義姉様とは対照的に私はお母様にもお父様にも愛されていて、お姉様も私の相手をして下さっていた。
産まれながらに私はネイオウミよりも優位に立っていたのに…あの憐れんだ目を私に向けさえしなければこんなに恨む事もなかったのに…
だから私はあの女から全てを奪わなくてはならなくなったの。
両親の愛も、お姉様の関心も、婚約者も…私はただネイオウミよりも愛されていることをネイオウミに教えたかっただけなの。
もう私を憐れまないでって…それだけのつもりだったはずなのに…なのにハロルド様と婚約するだなんて…許せない…
許せない…許せな…許せない…許せない…許せない…許せないわ。
このままじゃあ私はネイオウミに負けた事になってしまうもの。
そう考えると本当にネイオウミは邪魔だわ。
そうね。
ネイオウミが壊れてしまえばいいんだわ。
アイザックの提案はとても魅力的だもの。
私にも危険が及ぶかも知れないけどきっと皆んなが助けてくれるから大丈夫よね。
そうよネイオウミの目の前で、ほんの少し段差があるところから転べば良いのよ。
妊娠している私にそんな危害を加える危険な人間には誰も近づかないわ。
そんな嫌な女にはハロルド様も嫌気がさすはずよ。
お母様は反対しているけれど私は賛成だわ。
お母さんに辛い思いをさせている悪い人を退治するためならきっとお腹の子も頑張ってくれるはずだわ。
大丈夫よ。
これであなたのお父さんもお母さんの元に戻ってくるわ。
待っててね。
~イザベル~
公爵様が私とエドガード様を結婚させると言って出ていかれてから、私は何が起きたのか理解できないまま立ち尽くしていました。
そのおかげかネイオウミに危害を加えようと動いている者が分かってきました。
叔母様が主体で動いている可能性が高いと思っていましたが、アイザックが勝手に動いていると思って良いようですね。
しかもシャーロットが妊娠しているのにあの子に危険を冒してまでネイオウミを傷つけるように提案するなんて…
お父様もそんな話を聞いているのに何も言わないなんてネイオウミの事が心配じゃないの?
分からないわ。
でも、ここで情報を集めなくては…また私のせいでネイオウミに危険が及ぶのだけは避けなきゃ。
それに出来ればシャーロットにも無茶はさせたくないわ。
経緯はどうであれ、お腹に子供がいるなら無理はさせるべきではないし、ネイオウミを貶めるためにわざと高いところから転び落ちるなんて…そんな事提案するアイザックが信じられないわ。
叔母も反対しているしシャーロットも無茶な真似はしないだろうけれど…
とにかくこの場にいれたことを最大限有効活用しなきゃいけないわね。
私にもまだチャンスがあると話す声が聞こえる。
何でも良いの。
このまま終わってしまうくらいなら何にでも縋るわ。
ハロルド様に惹かれたのは本当だけど、絶対に彼じぁなきゃいけないわけじゃなかった。
ただネイオウミに負けるのだけは嫌だったの。
本当のお母様もいなくて、お父様にも愛されてなくて、お姉様にも相手にされていない可哀想なネイオウミお義姉様。
そんなネイオウミお義姉様とは対照的に私はお母様にもお父様にも愛されていて、お姉様も私の相手をして下さっていた。
産まれながらに私はネイオウミよりも優位に立っていたのに…あの憐れんだ目を私に向けさえしなければこんなに恨む事もなかったのに…
だから私はあの女から全てを奪わなくてはならなくなったの。
両親の愛も、お姉様の関心も、婚約者も…私はただネイオウミよりも愛されていることをネイオウミに教えたかっただけなの。
もう私を憐れまないでって…それだけのつもりだったはずなのに…なのにハロルド様と婚約するだなんて…許せない…
許せない…許せな…許せない…許せない…許せない…許せないわ。
このままじゃあ私はネイオウミに負けた事になってしまうもの。
そう考えると本当にネイオウミは邪魔だわ。
そうね。
ネイオウミが壊れてしまえばいいんだわ。
アイザックの提案はとても魅力的だもの。
私にも危険が及ぶかも知れないけどきっと皆んなが助けてくれるから大丈夫よね。
そうよネイオウミの目の前で、ほんの少し段差があるところから転べば良いのよ。
妊娠している私にそんな危害を加える危険な人間には誰も近づかないわ。
そんな嫌な女にはハロルド様も嫌気がさすはずよ。
お母様は反対しているけれど私は賛成だわ。
お母さんに辛い思いをさせている悪い人を退治するためならきっとお腹の子も頑張ってくれるはずだわ。
大丈夫よ。
これであなたのお父さんもお母さんの元に戻ってくるわ。
待っててね。
~イザベル~
公爵様が私とエドガード様を結婚させると言って出ていかれてから、私は何が起きたのか理解できないまま立ち尽くしていました。
そのおかげかネイオウミに危害を加えようと動いている者が分かってきました。
叔母様が主体で動いている可能性が高いと思っていましたが、アイザックが勝手に動いていると思って良いようですね。
しかもシャーロットが妊娠しているのにあの子に危険を冒してまでネイオウミを傷つけるように提案するなんて…
お父様もそんな話を聞いているのに何も言わないなんてネイオウミの事が心配じゃないの?
分からないわ。
でも、ここで情報を集めなくては…また私のせいでネイオウミに危険が及ぶのだけは避けなきゃ。
それに出来ればシャーロットにも無茶はさせたくないわ。
経緯はどうであれ、お腹に子供がいるなら無理はさせるべきではないし、ネイオウミを貶めるためにわざと高いところから転び落ちるなんて…そんな事提案するアイザックが信じられないわ。
叔母も反対しているしシャーロットも無茶な真似はしないだろうけれど…
とにかくこの場にいれたことを最大限有効活用しなきゃいけないわね。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完】まさかの婚約破棄はあなたの心の声が聞こえたから
えとう蜜夏
恋愛
伯爵令嬢のマーシャはある日不思議なネックレスを手に入れた。それは相手の心が聞こえるという品で、そんなことを信じるつもりは無かった。それに相手とは家同士の婚約だけどお互いに仲も良く、上手くいっていると思っていたつもりだったのに……。よくある婚約破棄のお話です。
※他サイトに自立も掲載しております
21.5.25ホットランキング入りありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います
りまり
恋愛
私の名前はアリスと言います。
伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。
母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。
その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。
でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。
毎日見る夢に出てくる方だったのです。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる