(完)約束嫌いな私がしてしまった、してはいけない約束

奏直

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見つかったダニー

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「国王様、サミュエル公爵家の皆様、そしてネイオウミ嬢…お疲れと存じますが、この老婆に今少し皆様のお時間を頂戴いただけないでしょうか?」

招待客の皆様がお帰りになった後、公爵夫人からそう声を掛けられました。
サミュエル公爵家の皆さも…何よりも国王様がお帰りにならないので何かあるのだろうなと思ってはいましたが、公爵夫人と話すためだったのですね。
ただ、私はそれよりもダニー様の安否が心配でなりませんでした。

「ハル様…」

「分かっているよ…。大丈夫だよ。ダニーはあぁ見えて強いから…うん、無事だよ。」

あぁハル様も不安なんですよね。
心配なんですよね。
なのに私は焦るばかりで…どうかダニー様が無事でいますように…

「俺は構わない…が俺の可愛い甥っ子はどこに行ったんだ?」

まさか国王様がお聞きになるとは思いませんでした。
でも、国王様にとっても大切な甥っ子ですもんね。
国王様を遠くに感じていましたがお優しい方なんですね。
私も気になっていたので聞いていただけて良かったです。

「俺の娘が心配してるんだ。居所を早く言え!」

なんと⁉︎
私が心配しているからなんですか?
お優しいと思っていたのに…でも、私が心配している事をお気づきであえてそう言ったのでしょうか?
国王様が何を考えているか分かりません。

「ダニエル・サミュエル様はご無事ですよ。先ほどから会場にいてこの状況も理解されていますから。」

えっ⁉︎会場に居る?
どこですか?無事ですか?
キョロキョロと辺りを見渡す私に、お義母様が笑われました。

「イオちゃんたら、本当に気づいていなかったの?」

と言いますよ、お義母様はずっと気づいていたのですか?
私は知らなかった事を首を縦に振って伝えました。

「まぁ。本当に気づいていなかったのね。それなら心配したでしょう。早く教えてあげれば良かったわ。」

はい、とても心配していました。
という事を表すためもう一度首を縦に振ります。
はっ!そうです。
ハル様も心配でしたよね?

「ハル様も心配でしたよね?」

「あ~俺はさっき会場にいることに気づいたんだ。本当についさっきね。ただ、確信は持てなかったから…伝えなくてごめん。」

そ、そんな!ハル様まで…
私はなんて鈍いんでしょうか…
ん?エド様?何をキョロキョロされているのでしょうか?

「どこだ?どこにいる?」

まさか⁉︎エド様は私のお仲間様ですか?

「エド、もしかして気づいていなかったの?」

「そんな余裕なかったからな。」

そうですよね。
あんな状況でそんな余裕ありませんよね。

「ふふっ。そろそろお顔を見せて差し上げてダニエル様。」

ジェダイナ公爵夫人の言葉にお髭をはやしたお爺さんが…お髭をお取りになりました…
お爺さんがダニー様だったのですか…
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