チャラ男は愛されたい

梅茶

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生徒会

生徒会さぁ……

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「遥、お前は親衛隊についてどう思う?」
「お、俺は…」


な、なにも考えてなかった…!!
それなのに会長や他の生徒会メンバー、それに先生までもこちらに注目してくるのだからたまったもんじゃない。完全になにか答えなければいけない雰囲気だ。

えぇ…俺、親衛隊持ってないし…まずこの学園入ったばっかりなんですが!?もう少し考える時間が欲しいというのが正直なところだ。ここは衝突を避けるためにも当たり障りのないこと言っとくか…?と考えたところで、今日話しかけてくれた男の子たちを思い出す。

…純粋な気持ちで親衛隊に入ってる子とかもいるんだよな…それに、親衛隊の子は先生の言う通り幼少期からこの学園で暮らして、この学園のルールを守ってきていた子たちなんだ。それを何も知らない特待生がいきなりやめろと言うのもどうなのだろうか。

しかも今日の会長の親衛隊への態度…確かに親衛隊は生徒会や親衛対象の気持ちを無視していたのかもしれないが、会長たちだって親衛隊の子たちの気持ちを踏みにじっている可能性もあるんじゃないのか。なんて、入学式で会長たちに憧れた者としてファン目線で考えてしまう。

でも会長たちの悩みとかも俺知らないしな~!!え、これどうするのが正解なの!?俺は親衛隊を解散させたくないですって正直に言っちゃう!?でも美緒先輩にガッカリされたら怖い…!なんかフワッと反対したい!!

…だけど流石に視線が怖いので、鈴木先生の後ろにそろりと避難してから顔だけ出す。


「えーっと、俺は親衛隊のこと何もわかんないけど、可愛いなって思いま~す…!」


チャッッッラ!!!!

もう発言がチャラすぎるし多分会長たちの求めていた答えではないんだろうけど、あんな可愛い親衛隊ちゃん見ちゃったら解散させたいなんて思わないよ~~~!!
チラッと会長を見ると、そのご尊顔をこちらに向けて頷いている。


「…ふむ、そういうのもいいな」


何がだよ。会長からのコメントがいっつも変なんだよな。親衛隊ちゃん可愛いに賛成してくれてるの??


「久遠くんは反対ですか…」
「はんっ、意気地無し~」


アッ美緒先輩にふわっと濁した言葉を断定されてしまう。しかも緋月先輩には鼻で笑われてしまう始末だ。うっ、悲しすぎる。あの先輩絶対俺の事嫌いだよな…
地味にショックを受けて涙目になっていたら、先生がぽんと頭を撫でてくれる。


「おいお前ら、やめてやれ。大体、久遠は外部性なんだからそんなもの答えられるわけが無いだろう。取り敢えずその話は終わりだ。」


全くもってその通りである。さすがすぎるよ先生…本当にこの学園の教師は良い人率高いなぁ。鈴木先生がパンパンと手を叩いて、俺たちに席に座るよう促す。

生徒会室は教室2つ分ほどの広さがあり、部屋の中央にはコ型のように机が置かれ、それぞれの役員専用の机となっていて、入って右側の空間は談話室のようになっており、高そうな机と、先程俺と千歳が座っていた3人がけの(と言っても4人で座れそうなほどのでかさがある)ソファが2つと、1人がけのソファが2つ誕生日席に置かれてある。今回は書類仕事ではなく話し合いを中心とするらしいのでみんなで談話室の方に座ろうとしているのだが…問題はどこに座るか、だ。

1人がけのソファには既に会長と先生が座ってしまっているし、茜くんの隣は絶対ないからな。生徒会長の近くも地味に怖いので、こういうのは早い者勝ちだと茜くんが座ってないソファの先生に近いところに座り、茜くんが取り合われているのをボーっ眺める。美緒先輩に双子先輩、千歳まで…はぁ~人気者かよぉ。嫉妬で狂いそうだわ。

と思ったが、生徒会長がわざわざ席から立ち上がり、伊月先輩がにこにこしながらこちらに来るのを見て撤回する。いやもう取り合いとか全然してもらっていいから本当に端っこの方に座ってる俺なんて気にしないであっちいってて…!!本当に!!!

…そんな俺の願いとは裏腹に、生徒会長はわざわざ俺を押して先生に近いソファの端っこの方に座り、真ん中に移動してしまった俺の隣にすっと座り手の甲を妖しく撫でてくる伊月先輩にビクッとなる。なに!?何が始まってるの!?


「え、ちょ、そんな押さな、ひぇっ」
「あは、はるちゃんてばビクッとしちゃってかぁわいい♡」
「な、なに…!?」
「フッ、構って貰えなくて拗ねていただろう?お前は本当に可愛いな」
「ほっぺ膨らんじゃってたよ?」
「っ!?いや、べ、別に、すねてないですけどっ!?」
「うんうんそうだねぇ~♡」
「よしよし、可愛いな」
「~~~っ!!」


な、なんだこの羞恥プレイ!!?いや、確かに拗ねてたけど、別にこういう扱いをされたかった訳では無いというか!!先生にまでなんだか生暖かい目で見られている気がして泣きそうになる。多分俺今耳まで真っ赤だ。

結局それは茜くんが、生徒会長が移動したことで空いた1人がけの椅子を見つけ、やったー誕生日席空いてんじゃん!と、茜くん争奪戦から抜け出してそこに座るまで続いてしまった。お、お前ら席順ぐらいもっと早く決めんかい!!もう既にこちらは満身創痍だ。

取り合っていた方々は大変不満そうにしながらも、結局先生に席替えぐらいいくらでもできるだろと注意され渋々座っていっていた。こんなこと言っては失礼だが、ここは小学校か???まあ席替えを提案されたとして1番に手を挙げるのは多分俺だが。



やっと始まった本題は、新入生歓迎会についてだ。本来なら俺と千歳、茜くんは歓迎される側なのだが、生徒会役員は実行委員側に回らなくてはならないらしく、生徒会の仕事は企画を考えることらしい。しかし、企画すると言っても大体例年と同じことをしていると先生が説明してくれる。

へぇー新入生歓迎会って何するんだろ。やっぱり金持ち学校だから立食パーティーとか?うわ、舞踏会とか始め出したらどうしよ…俺踊れないんだけど…

そんな不安とは裏腹に、過去のデータとして渡された資料に驚く。え、『鬼ごっこ』を毎年してるの??金持ち学校なのに??もしかして金持ちの間では鬼ごっこも別のゲームなのかな?なんて思ったがルール説明も新入生と役員持ちの生徒は逃げる側になり、在校生に追われるというものでホントに鬼ごっこだった。急に庶民的じゃん。


「わっ、鬼ごっこ!?懐かし~!俺小学生の時やって以来だ!」
「おや、あなたの小学生姿もさぞ可愛らしかったのでしょうね。見れなかったことが残念です。」
「うわ~僕も可愛い茜見たかったなぁ~、まぁ今も十分可愛いけど♡」
「なっ、可愛い可愛いって…俺のことチビって言いてぇのか!?」
「ふふ、いえいえ、そのまま愛らしいという意味ですよ。」
「そうそう、大好きってこと~!」
「そ、それなら…まあいいけど…」


俺は今何を見せつけられているんだ???だいたいお前はチビだろうが認めろよ、なんて嫌いな奴にはなんにでもイラついちゃうお年頃の俺はムッとして視線を逸らすが、ニコニコ笑っている生徒会長と目が合って全力で笑顔に戻す。流石にもうあんな羞恥プレイはご遠慮願いたい。生徒会に入ってたら俺笑顔が上手くなる気がするわ。

その後も話し合いは続き、細かいルールや禁止区域、また最後まで残った生徒と役員持ちを捕まえた生徒へのご褒美なんかを決めていった。
ご褒美は最後まで残った生徒は生徒会にお願いごとができ、在校生たちは役員持ちを捕まえたらその役員になにかお願いごとができるというこの学園の生徒にとっては夢のようなものである。まぁお願い事はあのでっかい体育館で全校生徒の前で言わなければいけないらしく、変なことを願えば親衛隊から制裁が入るので気負わなくてもいいと言われた。なんだ、親衛隊もちゃんと役に立ってるんじゃん。

あと、捕まえたかどうかはこの鬼ごっこの為だけに開発されたスポーツウェアを使って判断するらしい。なんでも、逃げる側が鬼側にタッチされると、中央で違反行為を取り締まっている風紀委員に連絡が行くうえ、行動も筒抜けになっているという安心安全のハイスペ仕様なんだとか……いや、無駄に豪華すぎるだろ。

何はともあれ話し合いも終わり、あとは風紀委員に今作成した書類を渡し不備はないかと当日の警備について照らし合わせるだけらしいが、あっちでもだいたい話は終わっているので本当に届けるだけらしい。それなら安心だなと思っていたのだが…誰が持っていくかという話になった途端、空気が変わる。


「う~ん、風紀委員室かぁ。俺あの風紀委員長苦手なんだよな、すぐ怒ってくるし!なんか思い出したら頭痛くなってきたぁ」
「!…ごほん、あぁ、失礼。私も少し体調が優れないので本当は届けに行きたいのですが…もう帰らせて頂きますね。」
「う~ん、僕達もちょっと~」
「あれれ~目眩がしてきたかも~」
「……こほん」


きゅ、急に何が始まったんだ…!?いきなり体調不良を訴え始める生徒会メンバーに戸惑っていると、生徒会長が顰めっ面で舌打ちする。


「チッ、出遅れたか…あー、俺もあいつを思い出すだけで頭が痛くなってくるぜ。遥、すまんがお前が風紀委員室にこの資料届けていくれ。」
「へ?……あ、はぁい…」


………いや本当に小学生か???どんだけ風紀のこと嫌いなんだよ。いきなり始まったこれがただの仕事の押しつけあいだと気付いて、なんとも言えない気持ちになる。いや、アイドルみたいだなって憧れた気持ちはあったし、今だって実は会長のカリスマオーラとかほかの役員の顔の良さに緊張してたけどさぁ…生徒会さぁ……!!

ちょっと自分の中で生徒会の評価を下げてしまった。

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