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3.叶わないと思ってた。

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3.叶わないと思ってた

 柚葉side
 初めての中学校。
 最初に話しかけてくれたのは、隣の席の君。
 好きになったきっかけは、体育大会。
 それだけじゃない。隣で喋っている時から、気になっていた。
 菅田俊輔。名前から、皆に[しゅんしゅん]と呼ばれている。
 親しみやすくて、面白い。
 彼は、私の初恋の人。

「柚葉!」

 初めて名前を呼ばれた日のことを、忘れられない。
 
俊輔side
 中学校に入って、初めて喋ったのは、隣の佐々木柚葉。
 明るくて、可愛くてこんな人会ったこと無かった。
 俺は『恋』をした事が無い。
 だからこの気持ちが何なのか。分からなかった
 喋る度に、楽しくてまた喋りたいと思える。
 そんな彼女の噂を聞いたのは、去年の10月。
 佐々木さんが、俺の事を好きと。
 それは、友達で相談相手の藤井仁音。
 俺の、佐々木さんに対する思いを言っていると「それ、柚葉の事好きって事でしょ」
『これが、恋…』

 バレンタイン前、佐々木さんの友達と、俺と仁音と雄登で遊ぶことになった。
 なぜか分からないけど、女子がザワザワしているのは、気のせいなのか。
 そうして、遊んでいると…

「しゅんしゅーんちょっと、来て!」

 陽菜に呼ばれて行くと、そこには佐々木さんがいた。
「あの、これっ」
 そう言って渡されたのは、紙袋。
「開けてみて」
 開けるのそこには、一枚の紙。
『好きです』
 びっくりしすぎて、言葉が出なかった。

 告白されて、1ヶ月。
 俺は、思いを伝える事にした。
「柚葉!」
 最近、佐々木さんのことを、名前呼びにしようと心がけている。
「これ、チョコ美味しかった。ありがとう////」
 柚葉は、少し恥ずかしがっていた。
「こっちこそ、ありがとう/////」
 そのまま、別れた。
[告白したかったのに…]

 その日の夜。
[もう告白は無理だ…]そう思っていた時。
「俊輔ー!」
 姉から呼ばれて、電話を取ると柚葉だった。
「ごめんね、急に」
「ううん」
「チョコありがとう」
「こちらこそ、」
 沈黙が続いた。今しかない、そう思った。
「じゃあ」
「ちょっと待って!、、、俺と付き合ってください」
「えっ、」
「あっ、ごめん急すぎたよね。こういうの直接言いたかったんだけど」
「ううん、ありがとう!よろしくお願いします/////」
「マジ!?」
「うん!」
「じゃ、明日ね!おやすみ」
「おやすみ!」

 返事の仕方も、柚葉らしかった。
 俺は、ずっとこの人を守りたい。そう思えた。

柚葉side
 告白されて、初カレ。
 嬉しすぎて、やばい!!!
 これからもずっと、好きでいる。
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