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5話
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玄関を出ようとした時。
「お兄ちゃん、どこ行くの?」
「ちょっと友達のとこ。」
そう言って、俺は外に飛び出した。
そうして走っていると、あたりはどんどん暗くなっていく。
家から公園までは、走って15分くらいだ。
たった15分でも日の位置って変わるんだな。
そう考えていると、すぐに着いた。
公園に来るのはなんだか、久しぶりだった。
「大翔!」
その声が聞こえた方向に目線を変えると、和樹がいた。
「和樹。どうしたんだよ急に」
「ごめん、大変な時に」
「いいよだいぶ落ち着いてたし、っていうかそんな言うの和樹らしくないな。」
そう言うと和樹は、一瞬考え込んでまた口を開いた。
「ま、大した話じゃないんだけどさ、」
「うん」
「俺、病気なんだ」
え、病気…って
あんな元気な和樹が?
うそだろ、、、
「病気って…治るんだよな…」
そう聞くと、和樹は言葉を詰まらせた。
「治らない…のか」
「うん。脳腫瘍があって、深いところにあるみたいで手術出来ないらしい。それで余命半年だって。」
「半年…」
余命半年って…
まだ、高校生活始まったばっかなのに。
脳腫瘍って。何なんだよ。なんで、和樹がそんなのにならないといけないんだよ。
おかしいだろ。頭脳明晰、運動神経抜群。女子からもモテて何もかもが完璧な和樹が、健康だけダメなんて。
おかしすぎんだろ。
「ごめんな。急すぎて驚いたよな。」
「ううん。俺は大丈夫だけど、和樹は大丈夫か?」
「俺?大丈夫だよ。残りの時間は俺がしたいこと全部する」
「そうだな。俺も手伝えることあったら何でも言って」
「おう。ありがとう」
それからしばらく、今後について話した。
そんな長居はしなかったが、深い話だった。
俺は、どうしても和樹が病気だって信じたくなかった。
でも、事実は事実だ。
どうしても受け入れないといけないことはある。
そう考えて、受け入れることにした。
これからどうなるのか。
誰にも分からないけど、俺は後悔のないように和樹と過ごしたい。
強く思う。
だって、母さんのことでものすごく後悔したから。
だから精一杯、和樹には生きて欲しい。
「お兄ちゃん、どこ行くの?」
「ちょっと友達のとこ。」
そう言って、俺は外に飛び出した。
そうして走っていると、あたりはどんどん暗くなっていく。
家から公園までは、走って15分くらいだ。
たった15分でも日の位置って変わるんだな。
そう考えていると、すぐに着いた。
公園に来るのはなんだか、久しぶりだった。
「大翔!」
その声が聞こえた方向に目線を変えると、和樹がいた。
「和樹。どうしたんだよ急に」
「ごめん、大変な時に」
「いいよだいぶ落ち着いてたし、っていうかそんな言うの和樹らしくないな。」
そう言うと和樹は、一瞬考え込んでまた口を開いた。
「ま、大した話じゃないんだけどさ、」
「うん」
「俺、病気なんだ」
え、病気…って
あんな元気な和樹が?
うそだろ、、、
「病気って…治るんだよな…」
そう聞くと、和樹は言葉を詰まらせた。
「治らない…のか」
「うん。脳腫瘍があって、深いところにあるみたいで手術出来ないらしい。それで余命半年だって。」
「半年…」
余命半年って…
まだ、高校生活始まったばっかなのに。
脳腫瘍って。何なんだよ。なんで、和樹がそんなのにならないといけないんだよ。
おかしいだろ。頭脳明晰、運動神経抜群。女子からもモテて何もかもが完璧な和樹が、健康だけダメなんて。
おかしすぎんだろ。
「ごめんな。急すぎて驚いたよな。」
「ううん。俺は大丈夫だけど、和樹は大丈夫か?」
「俺?大丈夫だよ。残りの時間は俺がしたいこと全部する」
「そうだな。俺も手伝えることあったら何でも言って」
「おう。ありがとう」
それからしばらく、今後について話した。
そんな長居はしなかったが、深い話だった。
俺は、どうしても和樹が病気だって信じたくなかった。
でも、事実は事実だ。
どうしても受け入れないといけないことはある。
そう考えて、受け入れることにした。
これからどうなるのか。
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強く思う。
だって、母さんのことでものすごく後悔したから。
だから精一杯、和樹には生きて欲しい。
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